東京オリパラと感染拡大 明と暗の8月(令和3年8月分)

更新日:2021年08月02日

皆さんおはようございます。8月がスタートしました。月いちメッセージをお送りします。
世間は東京オリンピックの日本選手の大健闘と、一方で若い世代を中心にかつてない規模で広がる新型コロナの感染という、極端な明暗の中にいます。今日はその明暗について思うところをお話したいと思います。
本庄市においても、先週はパラリンピック出場が決定した小久保寛太選手の壮行会に続いて、オリンピック女子柔道70キロ級で新井千鶴選手が見事金メダルを獲得と、明るい話題が続く一方、しばらく抑えられていた感染状況は一転し、毎日発表される新規陽性者の数が急速に増えてきました。
本日より埼玉県にも緊急事態宣言が発出され、酒類やカラオケを提供するお店の休業、それ以外の飲食店も午後8時までの時短営業が要請され、市民に対しても日中を含めた不要不急の外出自粛が要請されることとなりました。若い世代に対して、このような自粛要請に果たして効果があるのか、疑問視する声も聞こえるところです。が、今回蔓延しているデルタ株は非常に感染力が強いとされます。市民の安心の砦である市役所に務める我々は、まずは自分自身の感染予防を徹底することを心して参りましょう。
そして大切なのはワクチン接種です。今回の第5波の感染拡大は、もはやワクチン接種によってしか収まらないのではとさえ思います。すでにご存じのとおり、ワクチンについては高齢者接種の予約段階では供給量は充分だから加速して接種出来る体制を作るべし、というのが政府からの要請でした。しかしその後一転して供給量が少なくなり、多くの自治体ではスケジュール変更を余儀なくされたところです。実は政府は当初から7月中には供給量が少なくなることを分かっていたそうです。ではなぜ加速化を推進した際に、その後の供給量が少なくなるということを併せて発表しなかったのか。一説には自治体の供給能力がここまで高まるとは予想していなかったからと言われます。もしこれが本当なら、自治体の能力を過小評価していたという、情けない話です。
さらに残念に思ったのは、自治体が困っているところに追い打ちをかけるように、政府の側から、ワクチンは「市中在庫」があるからそれを活用すれば供給は足りるとの発言が相次ぎ、その発言に便乗するかのように自治体の責任論がマスコミやネットにおいて噴出したことです。この「市中在庫」なる言葉がどこで生み出されたのか分かりませんが、2回目の接種分まで準備して予約受付に臨まねばならない自治体側からすると、これほどがっかりさせられた言葉もありません。
国の統治に欠かせないのは国民からの信頼であり、それは政府と自治体との信頼関係があって成り立つものです。いずれにしても今回のワクチン供給にまつわる今述べてきたゴタゴタ、これらは情報発信の一元化が出来ていなかったり、責任ある立場の人が発信する言葉の精査が出来ていなかったり、そして情報公開の遅れ、なぜそうなのかを丁寧に語る説明責任の欠如、こういった問題点を改めて明るみに出したと言えるでしょう。我々はこれを他山の石としたいと思います。自治体は住民の安全安心の最後の砦であるという意識を持って毎日の仕事に臨んで参りましょう。いずれにしても、ワクチン接種は社会の落ち着きを取り戻す最も重要な事業ですから、与えられた条件の中で速やかに住民接種が進むよう、市としてもしっかりと取り組んで参りたいと思います。今後とも皆さんのご協力をよろしくお願いします。
さて最後に暗い話で終わってはいけないのでオリパラの話で締めたいと思います。様々な批判を浴びながらスタートしたオリンピック東京大会ですが、現在の日本選手の大活躍、大健闘はもちろん、国籍や人種を超えて集ったアスリートたちがお互いの技を競う姿は、純粋にみる人間をして感動させるものです。続いて24日開会のパラリンピックも、その理念はオリンピック精神の延長線上にあり、加えてその内容は障害の有無にかかわらず人間の持つ可能性を我々に教えてくれるものとなるはずです。
結果論ではありますが、このコロナ禍の中でのオリパラは日本でなければ出来ないと私は思います。感染予防対策を万全にして、世界から来るアスリートに敬意を表し彼等のベストパフォーマンスが出来るよう支援するのが開催国の役目。そうシンプルに考えて、やるべき事をやる。パラリンピック終了後に、塙保己一没後200周年を迎える本庄市として、その理念の具現化に寄与できる機会をしっかりととらえて参りたいと思います。以上で本日の月いちメッセージを終わります。

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