「郷土の偉人をもっと知ろう」 (平成28年2月分)

更新日:2020年10月01日

 おはようございます。2月1日になりました。今年は雪の当たり年か、1月18日には市街地でも道路に積雪を伴う大雪となり、また一昨日にも降雪がありました。それぞれ対応に当たられたみなさん、お疲れさまです。2年前のあの記録的大雪のような事態は二度と起きてほしくありませんが、まだまだ雪の季節が続きます。今年の年初に申し上げた「備える」という言葉を、どうぞ改めて念頭に置き、今後ともよろしくお願いいたします。
 さて本日は、今般本庄市の教育大綱を定めるに当たって、思うところをお話しします。
 国の制度改正により、地方の教育行政はいくつかの点で大きく変わります。その一つに各自治体による教育大綱の策定があります。教育大綱とは、自治体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策について、その目標や施策の根本となる方針を定めるものと定義されており、自治体の長および教育委員会により構成される「総合教育会議」での協議を経て、長がこれを定めます。
 本市においても、現在本庄市教育大綱(案)についてのパブリックコメントが終了し策定作業は最終段階です。大綱の基本理念は「世のため、後のための教育~明日を拓く人を育み、魅力ある文化が育つまち~」となる予定です。郷土の偉人塙保己一先生の遺した言葉、総合振興計画および同計画の教育文化分野にうたわれている言葉を引用しました。
 本市はまさに、明日を拓く人を育み、魅力ある文化が育ってきた土地柄です。「えぇそうかいね、何にもねえ街じゃん」などと卑下する人がいますが、それはその人の認識不足です。塙保己一は間違いなく我が国第一級の人物ですし、それ以外にも後世に語り継がれるだけの功績を遺した人物も多いのです。
 例えば近代日本の歩みに業績を遺した人物に限っても、まず養蚕技術の普及改良に力を注いだ競進社の木村九蔵、近代日本の経済・外交また文化の発展に力を注いだ諸井家の一族、そして型にはまらないスケールの大きな社会思想家であった石川三四郎、さらには、オーストラリアでの真珠採取に成功し「木曜島のキング」という異名をとった実業家の佐藤虎次郎や、戦前の日本の代表的言論人であり歴史家また政治家であった竹越與三郎という人物もいます。初めて知ったという人は、ぜひ調べてみてください。
 彼らは教科書に掲載されるような有名人ではないですが、その人生を調べてみると、共通して言えるのは視野がとても広く人としての器が大きいです。私の全く勝手な解釈ですが、本庄市周辺の景色はとても雄大なものがあり、これが人の気質にも影響するのではないでしょうか。こういう人々がもう少し社会をリードしたら近現代の歴史もまた違っていたのでは、と思わせてくれます。
 文化面においては、これまた教科書に載るような人物ではなくとも、数多くの芸術家を輩出しています。絵画に限ってみても、小さな本庄市ですが市民主体の画壇があります。麓原会は創立確か70年になるのではと思います。日展(日本美術展覧会)に出展できた画家の数を人口比で見てみると、調べたわけではありませんが、おそらく本庄市は日本一ではないでしょうか。これはまさに昔から文化への関心が高いことの証に他ならない、そう思います。
 その昔偉人と言えば男性が多かったわけですが、これからは女性も大いに活躍する時代です。今現在、本庄市出身の各界で活躍する有名人は女性が多いです。今後が楽しみです。
 教育は国家百年の大計と言われます。まさに人材育成こそ、日本社会を成り立たせ発展させるための最も重要な課題であったし、これからもそうです。人材育成に効果があるのは幼児期から偉人伝を聞かせ、読ませることと言われます。自分もあのような人になりたい、目指したい、そう子ども心に素直に感じることは、人間の成長にとって大きな栄養となるでしょう。
 大人の我々も、大きな業績を遺した偉人の人物像を知ることで、生きるヒントを与えられたり、また自らの鑑にしたりすることができます。歴史に名を遺した人物を取り上げる書籍やテレビ番組、サイトなどは常に人気があります。
 このたび教育大綱の策定と公表を市長として行うに当たり、まずは改めて郷土の偉人、努力してきた先人のことをもっと深く掘り下げて、彼らから学んでみませんか、ということをみなさんに呼びかけたいと思います。
 以上で今月の月いちメッセージを終わります。寒い日がまだ続きますので、お体気を付けてお元気で仕事に励んでください。

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