新型コロナ禍は歴史的転換点になるか(令和2年5月分)

更新日:2020年10月01日

 おはようございます。5月1日、新年度が始まって1カ月となりました。新型コロナウイルス感染拡大のなか、我々はかつて無かった世界情勢また国内情勢の中で、この令和2年度のひと月を過ごしてきました。この間、通常業務とコロナ対策に、みなさんには本当にご尽力いただいております。有難うございます。
 さて現在、感染拡大についてはこれまでの関係者の努力と国民の協力で、何とか抑えられてきていると感じます。今が大事だと感じます。今回のウイルスとの戦いは相当の長期戦になるとの見解もありますが、しかし抑えていく努力なしでは何事も進みません。私は先日ケーブルテレビまた防災無線で市民の皆さまに外出自粛のお願いを致しました。我々もそのことを心がけて、人との接触を避けて参りましょう。連休中も出勤していただくみなさん、有難うございます。そして昨日の対策本部会議で各部局長にはお願いしましたが、この連休を一つの節目として現在真に困窮している、また疲弊している方々のために、改めてそれぞれの部署で何が出来るか考え行動して参りましょう。
 さて、本日は元号が令和と改められてからちょうど一年となります。
 あの日、市役所の庭で本庄の山車と児玉の神輿がにぎやかに共演した奉祝の集いについては、本当に多くのみなさんにご協力いただき、今でも感謝の念に堪えません。そして、実はいまみなさんにその時の私自身の思いを明かせば、決して令和の時代は平たんではなく、世の中が変わる大きな出来事が起きるのではないかと、漠然と予感しておりました。そして、苦労の多い時代になるかも知れないからこそ、新時代の幕開けを共にして、これからも頑張ろうという気持ちを一つにしたい、という思いがあったのだと、いまここに正直に申しあげます。
 予感というと誤解を招くかも知れませんが、実は歴史を振り返って私自身そう感じていたのです。我が国の近代史に興味がある方ならお分かりかなと思います。日本の近代以降の歩みを見ると、約25年くらいで時代の潮目が変わり、大きな節目が約75年くらいで訪れています。
 明治以降の75年、これも約25年くらいで潮目が変わり、約75年で大戦に突入、敗戦を迎えました。敗戦により日本は新しい体制となり、そこから25年で高度成長を成し遂げ、50年で生産年齢人口が減少に転じ、そして今年で75年となります。戦後体制の延長線にあったこの75年間、最も価値が置かれたのは経済でしょう。飽くなき私的利益の膨張を是とし、大量生産、大量消費、その果てにグローバリゼーションとボーダレス化が、世界中で進みました。
 明治維新以降の75年間の後半の25年、日本は制度疲労の中で統制が効かず、ついに敗戦により滅亡の淵にまで追い込まれました。現代の75年間の後半の25年も、すでにそれまでの50年とは異なり、我が国が人口減少と縮小社会に入った局面であり、さまざまな制度疲労により社会が行き詰まりながらも、なかなか変わることが出来なかった時代であったと思います。
 このような中で迎えた改元でしたので、私自身昨年の本日、戦後75年を前にして、何か時代が変わるような大きな出来事が起きるかも知れないと感じていたのです。もちろん、新型ウイルスの感染拡大などという事態は予想もしませんでしたが。
 そして今、私たちが直面しているこのコロナウイルスとの戦い、これを一つのきっかけにして、これまでの社会のありようはこれから5年から10年くらいの間で大きく変わる、私にはさらにそのような予感がします。さてそれがどのような規模の変革になるのか、75年サイクルの転換になるのか、あるいはもっと大きな150年サイクルの転換なのか、あるいはもっと小さな話なのか、分かりませんが、今、眼前のコロナとの戦いに心を砕き身を削りながらも、今回の災いが終わった後我々は、私はどうするべきか、考える時間をつくることも大事と思います。
 世界中で経済活動が止まっているいま、地球環境は良くなっているそうです。一方、人の心の醜さが表に現れたような事件も多発しています。コロナ後に、何が残るか、何が無くなるか、何を残すべきか、何を無くすべきなのか、世の中で当たり前と思われている価値観についても、一度見直しをする時期なのかも知れません。しかしそんな中でも、人間としてのまごころや真・善・美、我が内なる心の道徳律、そして周囲への愛と慈悲、敬虔なる祈りなど、良き心を忘れたくないものです。あせらず、あわてず、あきらめず、今月も頑張って参りましょう。

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