人生100年時代に向けて(平成31年1月1日号)

更新日:2020年10月01日

 本年5月1日より新元号のもとで新しい時代が始まります。来る新時代がどのようなものになるか、さまざまに予想されていますが、日本人の平均寿命はさらに延び続け、いずれ多くの人々が100歳まで生きるようになると言われています。
 人生100年ということは、60歳定年の方があと40年生きるということです。長寿はめでたいことではありますが、生きるということも実は大変です。少子化による生産年齢人口の急激な減少という厳しい現実があり、現在すでに年金の受給年齢は引き上げられています。一方、まだまだ活躍できる方々の知識と経験が、上手に活用されないまま残念な形で放置されている、という指摘も多くの識者からなされるところです。
 答えはすぐに出ないでしょうが、これまでの日本人の人生設計を大きく見直し、人生100年時代に備えたあり方へ変えていけるかどうか、これは私たち一人一人の大きな課題でしょう。
 近年「ジェロントロジー」という言葉が注目され始めています。人生100年時代の高齢者のあり方を研究する学問の分野です。元々は「老年学」と訳されていましたが、我が国におけるジェロントロジー提唱者の一人である寺島実郎(一財)日本総合研究所会長は「高齢化社会工学」と訳すべきだと主張しています。
 記憶力や創造力に関わる機能は劣化しても、人間としての「思慮深さ」は、自らを律しつつ年齢を重ねてこそ磨かれる、ということが科学的に証明されています。寺島氏は、高齢者及びその予備軍の方々には、自身の健康や預貯金の活かし方について真剣に考えるとともに、過去の受験勉強などでは学べなかった人間の生き方を教える学問(例えば東西の古典など)を学び直し、利害打算を超えた人としての温かさや徳を体現し、NPOや地域活動などに参加してさまざまな分野で活躍して欲しい、と提唱されています。
 平成最後のお正月、人生100年時代に自分はどう生きるべきか、改めて私も考えてみたいと思います。

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