神話を見つめなおす(平成28年8月1日号)

更新日:2020年10月01日

 今年も本庄祇園まつり、こだま夏まつり、それぞれ大変盛り上がりました。
 我が国の夏祭りの御祭神の多くは、八坂神社のスサノオノミコトです。
 スサノオは国生みの神であるイザナギ・イザナミの子であり、天照大神(アマテラスオオミカミ)の弟ですが、亡くなった母親を恋しがる手の付けられない暴れ者でした。ついに父親から追放されますが、姉のアマテラスのいる高天原でも大暴れし、アマテラスが天岩戸に隠れ世の中が真っ暗闇になるという事件を引き起こしてしまいます。アマテラスが岩戸から出て再び世に光が戻ると、罰を与えられ高天原も追放されました。
 ここまで読むと、残念ながら犯罪・暴力に手を染めてしまった若者のイメージが浮かびます。
 その後、改心し罰を受けて高天原を追放されたスサノオは、地上に降り、クシナダヒメという美しい娘に出会います。そして彼女とその村を襲うヤマタノオロチを知恵と力を以て退治し、オロチの尾から出た立派な剣を姉のアマテラスに献上しました。これが草薙の剣(皇室の三種の神器の一つ)として伝えられています。こうしてスサノオはクシナダヒメと結ばれ、神として永久に国土と人々を守り続けました…。
 と、後半は罪を犯した事を改心した若者が、愛する女性や公のために悪と戦い勝利するという成功物語で、しかも戦利品を姉神に献上するというお話になっています。
 さて、このようなスサノオノミコトの神話は、母性の大切さ、法を守ること、罪を犯した者の更生、悪を恐れないこと、弱い者のために勇気を奮って戦うこと、権力を得ても権威ある存在を奉ることなど、日本人の美徳とされる点、原点、を後世に教えていると感じます。
 殺伐とした世相が続く現在、神話を単なる空想あるいは事実でないから、と言って軽んじるのではなく、我々の社会が元々大切にしてきた価値観を教えてくれる物語として、改めて読み、味わってみてはいかがでしょうか。

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