本庄児玉看護専門学校の宣誓式に参加して (令和元年7月分)

更新日:2020年10月01日

 おはようございます。7月1日になりました。今月の月いちメッセージをお送りします。
 一昨日の6月29日土曜日、本庄市児玉郡医師会立の、本庄児玉看護専門学校の「宣誓式」に参加しました。宣誓式は学校によっては戴帽式とも呼ばれております。看護師を目指す看護学生は、一定の学科の履修を終えた後、実習のため病院など実際の看護現場に行くわけですが、その前に看護師としての自覚を促すため、各学校ではこの式典を実施しています。
 本庄児玉看護専門学校の場合、6月に2年生が宣誓式を行い、同じ医師会立の本庄准看護学校では、10月に1年生が戴帽式を行います。毎年お招きいただいていますが、参加するたびに、とても印象に残るのは、キャンドルサービスと誓詞の朗読です。
 式典は学校内の講堂で行うのですが、普段は壇上の脇に安置してある、燭台を掲げた白い女性の石像、これが宣誓式・戴帽式では正面に安置され、燭台のローソクに火が灯されます。この石像こそ、みなさんもご存じのナイチンゲールの像で、今から165年前のクリミア戦争の時、傷病兵の収容病院において、献身的に看護にあたった彼女の姿を模したものです。
 照明が落とされた暗闇のなか、看護学生達は一人一人、壇上に進み、ナイチンゲール像の燭台のローソクから、自分たちが捧げ持つ燭台のローソクに火を灯し、壇上に整列し、その後に誓詞、いわゆる誓いの言葉を全員で朗読します。今や看護学生の約半数は男子学生で、男女ともにしっかりした声で朗読するこの場面は、非常に厳かで感動的です。
 学生が朗読するこの誓いの言葉を、ナイチンゲール誓詞と呼びます。実はこれナイチンゲール自身が作ったものではなく、彼女の晩年、1893年に、アメリカデトロイトの看護学校において、ナイチンゲールの精神を称えて作成されたものです。
 日本においては、大正5年に東京の聖路加高等看護学院において初めて戴帽式が行われ、おそらくその時か、それ以降に、このナイチンゲール誓詞は和訳、日本語訳されたものと思われます。その後長い年月を経て、今日も宣誓式・戴帽式を行う全国の看護学校において、毎年朗読されています。
 文語体で現代の我々には多少分かりにくい箇所もあるかと思いますが、私もここでみなさんに、以下このナイチンゲール誓詞の全文を朗読し、紹介させていただきます。
ナイチンゲール誓詞
 われはここに集いたる人々の前に 厳かに神に誓わんわが生涯を清く過ごし、わが任務(つとめ)を忠実に尽くさんことを
 われはすべての毒あるもの、害あるものを絶ち、悪しき薬を用いることなく、また知りつつこれをすすめざるべし
 われはわが力の限り、わが任務(つとめ)の標(しる)しを、高くせんことを努むべし
 わが任務(つとめ)にあたりて、取り扱える人々の私事のすべて、わが知り得たる 一家の内事のすべて、われは人に洩らさざるべし
 われは心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸(さいわい)のために身を捧げん
 いかがでしょうか。私自身、身の引き締まる思いがします。
 人々の命を取り扱う看護師ならではの、使命感、倫理、向上心、そして患者と家族のプライバシーを堅く守ることをうたった内容ですが、ここに流れる精神は、全体の奉仕者としての公務員の精神にも通じるものがあると感じ、今回紹介させていただきました。全文はネットなどでも見ることが出来ますし、このメッセージもすぐにアップされますので、みなさんにはどうぞもう一度読んでいただき、その精神に触れて欲しい、そう思っております。
 以上で本日の月いちメッセージを閉じさせていただきます。うっとうしい梅雨と、その後は暑い夏がやってきます。身体には充分気をつけて頑張ってください。

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