敷地内の雨水浸透施設について
敷地内の雨水処理について、一定以上の能力を備えた雨水浸透施設を設置することを条件として、市道側溝などの市管理の公共用水域に放流管を接続することができます。
接続にあたっては、道路管理者である道路管理課(構造等については道路整備課)と協議を行ってください、なお、公共用地(道路)を横断して放流管を接続する場合は、道路法第32条申請(道路占用)が必要となります。
雨水浸透施設は、敷地内雨水の浸透処理及び、一時貯留を行うもので、浸透トレンチ及び、浸透マスを埋設管にて相互に接続する形態を基本とします。
雨水浸透施設の処理能力は、敷地面積の規模により、必要浸透強度13.4ミリメートルまたは18.9ミリメートルの雨量を処理できるものとします。
※本ページの記載内容をまとめた資料(PDFファイル)をページ下部にご用意しておりますので、ご活用ください。なお、データの二次配布、改変、用途外での使用、販売、譲渡を含む営利を伴う使用は禁止とさせていただきます。
対象区域
対象区域は、市管理の公共用水域(※1)に雨水排水を接続できる区域のうち、既に開発によって遊水池等の調整施設等が設けられている区域(以下、直接接続区域)を除く区域です。
直接接続区域は下表のとおりです。
※1 水質汚濁防止法に規程される水域や水路のこと。河川、湖沼、港湾、沿岸海域、公共溝渠、かんがい用水路、その他公共の用に供される水域や水路。ただし、公共下水道は除きます。
雨水浸透施設の能力
雨水浸透施設とは、浸透トレンチ・浸透マス及び、その他の浸透施設を指します。設置していただく雨水浸透施設の能力は、敷地面積1㏊当り、250m3(区域面積1,000平方メートル未満)または500m3(区域面積1,000平方メートル以上)の貯留量と同等の調整効果としたものです。
また、1㏊以上の開発行為については、埼玉県の「埼玉県雨水流出抑制施設の設置等に関する条例」が適用されますので、埼玉県河川砂防課の指導に従っていただく必要があります。
※自己住居用の住宅に限り、敷地面積が300平方メートル以上である場合には、算定のための敷地面積を一律300平方メートルとして取り扱います。
敷地面積ごとの雨水浸透施設の能力
※2 併用住宅にあっては、第1種低層住居専用地域に建築可能なものを、自己居住用として取り扱います。
※3 開発区域面積が300平方メートル、必要浸透強度13.4ミリメートル/hrの場合に算出される浸透量です。
雨水浸透施設の構造
○雨水浸透施設の構造は、必要浸透量を安全、確実に浸透できる構造とします。盛土した箇所に雨水浸透施設を設置する場合には、行為前の地盤高以下に浸透できる構造とします。
○雨水浸透施設の底面が地下水位より50センチメートル以上になるように設置します。
○雨水浸透施設は目詰まり等が発生し易いので、維持管理には十分配慮する必要があります。
○雨水浸透施設には、汚水が流入しない構造とします。
※ 法令指定区域等での雨水浸透施設の設置を禁止しておりますので、詳細については開発許可申請・届出の手引き(埼玉県県土整備部河川砂防課・平成19年4月版)をご覧ください。
浸透トレンチの構造
浸透トレンチは透水管、充填砕石、敷砂、透水シート、管口フィルターから構成されます。浸透トレンチは浸透機能と通水機能を有し、流入した雨水を透水管より砕石を通して地中へ分散浸透させます。浸透トレンチは地下埋設型ですので、上部を緑地や道路等に利用できます。浸透トレンチは流入した土砂等の清掃が困難なため、前後に浸透マスを設け、土砂等の流入を防ぐ必要があります。
浸透マスの構造
浸透マスは本体、充填砕石、敷砂、透水シート、連結管(集水管、排水管、透水管等)、付帯設備(目詰まり防止装置等)から構成されます。浸透マスの設置は浸透マスを単独で設置する場合と浸透トレンチあるいは浸透側溝と組み合わせて使用する場合があります。
浸透側溝の構造
浸透側溝は側溝、充填砕石、敷砂、透水シートから構成されます。浸透側溝は浸透機能の他、集水機能と通水機能を有し、水理的に浸透トレンチと類似しています。浸透側溝は道路、公園、グランド、駐車場等で浸透マスと組み合わせて用いられますが、土砂、ゴミ等の流入による機能低下を起こす場合が多いので、設置場所に応じて適切な維持管理が必要になります。浸透側溝は地表面の勾配に合わせて設置しますので、急勾配の場合には浸透機能を確保することが困難となります。
透水性舗装の構造
透水性舗装は表層、路盤(砕石)、フィルター層(砂)から構成されます。なお、プライムコート、タックコート等の接着層は設けません。透水性舗装は路盤を支持する路床の締固めを行うため、その団粒構造の破壊により、他の浸透施設に比べて浸透能力は比較的小さくなります。しかし、舗装体の空隙の貯留効果や蒸発散量の促進に効果が期待できます。
透水性舗装は表層材の違いにより、アスファルトコンクリート、セメントコンクリート、平板ブロックに分類されます。
透水性舗装は表層の目詰まりによる機能低下が著しいため、適切な維持管理が必要となります。
雨水流出抑制施設の浸透効果量
