「成人式に思う」(平成27年2月分)

更新日:2020年10月01日

 おはようございます。2月2日月曜日、今月の月いちメッセージをお送りします。
 1月はさまざまな行事がありました。11日には本庄市でも成人式が行われ、800人以上の新成人の門出をお祝いしました。実行委員会委員、そして教育委員会生涯学習課にはご尽力いただきました。
 新年会などで成人式の話が出ると、いろいろな方から「最近の成人式はどうですか」と問われます。「どうですか」という言葉の裏には、事件はなかったかという意味が含まれます。過去、全国的に荒れた成人式のイメージが強かったためでしょう。今の成人式がだいぶ落ち着いていることを話すと、みなさん驚かれます。何でそうなったのでしょう、と興味深そうに聞いてくる方もいます。
 確かに成人式は落ち着いて来ました。私は旧本庄市の市議会議員就任後、今年でちょうど20回、うち市長に就任してから10回成人式に参加しています。市議になりたての頃の成人式は、開始時間になっても多くの新成人が会場に入らない、国歌斉唱もしない、市長や来賓の話の時も非常に騒々しく、突然奇声を発したり、隠し持っていた酒を呑む一部の不心得者もいました。私も見かねてそんな不心得者を当時の職員と一緒に外に連れ出したこともありました。何とかならないか、という強い問題意識を持っていたことを思い出します。
 市長になって初めての成人式、自分なりに体当りで臨みました。開式のベルで緞帳が上がってもまだ多くの新成人が席についていないので、市長挨拶の冒頭で「時間を守ることが大人の第一歩だ」と叱りました。そして叱るだけではダメだと思い、この中で働いている人はいるか、と手を上げさせ、偉い!と誉めました。大学生や専門学校生が多い中、20歳にしてすでに働いていることに自信を持ってもらいたかったのです。このような少々型破りの挨拶は、原稿を読む挨拶よりも、会場を静かにさせる一定の効果があったかと思います。しかし敵もさるもの、小さな私語だけはなかなか止まず、この私語の多さだけは今もまだ課題があると感じています。
 とはいえ毎回壇上から眺めていて、年を追うごとに明らかに状況は良くなっていると感じます。決定的だったのは、3年前の平成24年の成人式です。大震災から1年足らずの成人式、震災前とは明らかに空気が異なりました。会場から若い人たちの本来持っている素直な真面目さが伝わってきた事を覚えています。それ以降、開式のベルで緞帳が上がった際、席についている新成人の率は目に見えて向上し、ついに今年はほぼ全員が席に座った中で式を始めることが出来ました。あたりまえのことかも知れませんが、うれしかったです。
 これもあたりまえですが、参加する新成人は毎年変わります。ですからその年度に新成人になった学年が有している雰囲気、あるいは彼らを取り巻くその時の世相が、式典の空気として現れるのだと思います。静かになったのは若者に覇気がなくなったからで心配だという声もあり、確かにおとなしい若者も増えたとは思いますが、実は毎年やんちゃな軍団は必ずおり、ただその一団が全体をかき回すことが出来ない空気のようなものが生まれていること、そして壇上から見ていると真面目に座っている新成人の顔つきが以前より凛々しくなった感もあります。
 内外情勢が厳しくなり、しかも災害が多発していることはゆゆしきことではありますが、そういう時代を若者らしく敏感に感じ取っているから、かも知れません。もちろん、彼らが受けてきた学校教育の成果が表れてきたことも確実に言えると思います。教育正常化に向けて努力されてきた先生方にも敬意を表したいと思います。
 なお自分の市長としての挨拶は、今も最初の頃とそう変わっていませんが、最初の頃は静かにさせたいという気持ちばかりが先に立ちましたが、今はそうではなく、一人ひとりの新成人に、これからいろいろと大変なこともあるだろうが、頑張って欲しい、本庄市そして日本は、みんなを必要としている、そう強く心を込めて激励することに重きを置いています。厳しい時代ですが、新しい時代を切り拓いて行くのも若者です。壇上から真心を込めて激励すると、うれしそうな表情で返してくれる新成人も多く、こちらもまた嬉しくなります。
 出生率のアップによる人口減少への歯止めと東京一極集中の是正という、いわゆる地方創生が叫ばれる昨今です。ぜひ今後とも将来を嘱望された新成人はじめ若者たちが、仕事に就き、結婚し子育てにいそしみ、社会を次世代につなげていけるよう、我々も身近にいる若い世代の声に耳を傾け、その気持ちをくみ取り、そして彼らを励まし、彼らが伸びて行くよう、力を尽くしてまいりましょう。
 以上で本日の月いちメッセージを終了します。

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