年頭において訓示を行いました 「挑む」年に (令和2年1月6日)

更新日:2022年02月24日

「挑む」と半紙に書かれた年頭訓示を掲げている市長の写真

 あけましておめでとうございます。
 令和になって初めてのお正月、みなさんには健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。また田中議長におかれましてはお忙しい中ご臨席を賜り厚く御礼を申しあげます。
 新年スタートの元旦マラソン、今年は第60回という記念の大会。天候にも恵まれ多くの人で賑わいました。準備と設営に当たったみなさんに感謝申しあげます。また年末年始、住民情報システムの更改のため出勤したみなさんお疲れ様でした。
 さて平成から令和へと改元が行われた昨年は、本庄市においてもさまざまな出来事がありました。昨年私は一年間の言葉として「観る」という字を掲げました。物事をしっかりと観る、全体像や本質、さらにはその背景を観る、そして現場で実際にそのものを観る、これらを大切にと申しあげました。
 振り返って本庄市の昨年一年を「観て」みると、まさにさまざまな事業の現場に、それぞれ努力するみなさんの姿がありました。
 まず、10月の台風19号への対応については、CSFいわゆる豚コレラへの対応も重なり、私たちは未曾有の事態を経験しました。年明けもなお不自由を余儀なくされている方々の、一日も早い生活復旧をお祈りし、これまで対応に当たった、また現在も当たっている全てのみなさんに心から感謝します。そしてこの経験は、刻一刻と変化する状況を的確に「観」て対応することの難しさ、という大きな課題を我々に突きつけました。現在も反省点の検証が進んでおりますが、今後に向けてこの教訓をしっかり活かしましょう。
 続いてさまざまな行事や事業についてです。トルコ共和国ホストタウンの諸事業、改元奉祝の集い、NEXT商店街事業、スポレクフェスタ、お祭り等々、大きな事業で裏方を務めたみなさんお疲れ様でした。数字で成果を出せた事業としては、3年連続となる個人住民税納税率の全国平均以上の達成と、6年ぶりの国保税の現年度収納率93%の達成。企業誘致件数4件達成。また交通安全子供自転車全国大会で東小学校が団体個人双方の部で優勝。市もこの事業に警察や学校と共に関わることが出来ました。そして全国学力学習状況調査において本市小学生の国語がついに全国平均を上回りました。先生方のご尽力が実を結び始めています。
 このほか、国の大きな制度改正に伴う幼児教育・保育の無償化への対応。各分野の計画策定やスタート。新たな指定管理者の導入。本市固有の諸課題の解決に向けたハード・ソフト、まちづくり、人づくり、そして支えあいの諸事業。システム改修に伴う作業。日常業務において発覚した問題の是正。市民の皆さまから日々寄せられる要望への対応など、さまざまな事柄に、真摯に対応してくれたみなさんのご尽力に感謝申しあげます。
 なお私自身、全国市長会で社会文教委員長に就任し、さらには無電柱化を推進する市区町村長の会の会長という任にあり、昨年も数多くの職員のみなさんに支えていただきました。併せて感謝申しあげます。
 私自身も顧みて、「観る」ことによって物事が良く進み結果を出せた、あるいは「観る」ことが不十分で反省しなければならないこと、それぞれあります。みなさんもご自身の仕事を顧みて、出来た点、出来なかった点を反省しぜひ今後に活かしてください。
 さて、続いて今年の展望です。まずは時代の概況につき少し私の見方をお話しします。
 超高齢化が進む一方で、我が国の少子化は歯止めがかかっていない、と昨年末に報道されました。持続可能な社会をどう創るかは本当に難題です。また国際競争力の低下やさまざまな制度疲労が指摘され、国の衰退が懸念される時代になりました。一方で近年の気候変動がもたらす風水害や、切迫している首都直下地震など、起こりえる天災にどう対応するか、大きな課題を私たちは突きつけられています。このような中、高度なICT環境をさまざまな社会の課題解決にどう活かすか、また外国人の更なる受け入れや、障害者の一層の社会参画などにも取り組んで行かねばなりません。実はこれらは我々地方自治体が直面する課題でもあります。
