本庄市の「絹産業遺産群」の環境整備(平成26年7月1日号)

更新日:2020年10月01日

 先月のコラムでも紹介した「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、6月21日に世界遺産登録が決定されました。すでに多くの観光客が群馬県を訪れており、その影響は本庄市にも及んでおります。
 児玉地域にある「競進社模範蚕室」は、近代養蚕業の発展に尽くした木村九蔵により創設された、現在の児玉白楊高校のルーツとなる近代産業教育機関「競進社」の面影を今に伝える貴重な建造物です。明治27年に建設されました。
 世界遺産に登録された藤岡市の「高山社跡」、これも養蚕改良のための教育機関ですが、その高山社を創設した高山長五郎の弟が木村九蔵です。高山社跡を訪れる人は、競進社模範蚕室にも足を延ばし、明治の近代養蚕業に尽くした先人を偲ぶことでしょう。市では、夏休みにかけて来訪者が増加すると判断し、7、8月は模範蚕室を毎日開館し、説明員を配置します。今後は周辺整備も行ってまいります。
 中山道沿いにある「旧本庄商業銀行煉瓦倉庫」も、全国屈指の繭市場・本庄の面影を今に伝える貴重な建造物です。明治5年の富岡製糸場開設にあたり、工場長の尾高惇忠(渋沢栄一の義兄)は当時の本庄宿の有力者・諸井泉右衛門らに繭の買い入れを依頼しました。以降本庄は北関東のみならず全国屈指の繭の集散地へと成長して行きます。本庄の繭市場は富岡製糸場を支えつつ発展しているのは興味深いところです。
 明治27年にはこの地域初の銀行「本庄商業銀行」が創立され、29年には融資の担保となる乾繭を貯蔵する煉瓦倉庫が当時の最新の建築工法を駆使し、清水店(現在の清水建設のルーツ)により建設されました。築120年の煉瓦倉庫は、文化財的価値を残しながら、市民の皆さまや遠来の観光客に親しんでいただける施設になるため本年から大規模改修工事を行います。
 世界遺産とつながる本庄市の絹産業遺産群の環境整備を、今後具体的に進めてまいりますので、皆さまのご支援とご協力をよろしくお願いいたします。

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