「市長職就任10年にあたって」 (平成27年7月分)

更新日:2020年10月01日

 おはようございます。7月1日になりました。月いちメッセージをお送りします。6月29日からアスピアこだま内の総合支所、公民館、児童センターの業務が始まりました。職員のみなさんには今後とも市民のための業務遂行にしっかり励んでいただきますよう、29日朝、三役で激励の挨拶をしてまいりました。また塙保己一記念館がいよいよ4日にオープンです。準備されている職員のみなさんお疲れさまです。
 さて、明日7月2日で、私は旧本庄市の市長に就任してから10年になります。合併前の事とはいえ、その時点ですでに7か月後の一市一町の統合は決定しており、新しい市の出発に向けてさまざまな調整をしながらの市政運営でありましたので、自分自身はこの7月2日という市長職スタートの日を今も強く意識しております。
 市長という仕事は市民の代表であると同時に、市役所という組織の代表でもあります。この10年を振り返って、ここまで自分が歩んで来られたのは、多くの市民のご支援とご協力、議会のご指導とご理解はもちろんですが、何よりこれまでご縁をいただいた職員のおかげがあると思っております。
 特に私は市議会議員から市長になりましたので、市政の概要的なことは知っていたつもりでしたが、やはり組織を動かすというマネジメントにおいて、とても不慣れなところがありましたし、今も発展途上だと思っております。そんな私をこれまで支えてくれたのは、仕事に対してだけでなく人間として真摯な姿勢を持つ、多くの職員のみなさんでした。みなさんと一緒に仕事をする中で、私自身市役所の組織というものについて、感じ、また学んだことは沢山ありました。以下、ランダムに「組織」というものに対して私が感じていることを申し上げます。
 まず、組織と構成員の関係ですが、組織はやはり人の力によるものであると感じております。そして市役所のような組織は人、つまり構成員が入れ替わって行きます。入れ替わりの当初はどうしてもさまざまな面でレベルダウンが避けられない場合もあります。しかし、いつまでも人が入れ替わったことをレベルダウンの言い訳に使うようでは、その組織は間違いなく本当にレベルダウンしてしまいます。ですから新しい職場では、常に人のスキルアップを怠らないことが肝要だと思います。
 次に組織としての危機管理ですが、およそミス、間違いというものは、起こしてはならないものでありますが、さりとて人も組織もどんなに注意を払ったとしても間違いが起きるときがあります。大事なのは、間違いは分かった時点で正すこと、これに尽きるかなと思います。しかし、組織としての間違いを正すのはものすごくエネルギーがいる。覚悟が必要です。でもやらねばなりません。また、いかに現在の我々に関係ないように思える過去の出来事であろうとも、今の我々が背負う覚悟なくして、本当の是正は出来ないということも経験しました。そして、これは本庄市の事例ではないですが、間違いを組織が放ったままにしておくと、いざ露見したときの傷はとても深くなる、という事例も見てきました。
 危機管理という点で言えば、我々の真面目な仕事の前に時に立ちはだかる、外部からの理不尽な不当な行為への対応についても、実にさまざまな経験をさせていただきました。理不尽な行為への対応は、組織を挙げて毅然とした態度で臨むことに尽きると思います。そのためにも上司の心情が揺らぐことがあってはならず、そういう姿勢が部下にとってどんなに心強い事か、ということも学ばせていただきました。
 また、上司、リーダーの心得としては、組織の構成員が高い志を持ち、その実現に向けてのスキルアップを怠ることなく努力できるよう、多くの制約がある中であっても、部下が働きやすい環境をいかに整えるかが大事であると感じております。
 そして何より、組織は小手先のテクニックでシステマティックに動くものではない、そこにはリーダーであれ部下であれ、血の通った人間の熱い思いが無ければだめだと確信しております。
 先ほど私は、10年の間、多くの真面目な職員に支えられてきたと申し上げました。最近思うこととして、市のあらゆる事業において、実行の最終決定とその責任は市長が負うわけですが、そこにいたるプロセスにおいても、世のため後のため、市民の役に立とうとする真面目な職員の思い、志を受け止め、それを実現する回路、道すじを最終的にコーディネートする役割も市長にはあるのだ、そう感じております。
 最後になりますが、組織の活性化についてはさまざまなマネジメント理論が存在します。大切なことは、単なる受け売りでなく、常にその組織の構成員が、自分たちの組織活性化のためには何が必要か、外部の意見に耳を傾けながら、自分たちの言葉で考えることが肝要だと思っております。
 今日は私自身の市長職就任10年にあたり、組織論について思うところをランダムにしゃべらせていただきました。これまでの歳月、改めてみなさんに心から感謝し、これからもどうぞよろしくお願い申し上げ、月いちメッセージを閉じさせていただきます。

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