「本庄駅北口周辺整備基本計画」パブリックコメントにあたって(令和3年10月分)

更新日:2021年10月01日

皆さんおはようございます。10月1日の月いちメッセージをお送りします。
このたび計画の策定に向け、来る5日からパブリックコメントが実施される「本庄駅北口周辺整備基本計画」。昨日この計画の庁内説明会が開催されその冒頭で挨拶しました。そこで改めて本日、全職員の皆さんに、本計画の推進を本庄市全体の課題として考えていただきたく、以下、長年問題意識を持ち続けていた私自身の思いをお話します。
今回対象となるのは高崎線以北の、市の立地適正化計画の都市機能誘導区域に位置付けられた約82ヘクタールの地域です。今回の計画の骨子は、本庄駅北口の駅前街区約2ヘクタールの開発と、対象区域内における道路整備です。これまでも北口のまちづくりについて様々な計画が出されて来ましたが、今回は開発や道路整備について初めて具体的な箇所に言及した内容となっています。
顧みれば本庄駅北口周辺の市街地は、昭和の時代までは商工業が集積し日常的に児玉郡また群馬方面からも人が集まる栄えた街であり、人口密度が高い住宅密集地域でもありました。そして天災や大戦期の空襲を免れ、積み重ねた歴史と伝統は現在もなお残っております。しかし昭和50年代後半から商店街の衰退、工場の撤退、人口のスプロール化が始まり、平成になると加速度的に市街地全体のスポンジ化が進み、やがてシャッターが閉まった空き店舗、老朽化が著しい空き家、放置されたままの空き地がそこかしこに出現し、荒廃の一途をたどっていることは皆さんご存知の通りです。
私自身、平成17年、旧本庄市の市長選に立候補した際「甦れ本庄」というスローガンを掲げました。まさに駅北口周辺市街地の衰退する状況を何とかしたいという思いからでした。しかし市長就任当時、旧本庄市その後の新本庄市にとって、最も大きな面的整備の課題は本庄早稲田駅周辺をどうするか、でした。そして間もなく合併があり、旧児玉町からは児玉南土地区画整理事業や様々な道路改良事業、そして市街地の下水道事業を急務の課題として引き継いだのです。その後本庄早稲田ではURの事業が完了し新しいまちが生まれ、今も新田原通り線をはじめ具体的な事業が継続中です。また児玉の市街地においても下水道や道路の拡幅などの整備が現在進行中です。
一方、本庄駅北口およびその周辺の市街地については、道路の整備や面的開発はほぼ手が付けられずに、というより整備の方針さえ今までありませんでした。なぜ進まなかったのか、先ほど申し上げたように本庄早稲田や児玉の整備を優先したということもありますが、原因はそれだけではありません。端的に言えば、古い市街地の規模が格段に大きく、地籍調査未実施の箇所も多く、一朝一夕では解決しない根深い、複雑な課題が山積しているからだと言えます。このような背景もあり、本庄駅北口の駅前についても残念ながら快適で魅力ある空間とはなっておりません。
もちろん行政が無策だった訳ではありません。たとえばハードルが高かった地籍調査についても少しずつ始めています。また空き家対策も本腰を入れ始めました。一方、はにぽんプラザの新築やレンガ倉庫の改修と活用、民間による蔵の活用など、いわば点でのまちづくりが進みつつあります。こうしたなか、ネクスト商店街など市民の力を活かしたソフト面のまちづくり事業も始まりました。古い街にこそ魅力を感じて活動する本庄デパートメントのような若い力も現れました。大規模な商業施設と、空き店舗を活かした新たなお店の開店が街なかで起きています。そして大きな転機は立地適正化計画の策定です。市内三つの拠点となる市街地に都市機能誘導や居住誘導を行う方針が決定され、こうして、北口周辺の市街地でも、ソフトのみならずハード面の整備の機運がようやく醸成されつつあると感じます。
そしてそれは、地域全体で大規模な区画整理を実施し古い建物を取り壊して行くような手法ではなく、費用対効果を考えつつ、必要な箇所を選定して道路整備や開発を行い、使用不可能な廃屋を取り壊しつつ土地の活用をはかり、一方古くても良き建築物はリニューアル等で出来る限り活かす、行政と市民双方の力を活かした、息の長い取り組み、なんだろうと思うのです。何より、高齢者はじめ全世代が安心して暮らせることが第一です。駅近に魅力的な空間をつくることで若い世代の呼び込みも必要です。歩いて暮らせる回遊性のあるまちづくりも大切です。将来的に行政と市民、ハードとソフトのまちづくりが相まって、様々な魅力的なお店ができ、歴史を活かしたスポットに光が当たることにも期待したいです。
昨年放映されたアド街ック天国、本庄市の第1位は中山道であるという指摘を私は重く受け止めています。今般の計画の表紙に掲げられた、まちに暮らし、まちを活かし、まちが息づく、この言葉の通り、本庄市の顔ともいうべき駅前と北口市街地を、何としても現在の課題満載の状態から持続可能で魅力あるものに甦らせたい、これが私自身の強い思いです。
この事業はまだ始まったばかりです。あらゆる分野の職員の皆さんの力、そして市民の皆様の力が必要です。市街地整備は立地適正化計画に基づき、本庄早稲田駅周辺も、そして児玉駅周辺も進めて参りますが、特に本庄駅北口周辺はその課題が大きいということを職員の皆さんには意識し、全庁的に考えて欲しい。まずはパブリックコメントにかけられる計画そのものをご覧ください。
台風も何とかそれそうです。緊急事態宣言も解除となりました。第6波に備えつつもwithコロナの中で工夫しながらリフレッシュしていただきたいと思います。年度折り返し地点の月いちメッセージを以上で終わります。

この記事に関するお問い合わせ先

企画財政部秘書課秘書係
〒367-8501
埼玉県本庄市本庄3丁目5番3号
電話:0495-25-1154
ファックス:0495-21-8499
メールでのお問い合わせはこちら