コロナ禍の正体(令和4年3月1日号)

更新日:2022年03月01日


「夜分に失礼致します。本日、私を含めた家族4人がコロナ陽性となりました。職場や学校等に連絡をしました。幸い濃厚接触者はいないものの、職場の方々に何度もお詫わびをしました。今は誰が感染してもおかしくない状況ですが、これほど謝罪をしなければいけないのはなぜなんだろうと思いました。私も感染するまでは、それほど深く考えてはいませんでしたが、一番つらいのは本人なのにと。市長にこのようなお話をするのは違うのかもと思いましたが、私のように考える人がひとりでも気持ちが楽になる日が来るのなら、と思いメッセージを送らせていただきました。」これは、先日、私個人にSNSで寄せられたメッセージです。
考えさせられました。新型コロナは指定感染症で、症状も重症化する場合がある一方、罹りかん患すると周囲の方に一定の行動制限をかけてしまうので、その方の症状への対応とともに、周囲の方に気を使わざるを得ない大変さがつきまといます。このメッセージをお寄せ
いただいた方の場合、そのことを大変重荷に感じていて、「多くの方に迷惑をかけているといことを私はわかっています」というシグナルを送り続けなければ、その後の職場や世間で円滑にやっていけないのでは、という思いがあるのでしょう。
実は、自分のように市長という立場がある人間は、なおさらそうです。他自治体の長でこれまで罹かかった方の場合、たとえ症状が軽くとも、その分世間に対しての気苦労はご家族も含め大変だったろうと思います。当たり前だ、という意見には少し違和感を覚えます。
他人との円滑な関係を保つため、常に気を使わざるを得ない空気のようなもの、それは世間の中でそこはかとなく作用しているくらいがちょうど良いのですが、今回のコロナ禍ではむしろ大きなマイナスの同調圧力として日本社会を覆っているように感じます。被害者が悪者にされてしまう、これがコロナ禍の最もやっかいな正体なのかもしれません。
メッセージをお寄せいただいた方には、思いを伝えてくださり感謝しています。罹患された皆さんが、早く治られることをお祈りし、誰もが感染するおそれのある病なのだから、社会全体に寛容な心がもっと広がることを願わずにはいられません。

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