障害者への理解を深めるために (令和元年8月分)

更新日:2020年10月01日

 おはようございます。8月1日、今月の月いちメッセージをお送りします。今日は障害を持つ方々への理解を深めるためにと題して、二つお話をします。
 来年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、障害者スポーツへの関心が高まっています。これを契機として、障害者への理解、そして障害の有無に関係なく誰もが共に支えあって生きる共生社会づくりへの理解を深めることが期待されています。
 みなさんご存じのとおり、本庄市もパラリンピック視覚障害者5人制サッカー、いわゆるブラインドサッカーのトルコ共和国代表チームを支援しております。ブラインドサッカーは視覚障害者のサッカーですが、障害者サッカーには他にもさまざまなジャンルがあることをご存じでしょうか。ここで少し紹介したいと思います。
 まず、アンプティサッカー。これは足や腕に切断障害のある人が行う7人制サッカーです。
 次に、CPサッカー、これは脳性まひの人が行う7人制サッカーです。
 続いて、ソーシャルフットボール。これは精神障害のある人が行う最大6人まで参加できるフットサルです。
 続いて、知的障がい者サッカー。これは知的障害のある人が行う11人制のサッカーで、フットサルもあります。
続いて、電動車椅子サッカー。これはパワーチェアーフットボールと呼ばれ、自立歩行が出来ない重い肢体不自由の障害のある人が、手やアゴなどでコントローラーを使い電動車椅子を操りプレーするものです。
 続いて、デフサッカー。聴覚障害者が行うサッカーです。サッカーとフットサルがあり、フラッグなどの視覚情報を頼りにプレーします。
 そして、視覚障害者サッカーのブラインドサッカーとロービジョンフットサル。前者が全盲の人のサッカーで、後者は弱視の人のサッカーです。
 ざっと紹介しましたが、大別すると7種類の障害者サッカーがあり、それぞれに協会が設立され、普及啓発活動に取り組んでいます。この7つの障害者サッカー協会を日本サッカー協会が統括し、3年前に日本障がい者サッカー連盟が設立されました。会長には北澤豪氏が就任、スローガンは「サッカーなら、どんな障害も超えられる」です。
 本庄市は「日本サッカーを応援する自治体連盟」の会員市で、毎年の総会に私も参加しており、3年前、この日本障がい者サッカー連盟設立にあたって詳しく説明を受けました。障害者サッカーのジャンルの多さ、また例えば視覚障害者サッカーのなかでも、ブラインドサッカーとロービジョンフットサルという種類の異なる競技があり、一口に障害といっても千差万別、決して十把一絡げに考えてはいけないということを実感し、また障害者スポーツはそれを私たちに教えてくれることを確信しました。
 二つ目のお話です。先日、聴覚障害者福祉協会のみなさんと、年に一度の懇談会を行いました。毎年行う度に、ろう者の当事者のみなさんからは、色々と気づかされる事が多いです。以前にもみなさんにお話したかと思いますが、耳の聴こえる人、いわゆる健聴者の中には、なかなか聴覚障害者いわゆるろう者の置かれた状況を理解していない場合があります。
 よく散見されるのが、聴覚障害者の方とは筆談でコミュニケーションが取れる、という健聴者の思い込みです。確かに中途で耳が聴こえなくなった方の場合、その方が文字を知っていれば筆談は出来ますし、筆談が非常に得意な方もおられると思います。しかし、生まれつきの聴覚障害、生まれつきのろう者の方の中には、筆談がほとんど出来ない方、手話が唯一のコミュニケーション手段、という方もおられます。なぜか。
 実は文字は音を抜きに覚えることが非常に困難である、ということです。私たちは文字、仮名やアルファベットのような表音文字はもちろん、表意文字の漢字についても、それを読むとき心の中で音を出しています。その音が先天的に聴こえないというのは、最初から音がない、いや、ないというのは「ある」があって初めて「ない」のですから、そもそも音というものが何であるか認識出来ない。そういう人が音と密接不可分な文字を覚えるというのは、音の聴こえている人に比べて大変な苦労を伴うということ、このことは音のある世界にいる、いた人にとって、なかなか感覚的に理解しづらいところですが、それだけ先天性の聴覚障害というのはコミュニケーションに困難が伴うものであることを、ぜひ私たちは留意しなければならないと思います。
 ここまで障害者サッカーの多様性と、健聴者が理解しづらい聴覚障害者の状況についてお話しました。
 世の中にはさまざまな障害を抱えた方々がいます。私たちもいつ何時事故や病気で障害者になるかも知れません。当事者でないと分からないことは沢山あります。私たちはその当事者になりきることは出来ませんが、障害と障害者への理解を深め、当事者の立場に少しでも思いを致す、寄り添う気持ちでいたいと思います。そのような気持ちは、実は障害をもつ方々だけにとどまらず、全ての人への心のこもった接し方、そして何より私たちの心を磨くことにつながると思います。
 以上で今月の月いちメッセージを終わります。熱中症には充分気をつけて今月も頑張ってまいりましょう。

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