子育てと「親心」(平成20年3月1日号)

更新日:2020年10月01日

子どもたちの健やかな成長は、社会全体の願いでもあります。しかし現在、児童虐待事件のニュースが全国的に後を絶ちません。本当に残念であり、強い憤りを覚えるものです。市でも通報や相談があった場合は、保護者の指導を行うなど再発防止に努めています。残念ながら、平成19年度も今年1月20日までの間に17件の通報・相談件数がありました。
先日、埼玉県教育委員の松井和氏の講演(私立保育園長会主催)を聞く機会がありました。松井氏によると、米国では3人に1人の子どもが未婚の母から生まれ、18歳になるまでに4割の親が離婚するとのこと。結果として、男性に「親心」が育たなくなり、いわゆる内縁の夫などによる児童虐待が後を絶たず、母子家庭から子どもを引き離し、孤児院で育てるべきという法案が討議されるほど、社会が荒廃しているとのことでした。日本を女性や子どもが苦しむこのような国にしてはならないと思います。
松井氏は、子育てとその責任を学校や幼稚園、保育園に任せすぎる今の風潮をあらため、「親心」を育む社会づくりを提唱されています。
幼い子どもたちに関わることで、人間には「優しさや忍耐力、そして良心」が育ち、この人間の善性とでもいうべき「親心」を持った大人たちがいなければ、実は弱者である子どもたちは健やかに生きていけないということ。両者がそれぞれを生かし合うこの関係が成り立ってはじめて、その社会にはモラルや秩序、弱者をいたわる精神が生まれる、という松井氏の論に、私も思わずうなずくところがありました。日本社会が「幸せ」を取り戻していくヒントは、まさにここにあると思います。
今後とも、社会が真に明るい方向に進むための子育て支援とは何かを考えつつ、政策を進めてまいります。

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