 現在唱えられているSDGsの推進は、まさに混迷を深める社会の解決方法を見いだそうとする動きです。我が国においても4年前から、高度なICT環境を社会的な課題解決に活かし、持続可能な経済発展と両立させようというSociety5.0、超スマート社会の実現というコンセプトが打ち出されており、これもSDG’sの推進に向けた取り組みとして政府や経済界も位置づけております。
 今や経済界では、企業はその利益の一部を社会貢献すれば良い、ではなく、持続可能な社会づくりに企業活動そのものが貢献しているか否かで、その評価が決まる、という認識が広がりつつあります。先進的な企業においては、構成員のさまざまな多様性をいかにその組織の経営に活かすかという、いわゆるダイバーシティの考え方も広まっています。
 色々と申しあげましたが、要すれば、経済、社会、環境の各分野において、持続可能な取り組みにチャレンジし、その為にも高度なICT技術を駆使出来る人材を育成しつつ、一人一人の個性が多様性として社会の進展に活かされるよう努め、何が将来に向けて最適であるかを常に意識し皆で共有し、PDCAサイクルを回し、この営みにおいて、一人一人、自らのスキルを上げる努力が求められている、ということです。私自身の考えを申せば、大切なのは道徳心を持って最新の技術を駆使できる人づくりに尽きる、これが令和の時代の社会そして自治体にも求められており、それは本市も同じであると、改めてみなさんに訴えたいと思います。
 そこで本年の言葉ですが、この言葉を掲げます。「挑む」です。
 今年は言うまでも無くオリンピック・パラリンピックの年、障害の有無を越えて世界中のアスリートが日本において自己の限界に挑戦する年です。彼らの姿は必ずや私たちに感動と勇気を与えてくれると思います。我々も何か一つでも良い、自分自身挑戦する年にしたい、その意味での「挑む」、であり、もう一つは、改めて現在の日本社会、本庄市に危機感を抱き、新しい時代を切り拓くためにチャレンジしよう、生みの苦しみに敢えて挑もう、という意味を込めております。
 今年の展望をランダムに申しあげます。市役所業務のICT化が進んで行きますが、これが真に職員の働き方改革や効率のよい業務の推進など、さまざまな課題の解決に結びつく形になるよう、システム導入に際しても、またそれを使う側の私たちもぜひ創意工夫、チャレンジしましょう。
 また、本市の強みを大いに活かし、弱みを克服し、市民や企業が、行政と共に持続可能な地域社会づくりに取り組んでいただけるよう、自分たちがやりたいと思えるようなインセンティヴが働くよう、シティプロモーション、交通、防災、地域福祉、健康づくり、観光、産業振興、環境、まちなか再生、インフラ、文化、スポーツ、生涯学習等、協働のまちづくりに向けた制度設計や施策推進にチャレンジしましょう。
 そして今年は象徴的な施設整備として、本庄早稲田の杜ミュージアムの開館や新しい指定管理者による駅南口複合施設のオープンがあります。造って良かったと言われるよう、内容の充実にも意を用いてください。次世代を担う人づくりのための教育環境の更なる整備も大切です。また財政状況に鑑みて、災害に備えつつ、持続可能なインフラ、施設運営が可能となるような施策を進め、また企業誘致やふるさと納税推進により、稼げる自治体を目指しましょう。そして。少子化に歯止めをかけ本庄版ネウボラを推進し、転入人口の増加を更に図ることについては、国の施策を待つのではなく、我々から更にチャレンジしましょう。そしてオリパラホストタウンの務めをしっかり果たし、共生社会づくりと国際的にも信頼される本庄市を目指しましょう。
 市制施行15周年、塙保己一先生没後200回忌、そしてはにぽん誕生10年となる本年、内外情勢は厳しいものがありますが、私たちは新しい令和の時代を切り拓いて行かねばなりません。そして市行政が市民から信頼され魅力あるものになるかどうかは、ひとえに私たちの人間力にかかっています。さまざまなことに「挑む」年に致しましょう。

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