関東内陸の猛暑について(令和4年10月1日号)

更新日:2022年09月30日

今年の夏は猛暑とコロナ禍の二重苦、マスクをうらめしいと思った方も多いのではないのでしょうか。熊谷地方気象台の観測では、最高気温35℃を超える猛暑日が5日間以上続く期間が、この夏で3回もありました。猛暑日は全部で26 日、40℃を超えた日は熊谷市で1日、群馬県伊勢崎市では3日でした。10 年、20 年前と比べると、この高温は異常といえるでしょう(さらに振り返ると、降雹、豪雨と異常気象による被害も相次ぎました。今後、さらなる対策が必要です)。
この猛暑の原因は、温暖化など地球規模の気候変動によるものでしょうか。今年は太平洋高気圧とチベット高気圧が連結し、日本各地で猛暑となった日もありました。このような地球規模の気候変動も背景にありますが、関東内陸の猛暑の直接的な原因といえば、東京都心と周辺市街地のヒートアイランド化でしょう。これは、ここ100 年間の気温の変化と、一都三県の急速な市街化が正比例していることからも、推測されるところです(雹や豪雨については、いまや全世界的に被害も相次いでおり、これらを地球温暖化の影響とする見解が示されています)。
特に近年、東京都心またその周辺では、巨大かつ超高層のマンションやオフィスビルが大変増えました。体積の大きな建物ができると、コンクリートなどの人工物の地表における表面積が増えます。当然、放射熱の量も増大します。さらに夏場はその放射熱と、巨大なビルの室外機から吐き出された膨大な排熱が、本来は内陸に涼をもたらすはずの東京湾からの風を熱風に変えてしまいます。
関東内陸の猛暑は、極めて地域的で人為的な要因が大きく、温暖化対策はもとより首都圏全体、特に都心と周辺市街地のヒートアイランド化への抜本的対応は待ったなし、そう私は感じております。何としても東京の緑化や、建造物の外部環境への負荷の低減をさらに進めていただかなければなりません。
このままさらに高温化が進むと、住民の健康はもちろん、首都圏を支える農業にも大きな影響が避けられません。今夏の猛暑を経て、あらためて事態の深刻さを重く受け止め、安心して暮らせる明るい未来の本庄市や、地球のことを考え、「世のため、後のため」声を上げて行かねば、と思っています。

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