雨水排水を本庄市所管の公共用水域に直接接続して処理する場合、雨水流出抑制施設の浸透効果量は、下記の式により算定します。
雨水浸透施設効果量(Q)(m3/hr)
=基準浸透量(Qf)×施設設置延長(あるいは設置個数、設置面積)
=比浸透量(K)×飽和透水係数(f)×施設設置延長(あるいは設置個数、設置面積)
※この式において、Qf、K、fは、それぞれ次の数値を表します。
Qf:雨水浸透施設(1m、1個または1平方メートル当り)の基準浸透量(m3/hr)
K :雨水浸透施設の比浸透量(平方メートル)
f :土壌の飽和透水係数(m/hr)
表(1) 比浸透量(K)の算定式
表(2) 比浸透量(K)の算定式
[飽和透水係数(f)について]
飽和透水係数は、現場透水実験により飽和透水係数を決定することを原則とします。
現場透水実験によらない場合の飽和透水係数は(1.5×0.001センチメートル/sec)とします。
また、雨水浸透施設を砂礫層(日本統一土質分類土質名:礫、粗礫、中礫、細礫、砂礫に限る)まで到達して設置した場合の飽和透水係数は(7.5×0.001センチメートル/sec)とします。
透水性舗装の場合は、締固め土の上に施工することになるため飽和透水係数は(0.075×0.001センチメートル/sec)とします。
※単位をセンチメートル/secからm/hrに変換すると次のようになります。
(1)1.5×0.001センチメートル/sec=0.0015×3600/100=0.054m/hr
(2)7.5×0.001センチメートル/sec=0.0075×3600/100=0.27m/hr
(3)0.075×0.001センチメートル/sec=0.000075×3600/100=0.0027m/hr
[雨水浸透施設の空隙貯留について]
雨水浸透施設の透水管、充填材などの空隙等については、貯留効果を考慮することができます。その場合には雨水貯留量を次のようにして算定します。
雨水貯留量(m3)=透水管やマス本体の体積+充填材の体積×空隙率
充填材の材料別空隙率
雨水流出抑制施設の能力検討
◎計算例
(1)敷地面積
:250平方メートル(約75坪)
(2)浸透施設
:浸透トレンチ(浸透面-側面及び底面)=8m
:浸透マス(正方形、浸透面-側面及び底面)=2個
(3)設計条件
:浸透トレンチ[設計水頭(H)=0.7m、施設幅(W)=0.7m]
:浸透マス[設計水頭(H)=0.6m、施設幅(W)=0.6m]
(4)飽和透水係数
:1.5×0.001センチメートル/sec=0.0015×3600/100=0.054m/hr
(5)充填材
:単粒度4号砕石(空隙率40%) 埼玉県許可申請・届出の手引き準用
(6)影響係数
:0.9(本庄市独自基準)
敷地面積(A)= 250 平方メートルより、必要設計浸透量(Q)=0.0134×A= 3.35 m3/hr
雨水浸透施設効果量(Q)
◇浸透トレンチ(Qt)
=基準浸透量(Qf)×施設設置延長+充填材体積×空隙率
Qf =(aH+b)×0.9×0.054=[3.093×0.7+(1.34×0.7+0.677)]×0.9×0.054
Qt =0.18m3/hr/m×8m+0.7×0.7×8m×0.4
=3.01m3/hr(Qt)
◇浸透マス(Qm)
=基準浸透量(Qf)×施設設置個数+充填材体積×空隙率
Qf =(aH2+bH+C)×0.9×0.054=[(0.12×0.6+0.985)×0.6×0.6+(7.837×0.6+0.82)×0.6+(2.858×0.6-0.283)]×0.9×0.054
Qm=0.25m3/hr/個×2個+0.6×0.6×0.6×2個×0.4
=0.67m3/hr(Qt)
∴Qt+Qm=3.01+0.67=3.68≧3.35(Q)であるので、浸透量を満足する施設です。
※上記計算の雨水浸透施設は、参考であり、雨水浸透施設の組合せ等を制限するものではございません。また、各浸透施設の基準浸透量の早見表は、本庄市HP内(建築開発課・開発許可申請の手引き)に掲載されています。
その他の留意事項
(1)浄化槽排水について
浄化槽排水等(浄化槽排水およびその他の雑排水)と雨水排水とを共に公共用水域に放流する場合は、別々に排出してください。
また、敷地内で雨水浸透施設と合流しないよう注意してください。
(2)公共下水道(汚水管)との関係について
本庄市の公共下水道は分流式ですので、汚水本管には雨水を接続することは出来ません。
(3)放流口径および接続方法について
放流口の口径は、75ミリメートルまたは100ミリメートルとします。なお、側溝には穿孔機(コアー)で施工し、穿孔位置については、側溝のアゴ下10センチメートルが当該穿孔部の上部外周となるようにしてください。
また、連続して排水管等を接続する場合は、1m以上の離隔を設け側溝等の構造物に損傷を与えないように接続してください。
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更新日:2024年07月03日