麓原会をご存知ですか?(平成28年11月1日号)

更新日:2020年10月01日

 10月24日でゆるキャラ®グランプリのインターネット投票期間が終了しました。この広報が皆さまのお手元に届くころには、はにぽんのゆるキャラ®グランプリの結果も出ているかと思います。本庄商工会議所を中心とした実行委員会の皆さまをはじめ、応援いただいた市民、企業、団体の皆さまに心から敬意と感謝を申し上げます。
 さて、芸術の秋。毎年11月3日の文化の日を中心に、市立西小学校体育館において「麓原展」という大きな絵画展が開催されています。
 麓原展は開催団体である「麓原会」の、年に一度の公募展です。市内また周辺地域一円から、多い時には150もの出品があります。毎年素晴らしい絵画を拝見できるので、楽しみにされている市民の皆さまも多いと思います。展示は「麓原会員」、「会友」そして「一般」に分けられています。優秀な作品を描き、賞を獲得し、厳しい審査を経て初めて会員の資格が得られるとのことです。
 麓原会は水彩画家で本庄高等学校の美術教師であった古川弘(1907~1977 以下敬称略)と、堀英治、山田鶴佐久、金井邦松をはじめとする当時の本庄町、児玉町の画家や、絵画を志す青年たちにより戦後まもなく発足した絵画団体です。敗戦による社会混乱の中で意気消沈していた若者たちが、絵画を通して元気を取り戻そう、地域に文化の灯をともそうという志で始めたのがその発端です。
 古川弘はそれまで「油絵には見劣りする」といわれていた日本の水彩画のレベルを、小堀進など他の水彩画家と共に、油絵に全く引けを取らない水準にまで高めた、いわば「水彩画革命」を起こした人物です。そして麓原会に集う、古川弘に影響を受けた多くの画家たちは、その後水彩画で「日展」へ数多くの出展を重ねるなど、大きな業績を挙げて行きました。まさに麓原会は我が国の水彩画革命のすそ野を広げた団体であったと言えます。
 このような市民自ら運営している絵画団体および絵画展が、実に70年もの間継続しているところは全国的にも珍しく、またその影響は地元の高校の美術部の活躍など、現在も大きく広がりを見せているところです。
 芸術の秋、郷土の絵画文化の水準の高さを私たちはもっと誇って良いと思うのです。

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