職員が心がける3つのポイント(平成18年4月分)

更新日:2020年10月01日

市長訓示

おはようございます。平成18年度当初にあたり、訓示を行います。
まず、皆さま方には、昨年度一年間、それぞれの職務に精励され、大変ご苦労様でした。特に平成17年度は合併による新市発足という、誰もが経験しなかった歴史の歯車が動いた年度でありました。合併は市町村にとって将来の地域発展を賭けた、大きな選択であります。異なった歴史を歩んできた自治体同士が一つになるのですから、当然現場においては、さまざまな生みの苦しみがあったし、また依然としてあると思います。まずもって皆さまのご労苦に心からの敬意と、感謝の意を表する次第です。
また今回異動された方には、新しい職場でこれまでの経験を活かして、また引き続き残られる方には新しく異動された方と協力し、18年度も頑張っていただきたくお願いいたします。
それでは年度の初めにあたり、改めてまず、本年度の施政方針を申し上げつつ、その上で職員の皆さまに心がけていただきたい点を3つ申し上げますので、よろしくお聞きください。
合併以前、旧本庄市と旧児玉町は、ともにさまざまな行政課題を抱えておりました。そういった背景がある中で住民福祉の維持・向上を第一義として統合の道を選択したのでありますから、今後必要とされるのはまず、「行財政改革の積極的な推進」であります。如何にして最小の経費で最大の効果を挙げることが出来るか、事業の選択と集中が求められております。
私は今後の行政は運営でなく経営であるべきと考えます。運営とは、言って見れば今日も昨日も同じ、というルーティンワークの意味合いが強いと思います。では経営とは何か。私がここでいう経営の定義は、自らの持てる資源を活かして目的達成のための行動を極大化してゆく営み、という意味であります。行政の目的はいうまでもなく市民生活の価値を高めることであります。ですから、本庄市の行政経営とは、本庄市民の生活の価値を高めるために本庄市の資源を最小の経費で最大限活かし、昨日より今日、今日より明日と進歩してゆくという意味であります。
しからば本庄市の資源とは何でしょうか。合併による新生本庄市には多種多様な物的・人的資源が内在または外在しております。私は常々我が郷土は「潜在的総合力ナンバーワンのまち」であると申しております。交通の利便性、早稲田大学との連携、高校が7つもあるという、ダイナミックな展開が可能な教育環境、工業団地などの産業集積、豊富な農産物、塙保己一先生やお祭りなどに代表される歴史と伝統ある風土、恵まれた自然環境、住民相互の結びつきの強さ、こういった地域の潜在力を掘り起こし、外部の力も活かしつつ、まちづくりのエネルギーを生み出し、本庄を行きたくなる、住みたくなる、働きたくなる、吸引力のある自立都市に甦らせる、それがひいては市民生活の価値の向上につながる、そう私は確信して止みません。
そのためにも、合併協議の中でまとめられました「新市建設計画」を基礎に、私は「産業の活性化」「教育の充実」「安全・安心・快適のまちづくり」「市民本位の行政」の4つの重点テーマを掲げました。このテーマを推し進めていくことが、本庄市の地域資源を最大限活かすことにつながると考えております。
そこで一つ目のお願いですが、職員の皆さまには、今後の行政推進にあたっては、是非とも「経営」するという意識に心がけていただき、この4つのテーマ、「産業の活性化」「教育の充実」「安全・安心・快適のまちづくり」「市民本位の行政」を念頭に施策遂行されますよう、お願いいたします。
さて私の行政推進の基本は「対話」であります。対話をするには情報提供がなされなければなりません。市民の皆さまへ行政からの積極的な情報提供を図り、本庄市のおかれた状況にご理解をいただきつつ、市民自らの積極的なまちづくりへの参画を促進したいと考えます。私自身も新市のさまざまなところに自ら出向き、多くの方々との対話を通じ、そこで生まれたエネルギーを新生本庄市の建設に活かしてゆきたいと考えております。対話とは、お互いの知恵とやる気、モチベーションを湧かせる元であると確信します。そこで二つ目のお願いですが、どうぞ皆さまもそれぞれの職場において、同僚との対話、上司との対話、そして日常生活において家族やご近所の市民との対話に心がけ、共にまちづくりについて語り、お互いのモチベーションを高めていただきますよう、お願いします。
私は常々、政治行政に携わる者は、信頼、公正、これは公に正しいと書く公正ですが、それと実行力、この3点に留意すべきと考えております。
まず「信頼」ですが、まさに信頼こそ全ての源。行政職員と市民、行政職員同士に「信頼」関係がなければ、市役所も街もよくなりません。
また「公正」とは、行政に携わる人が最も大事にしなければならないモットーであると思います。第三者が見て、聞いて納得できる行政かどうかは、一人一人の職員のモラルにかかっていると考えます。
そして「実行力」、やはり凡百の理屈よりきちんと結果を出してゆくこと、常に努力し、動いてゆくことがこれからの行政に携わる人には求められていると考えます。
もとより、まちづくりは一人では出来ません。新市の建設には多くの方々の力が不可欠であります。その第一人者は皆さま職員の方々であります。三つ目のお願いとして、皆さまも、信頼される、公正なそして実行力ある行政職員を目指していただきますよう、お願いします。
以上職員の皆さまに心がけていただきたい点について、3つ、述べさせていただきました。
最後に一つ、最近のエピソードをお伝えします。
実は私は先週の30日に、職員の皆さまから大変な勇気をいただきました。
年度末で大変だろうと、私は帰りがけに、その夜遅くまで仕事をされている方々に対してお疲れ様を言いに行ったのです。そのとき、自分は自分の肩書きを意識していました。市長という立場で、みなさんにねぎらいを言わなければならない、それが自分の役割だと。いささか気負ったその思いは、それはそれで別に間違っていないと思っております。しかし皆さまへの挨拶を終えて、その夜帰ってから、全く疲れを感じない、不思議にやる気が湧く自分がおりました。色々とたまっていた原稿を一気に書き終えてしまいました。「何でこんなにやる気が湧くのだろう」夜寝る前考え、ふと気付いたのであります。「そうだ、今日帰りがけに声をかけさせてもらった職員のみなさんの顔だ。面構えだ」と気が付きました。毎晩夜9時や10時まで、残業にいそしむ職員の皆さま方。目が充血して疲れた顔をしていましたが、しかし職場には何とか頑張らねばという気負った雰囲気が漂っていました。自分は無意識のうちに、大変なボリュームの、いわばやる気のシャワーを浴びたのであります。これからは自分自身物事に気合を入れてかかるときに、あの時の皆さまの顔を思い出すことにしようと思います。
市長として、私自身もまだまだ発展途上であります。合併後のまちづくりは暗中模索の面も多々ありますが、しかし新しい中沢助役をはじめ、職員の皆さまに支えられ、明るく前向きに、行く手に希望を見出しつつ、新本庄市の行政経営、まちづくりの先頭に立つ覚悟です。どうぞ市役所全体の英知を結集して、共に価値のある平成18年度を、創り上げて参りましょう。
本日は訓示ということで、いつもの月いちメッセージよりだいぶ長くなりました。終わりに皆さまのご健康と、仕事の大いなる発展、ご家族のご多幸を心よりお祈りします。
 それでは一年間どうぞよろしくお願いいたします。

注意:今月の「市長の月いちメッセージ」は平成18年度当初にあたり行われた「市長訓示」となります。

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