裁判の判決を受けて (平成28年10月分)

更新日:2020年10月01日

 おはようございます。10月3日月曜日、今月の月いちメッセージをお送りします。
 はにぽんへの投票もあと3週間となりました。全国1位は決して簡単に獲得できるものではありませんが、我々は今まで通り真面目に投票し、引き続き市民の皆さまへの投票の呼びかけを続けていくしかないと考えます。どうぞ本庄市のため、最後まではにぽんへのご支援をよろしくお願いいたします。
 さて、本日は先月28日にさいたま地裁において判決が下った、本市の人権行政の在り方にかかわる裁判の内容と結果についてみなさんにお知らせし、合わせてみなさんへのお願いを申し上げます。以下、判決書の正本に記載された文言などを引用してお伝えします。
 本件は同一の同和問題に関する民間運動団体に所属する原告17人が、平成25年3月1日に本庄市、上里町、深谷市を相手に訴えを起こしたものです。
 まず、それ以前の経緯から振り返ってみます。
 本庄市では平成23年11月29日付で、今回の裁判の原告が所属する同和問題に関する民間運動団体、また他の運動団体に対して、本市は今後、それらの運動団体が主催、関係する話し合い等の事業に対応しない、そして集会所等の事業は平成23年度をもって、各運動団体に対する補助金の交付は平成24年度をもってそれぞれ廃止する、という、これまでの市の人権行政を変更する旨の通知を交付しました。
 そして本庄市議会は平成24年3月21日、「本庄市立隣保館設置及び管理に関する条例等を廃止する条例」を可決し、同条例は同年4月1日に施行。これによって集会所等の事業は廃止され、建物は一部を除き自治会等に移管されたところです。
 上里町、深谷市においても、時期などは異なりますが、ほぼ本庄市と同様の施策が実施されております。
 さて、今回の裁判で原告は、まず、それぞれの自治体が運動団体に対して各種同和対策事業を廃止する旨の通知をしたこと、および廃止条例を制定して集会所や隣保館を廃止したことは、いずれも違法な処分であるとして、それらの取消し又は無効確認を求めるとともに、集会所や隣保館を利用できなくなったことなどにより被った精神的苦痛に対する慰謝料の支払いを求めました。
 これに対して本庄市としては、今般の通知の交付や廃止条例の制定は、平成14年に同和対策事業特別措置法等による特別対策が終了した後、市が独自に実施してきた一般対策についての成果と弊害の認識をふまえ、今後は同和問題をあらゆる人権問題の一つとして位置づけ、広く全市民を対象とした事業を推進すべき時期に来ているとの総合的な判断のもと、相応の手続きを経て決定したものであること、また、廃止された集会所や隣保館などの多くは原告も利用可能な施設として存続しており、今回の通知交付や条例制定は、処分性が無い、すなわち原告の公共施設を利用する権利や義務に変動を生じさせるようなものではないし、さらに市の裁量権の逸脱や濫用などもなく、国家賠償法上も違法ではない、と主張しました。上里町、深谷市とも同様の主張を行ったところです。
 なお本市では、我々行政の判断は、職員自らが一番熟知しているという考えから、今回は弁護士をお願いせず、裁判の諸過程において担当職員自ら事に当たりました。
 さて、これらの主張に対して裁判所が下した結論ですが、各自治体が行った通知の交付、条例の制定行為ともに処分性はなく、国家賠償法に照らして違法であったとは言えないとして、原告の各訴えについて、各通知の無効確認また各廃止条例の制定行為等の取消し又は無効確認請求に係る部分は不適法として却下、そして金銭請求については理由がないとして棄却、という判決が下されました。
 以上が裁判の内容と結果です。
 今後の控訴審など予断を許さない中ですが、まずはこの度の判決において、市の主張がほぼ全面的に認められたものとして、裁判所の判断を謹んで受け止めたいと思います。そして改めて人権行政について、今後とも誠意をもって進めて行くことをみなさんと共に誓いたいと思います。そこで、今回の判決を受け止め、改めてみなさんにお願いしたいことが二つあります。
 まず、いまだに不当な差別事象がネットなどでも散見されるなか、我々市の職員たるもの、さまざまな仕事の場面から常日頃の言動にいたるまで、人権を尊重し、不当な差別を決してしない、許さないという不断の努力を、引き続きしっかり重ねて行きましょう、ということです。
 もう一つ、人権施策の実施は地域の実情を踏まえて行われるべきとされており、まさに地方公共団体、我々自らの責務であります。今後とも本庄市の人権行政について、これまでの経緯を全職員が認識・共有し、本市の実情を踏まえ、さまざまな課題の更なる解決への方策について各部署でしっかりと考え、取り組んでいただくようお願いをいたします。
 以上で月いちメッセージを終了します。秋も深まってまいります。体調には充分気を付けて頑張ってください。

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