「見える化」の大切さ(平成18年11月分)

更新日:2020年10月01日

おはようございます。11月1日水曜日、今月の月いちメッセージをお届けします。
最近、組織を活性化させるためのキーワードとして、「見える化」という言葉をよく聞きます。化は変化の化です。この見える化という言葉の意味ですが、要は組織の活動におけるさまざまなものを見えるようにするということです。見えるようにするとは、単に物事の流れを漫然と見せるということではありません。複雑なものを理解するために、全体像を分かりやすく理解させるための道具立て、仕掛けづくりをいいます。例えば、スポーツで言うと野球は複雑なスポーツですが、これは選手の動きだけ見ていても、それで試合全体が見えたとはいえません。スコアボードというものを見てこそ、その試合が今どういう状況なのか、途中から試合を見た人にさえも分かるのです。このスコアボードのたとえからも分かるように、物事の全体像を把握する仕掛けづくり・「見える化」は、複雑な物事を理解する、させるのに不可欠の手段だといえるでしょう。
経営コンサルタントとして名高い遠藤功氏によると、企業活動における「見える化」には5つのカテゴリーがあります。まず、問題の見える化、次に、状況の見える化、顧客の見える化、知恵の見える化、そして、最後に経営の見える化です。中でも、問題の見える化は、中核に位置づけられるものです。まずは問題が見えていなければ何も始まりません。企業の活動の中においては、日常的に異常や問題が発生しており、重要なのはそうした異常や問題が隠されたり、ゆがめられたりせずに「見える」ようになっているかどうかであり、見えていれば手の打ちようがあるけれど、それが見えていない、隠蔽されていたりする企業は間違いなく崩壊すると、遠藤氏は指摘しています。
これは企業だけでなく、まさに市役所にも当てはまることだと思います。膨大な量の事務を日常的にこなしている市役所ですから、事故や異常の発生はあってはならないことではありますが、小さなものになればなるほどどうしても起きてしまうことがあります。一つの事故やミスの背景には、いくつもの問題が横たわっているといわれます。小さな係の単位にも、もう少し大きい課の単位でも、さらには部単位でも、また、市役所全体にもこの「問題や異常」は存在している、発生しているのであります。大切なのは、それらを隠蔽することなく、構成しているメンバー全員が気付くこと、気付いていること。まずは、そこから全てが始まるのではないかと私は考えます。重要なのは、問題の見える化は、その問題やミスを個人のせいにして犯人探しをするのではないということです。人の評価のための見える化ではなく、あくまで問題解決を図り、また、失敗を未然に防ぎ、さらに組織の仕事の質を高めるための見える化であるということです。
私はこのたび、財政課に指示して「本庄市の財政状況」というペーパーを作ってもらいました。財政難だ財政難だといっても、何がどう具体的に財政難であるのか。単年度の財政状況を見ただけでは前年度との比較だけでピンときません。これまでの経年変化の中で何がどう変化してきたかを数字で端的に示したらどうなるか、脚色や注釈はつけずに、ありのままの数字を出させました。これが私なりの、本庄市全体の問題についての「見える化」の作業であります。これから行財政改革や総合振興計画策定作業が進んできますが、やはりその前に、職員のみなさんに今の本庄市の状況を数値で知っておいていただくことから問題解決に向けての動きも、また新しいまちづくりも、全てがそこから始まると考えました。なお、このペーパーは各課長さんから職員のみなさんに説明するよう、各部長さんにお願いしてあります。まだやっていない課は早く課長さんから説明してください。
今日は「見える化」についてお話をしました。みなさんも各単位で、自分たちの仕事上の問題点を共有し、見えるようにしておくことの意義をそれぞれがぜひ確認してみてください。
本日の月いちメッセージは以上です。今月もお仕事頑張ってください。

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