「こころづかい」と「思いやり」 (平成28年3⽉分)

更新日:2020年10月01日

みなさんおはようございます。3⽉1⽇の⽉いちメッセージをお届けします。まもなく東⽇本⼤震災から5年。改めて犠牲者のご冥福を祈り、ご遺族の悲しみ、そして今なお原発事故の影響などで帰郷できない⽅々の困難に思いを寄せ、復興に向けて黙々と歩んでいる被災地に対して、エールを送りたいと思います。
あの震災直後の混乱のさなか、テレビで放映されたACジャパンのCM、みなさん覚えているでしょうか。『「こころ」はだれにも見えないけれど、「こころづかい」は見える。「思い」は見えないけれど「思いやり」はだれにでも見える。』という、あの詩です。私⾃⾝、あのCMに深いものを感じた事を今も思い出します。
ご存知の⽅もいると思いますが、あの詩は埼⽟県にゆかりの作詞家、宮澤章二の「行為の意味」という詩の一節です。宮澤章二は⼤正8年、現在の⽻⽣市に⽣まれ、⾼校の教師であり作詞家であった⽅です。作曲家の下総皖一と出会って以降、本格的に作詞活動をはじめ、やがて県内外300以上の学校の校歌の作詞を⼿がけました。本庄市にもゆかりがあり、本庄東⼩学校、本庄南⼩学校そして中央⼩学校の校歌を作詞しています。平成17年3⽉11⽇没、享年85歳。奇しくもちょうどその6年後に東⽇本⼤震災が起きています。
さてその「行為の意味」という詩。ご存知の⽅もいると思いますが、短い詩ですので、ここで全⽂を朗読します。
(朗読)
以上、宮澤章二の「行為の意味」という詩でした。読んでみての感想ですが、詩というよりも⼈の⽣きる道を説いているような、そんな味わいがあります。さて、先⽇私は、可愛い1歳になったばかりの⼥の⼦を突然病気で亡くした、若いお⽗さんとお⺟さんに出会いました。お二⼈は、今もなお悲しみの底にいます。先⽇お通夜が終わったその晩に、お二⼈の⾟い思いについてじっくり、お聴きする機会がありました。一通りお話を伺った後、二⼈から「本庄市役所には本当に感謝しています」という、思いがけない⾔葉をいただきました。聞けばお⼦さんは先天性の障害があり、発達は遅いと医師からあらかじめ告げられていたそうで、であればどうしたらこの⼦が精いっぱい⽣きられる環境を作ってあげられるか、若い両親は真剣に考えたそうです。
そしてその事を本庄市役所に相談したところ、保健師はじめ職員が、親⾝になって市の⽀援策などについて⾊々とアドバイスしてくれたこと、一緒に頑張りましょうねと励ましてくれたことで、「この⼦が⼤きくなっても⼤丈夫なんだ」という安⼼感の中で⼦育てができたそうです。実際は成⻑しないうちに逝ってしまい、本当に残念でならないけれど、みなさんの温かい⼼にどれだけ⾃分たちが救われたか、どうぞよろしくお伝えください、とのことでした。悲しみの底にある二⼈から思いがけずそのような⾔葉をお聴きして、私⾃⾝、お⼦さんとご両親に対応してくれた市職員の温かい⼼づかい、思いやりに深く感じ⼊ると共に、そのご両親の、お世話になった⼈への⼼づかいと思いやりにも、⼼から⼿を合わせました。そして、困難な状況にある⽅への対応は、第三者には分からないけれど、でも相⼿には本当によく見えているのだということにも気付かされました。
年度末の一か⽉が始まりました。あわただしい⽇々ですが、市⺠の皆さまに対して、また職場の仲間に対しても、⼼づかいと思いやりを忘れずにいたいものですね。
本⽇のメッセージはこれで終わりです。みなさん、体に気を付けて、年度末、頑張ってまい
りましょう。

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