「クレームとクレーマーについて」(平成24年9月分)

更新日:2020年10月01日

おはようございます。9月3日になりました。今年の夏も本当に暑かったですが、残暑はまだまだ続くようです。みなさん体の調子はいかがでしょうか。熱中症は部屋の中でも起きますので、水分を十分に取りつつ、くれぐれも体調管理に気を付けてください。
さて、今日は、いわゆる「クレーム」と「クレーマー」について、述べてみたいと思います。
行政に寄せられるクレームについて考えてみます。クレームの中には、確かに行政にとって改善すべき課題を気づかせてくれるものなど、有益な指摘もあります。しかし、それとは別に、明らかに敵意を持った言いがかり、あるいは単にわがままな要求も数多くあります。クレームをつけてくる人をクレーマーと言いますが、今やこの言葉は、有益な指摘をしてくれる人というより、明らかに言いがかりやわがままな要求をしてくる人を指す言葉として使われています。
このようなクレーマーと呼ばれる人たちの共通点ですが、まず、権利意識が非常に強いということです。行政に対して、市民はその権利をどんどん主張するべきという強い思いがあるようです。この図式は、例えば学校に対する保護者、企業に対する消費者、病院に対する患者という構図にも当てはまります。そして、権利を主張する側が何を要求しても、行政、学校、企業や病院は反論できないはずだ、と思っている、これも彼らの特徴です。
次に、非常に権威主義であるということです。権威、と聞くと昔の人はそれこそ「お上(かみ)」という言葉を連想したでしょうが、今の権威主義者は違います。世の中には誰も批判できない言葉というものがあります。人権、平和、平等、民主主義、行政の説明責任などです。本来このような言葉を使う際には、誰も批判できない言葉だからこそ慎重になるべきと私は考えます。しかし彼らは、これらの言葉を濫用し、振りかざし、その権威によって自分の主張を通し、相手を黙らせようとする特徴があります。
さらに、昔はどちらかと言えば、とどのつまり金銭目当ての言いがかりが多かったのに比べて、最近はクレームをつけること自体を目的にしている、そこに価値を見出しているクレーマーが多くなっている、という傾向があると思います。特に、今やネット社会で、個人の意見の表出が非常に容易になっており、その傾向に拍車がかかっているようです。以上クレーマーと呼ばれる人の、いくつかの特徴をあげてみました。
繰り返しになりますが、寄せられるクレームそれ自体を頭から否定してはならないと思います。行政が正しい施策を進めているつもりでも、市民の中には不利益をこうむる人がいて、そして行政側がそれに気づいていない、更には、その対応を行政が間違ってしまい、まじめな一般市民が逆上せざるを得ないところまで追い込んでしまったケースもあるかも知れません。こういった状況には誠意を持って過ちを認め、自らを正していくことが是非とも必要です。
一方、初めから全くのエゴむき出しのクレームに対しては、私は厳正に対応していくべきであると思います。理不尽なクレームに振り回される状況が続くことは、対応した職員の精神を疲労させ、行政の停滞につながり、大多数の市民の利益を損なうことになりかねません。
私自身は、そういう人の理不尽な要求に時として憤りを感じる一方、なぜその人がそうなったのかを考えると、哀れに思うこともあります。他人を困らせて喜ぶ人は不幸な人です。不幸を増長させないようにするのも、その人のためではないかと思うのです。
職員のみなさんは、それぞれの窓口でクレームまたクレーマー対応に苦労されていると思います。今後ともそれぞれの経験を蓄積する中で、そのクレームが本庄市政全体、市民全体にとって有益か無益かをよく見極め、有益なものについては謙虚に受け止め、無益で理不尽な要求には恐れずひるまず、冷静かつ厳正に対応していただきますよう、今後ともよろしくお願いします。

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