「新年度の始まりにあたり訓示を行いました」 (平成27年4月1日)

更新日:2022年02月24日

 みなさんおはようございます。4月1日、新年度が始まりました。新しい年度、心身ともにリセットをかけましょう。一つ大きく深呼吸をして、心をお腹、へその下あたりに据えてみてください。どっしりと心構えができるはずです。今年は、「要」(かなめ、よう)という言葉を仕事始めで掲げました。みなさんのそれぞれの仕事は、他でもないみなさん自身が主役です。特に新しい部署に異動した方は、慣れない中であると思いますが、一日も早く、しかしあせらずに、自分の仕事とは、要(よう)は何であるか、またこの仕事の要(かなめ)は何であるか、まず自分自身に説明できるようになってください。仕事の内容だけでなく、組織の中での自分の果たす役割は何かを考えてください。誰一人として要らない役目はありません。みなさん一人ひとりが何らかの形で組織の中でもそれぞれの持ち味を活かして、要(かなめ)になっていただきたいのです。市役所の仕事とは、塙保己一先生の言葉のごとく「世のため後のため」の仕事です。いかに陰に隠れて表に出ない仕事であっても、その主役はみなさん自身、そしてその仕事は大事な仕事であることを忘れないでください。
 さて、年度末に職員提案制度の表彰式を行いましたが、最優秀賞には「職場4S運動の推進」が選ばれました。整理整頓清潔清掃、私も自ら率先垂範していきます。その他表彰された提案についても大いに活かしていければと思います。提案制度に応募してくれたみなさんに感謝します。
 ではこれより新年度のスタートにあたり、「地方創生」についてお話ししたいと思います。昨年からこの言葉が政府によって提唱されています。この地方創生とは何のために提唱されたのかですが、要は人口減少問題に初めて国を挙げて本格的に取り組み始めた、そう捉えていただきたいと思います。
 日本の将来人口はこのままでは急速に減少し、西暦2060年には約8600万人台、高齢化率は約40%、その後超高齢化社会の状態のまま更に減少し、今から100年後の2110年代には4000万人台にまで縮小すると予想されています。あくまでも推計値ですが、出生率の低迷する現在の日本の状況から考えますと、かなり現実味を帯びるものです。
 昔も人口は少なかったとして、今後の人口減少について肯定的にみる見方もありますが、4000万人台だった明治時代、また8000万人台だった昭和の高度成長直前の時代、高齢化率は5%でした。それが未来の人口縮小社会において高齢化率は40%台が予想されています。経済の縮小、そして働く世代が高齢者世代を支え切れなくなる恐れが充分あり、大きな危機感を覚えざるを得ません。
 このようなことから政府は、人口減少と経済の縮小の悪循環を断ち切り、将来にわたり活力ある日本社会を維持するため、長期ビジョンと総合戦略を昨年末に策定いたしました。このビジョンでは「国民希望出生率」という言葉が登場しました。全国の18歳から34歳の男女へのアンケート結果によれば、9割以上が結婚を望み、また2人以上の子どもを授かりたいと考えていることが分かります。このような若年層の「希望」が実現すると出生率は1.8程度となり、その後さらに人口を維持できる2.07にまで出生率が上昇すれば、2060年に1億人程度、その後9000万人台で人口が安定します。しかもその後、平均年齢が下がり人口全体の若返りが起きるとの長期的展望が示されたところです。このビジョンに基づき、まず若い人々の希望が実現できる社会を目指すための「国民希望出生率」1.8という数値が、全国的な目標として打ち出されました。
 私は「出生率」を向上させることはまさに現在の日本社会が取り組むべき要の政策であり、これを政府として全面的に打ち出したことを評価したいと思います。本庄市においても、今後国民希望出生率を実現させ、生まれる赤ちゃんの増加や若年層の定住の促進をはじめとした本庄市版人口ビジョンと総合戦略の策定に向けて、本年度は広く会議を興し、英知を結集してまいりたいと考えています。みなさんのご協力をお願いします。
 最後になりますが、本年度は本庄市合併10周年の年でもあります。これまでの歩みを振り返り、未来に向けて新たな一歩を踏み出す年です。それぞれが自らの仕事の「要」(よう、かなめ)を意識して、世のため後のためにがんばってまいりましょう。以上で市長訓示を終了します。

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