第1回「塙保己一賞」受賞者のみなさん(平成20年2月分)

更新日:2020年10月01日

おはようございます。2月1日の月いちメッセージをお送りします。
先般1月26日にセルディで開催された、埼玉県主催の第1回塙保己一賞の表彰式は、大変印象に残った式典でした。塙保己一賞は、障害がありながら顕著な活躍をしている方やそれを支える方々の努力をたたえようと、埼玉県が創設したものです。賞は3種類あり、社会的に功績のあった障害者へ贈られる「塙保己一大賞」、今後の社会的活躍が期待できる40歳未満の障害者へ贈られる「奨励賞」、そして障害者への自立や社会参画への貢献が顕著な個人や団体に贈られる「貢献賞」となっております。第1回の大賞は、私財を投じて視覚障害者のための高齢者施設の設立や、日本で最初の盲人大学生への奨学金制度を創設された本間昭雄氏が受賞されました。また奨励賞は、日本人初のプロの全盲のフルート奏者として活躍中の綱川泰典氏31歳が受賞されました。さらに貢献賞は、昭和期まで存在した瞽女(ごぜ)と呼ばれる盲目の女性芸能集団や琵琶法師など、伝統音楽を伝えてきた視覚障害者の姿を映像に記録し、彼らの存在に光を当ててきた元NHKラジオディレクターの川野楠己氏が受賞されました。また今回は特別賞が設けられ、長年にわたる塙保己一先生の顕彰事業に取り組んできた温故学会理事長の斎藤政雄氏が受賞されました。
私が特に感銘を受けたのは、受賞者の挨拶でした。本間さんはご自身が医療事故により失明し、絶望の中にあって実は自分より不幸な人たちも大勢いることを知り、祖先が代々医師として活躍したことを思い起こし、視覚障害者の福祉に役に立ちたいと決心したそうです。施設や奨学金の創設に携わって50年、今回の受賞は本当にうれしい限りですとおっしゃっていました。今では失明したことに感謝すらしているという言葉に、会場は深い感動に包まれました。奨励賞の綱川さんは、両親や学校の先生、友人に支えられて今の自分があると感謝されていました。会場には綱川さんを支えてきた多くの方々も参加しており、時折目頭を押さえる方もいらっしゃいました。この後、彼はフルートで自作の曲を即興演奏し、これまた大きな感動を私たちに与えてくださいました。川野さんは「このたびの受賞は、私ではなく、これまで私が取材させていただいた瞽女のみなさんをはじめ多くの障害者のご労苦に報いるべく塙保己一さんから贈っていただいたものと感じております。」とおっしゃいました。斎藤さんは車いすに乗っておられ、お体が不自由でありながら、遠いところご出席され、壇上では短くもしっかりと感謝の言葉をおっしゃっていました。私が感銘を受けたのは、受賞者の皆さま方の、困難な人生に向き合う大きなエネルギーもさることながら、だからといって決して自分をひけらかすのではなく、非常に謙虚に、そして周囲への感謝の念を忘れないという姿勢でありました。まさに塙保己一先生が残された言葉「世のため、後のため」という精神を体現するような、人間として尊敬できる方々が、今回の受賞の栄に輝いたことを本当にうれしく思いました。市が副賞として贈ったブロンズ像も大変喜んでいただきました。教育委員会、生涯学習課のみなさんには県との共催事業ということで大変お疲れ様でした。また参加していただいたみなさんにも感謝します。
今朝のメッセージは以上です。今月もお仕事頑張ってください。

この記事に関するお問い合わせ先

企画財政部秘書課秘書係
〒367-8501
埼玉県本庄市本庄3丁目5番3号
電話:0495-25-1154
ファックス:0495-21-8499
メールでのお問い合わせはこちら