「危機管理の初動対応について思う事」(平成29年2月分)

更新日:2020年10月01日

 おはようございます。2月1日になりました。今月の月いちメッセージをお送りします。インフルエンザが大流行していますが、みなさん体調はいかがでしょうか。実は、私は、不覚にも先日しつこい風邪を引いてしまいました。インフルエンザではなかったのですが、1月25日の夜に体調の異常を感じてから、30日朝に、ああ、抜けた、と実感するまで5泊6日かかりました。私の代わりに会合等に出席していただいたみなさん、ありがとうございました。日程が変更になるなどご迷惑をかけたみなさん、申し訳ありませんでした。
 今回の風邪の原因は、おそらく年末年始の不摂生と思いますが、一体いつ、どこで、うつったのかは分かりません。体の異常に気づいてからの対応についてですが、今回は万が一と思い診断を受け、時間がかかるやや重い風邪なので無理しないよう言われました。自分の場合、たいていの風邪は一晩寝れば治ることが多いので、病院には行かず薬も飲まないのですが、今回の場合は診断を受け正解でした。
 私事をしゃべってきましたが、ここからが本題です。しつこい風邪とかけて組織の危機管理と説く、そのこころは、どちらも「気づいた時が大切」ということです。
 申すまでもなく組織の危機管理とは、その構成員の不祥事や仕事上のミス、あるいは外部からの敵対的行為などによって、その組織の信用失墜や存立基盤が揺らぎかねない事態が発生したとき、どう事態の正常化に向けて対応するか、という事です。
 世の中ではさまざまな危機が起きていますが、実は我が国の社会では、危機というものはそもそも発生してはいけないもので「予防」することが何より大事、という空気が強く、実際に危機が起きた時はそれにどう対応するかというより、「起きてはならないものが起きた」「なぜ起きたのか」「なぜ今まで気づかなかったのか」などと追及することにエネルギーが向きがちです。これを風邪に例えると、風邪を引いたことに気づいた時点で、周囲から「どこでうつされたんだ!」と怒られているようなものです。まあ自分がどんな風邪を引いたのか、その原因を考えることは医師の診断を仰ぐ際に多少は有効ではありますが、そればかりを問われたからといって風邪は治りません。気づいたら休む、ひどければ医者に行く、これです。同様に危機管理についても、発生した事件等の原因について自ら問うておくことは、今後の再発防止や説明責任を果たすために必要ですが、何より気づいた時点で勇気を持って事態の正常化に向けて適切な対応を判断しすばやく実行しなければ危機管理は成功しません。
 さて、危機への初動対応ということでは、以前、また別の事柄で反省し考えさせられる経験がありました。具体的な内容は言えませんが、ある組織である事態が発生し、自分自身その事態を知っていながら、それがその組織における危機であるとは、正直認識していませんでした。ある会合においてある方から「これは放っておけば大変だ」と指摘があり、参加者のやりとりを聞きながら、初めてその組織にとってそれが重大な危機につながりかねない事であるということを認識出来たのです。
 本当は危機なのに、それを単なる物事の流れ、ああそうですか、というようなぼんやりとした認識で見てはいないか、独りよがりで判断していないか、自分自身この事では深く反省しました。何かおかしいと思ったら、自分の経験則だけで軽々しく判断せず、人の考えもよく聴いて、組織として判断することを習慣づけておかねばならないと思います。
 危機管理とは、事態の正常化に向けた戦略を立てつつ今すぐに出来ることから手を打ち、なるべく短時間のうちに正常化又は正常化に向けた道筋をつけ、全体像と対応策を利害関係者に公表し理解を得るよう努め、その後反省を踏まえて二度と同じ危機を招かないよう予防策までを講じてこそワンサイクルだと思います。私自身これまでさまざまな経験をしましたが、まだまだ修行が足りない身です。足りない身ではありますが、今回は特にその初動の対応について自ら思うところを語らせていただきました。
 まとめますが、危機は起こしてはならない、ではなく、むしろ起き得るものとして、気づいた時が大事という気持ちを持って恐れずに、また気づいて良かったとさえ思ってクヨクヨせずに対応する事、そして往々にして一人では気づかない危機の重大性について、組織としてみんなで考え、気づきを共有する事、それらが大事だと思うのです。
 今年もさまざまな危機が本庄市を襲うかも知れません。すでに起きているかも知れません。普段からの備えも大事ですが、気づくようアンテナを張り、そして気づいたときこそ大事。皆で連携して、つながって、事態の正常化に向けて頑張ってまいりましょう。以上で月いちメッセージを終了します。みなさん風邪には充分気をつけて、今月も頑張ってまいりましょう。

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