何を為すか、何を為さぬか、そして如何に為すか(平成19年1月分)

更新日:2020年10月01日

新年あけましておめでとうございます。皆さまには平成19年の新春をご家族そろってご健勝にて迎えられたことと、心よりお慶び申し上げます。仕事始めの本日、年頭にあたっての所感を申し上げます。
昨年は合併によって新本庄市が誕生し、激動の中にも将来のまちづくりへの大きな一歩が踏み出された年でありました。職員の皆さまには、合併に伴う各種事務事業の統合作業に大変なご尽力をいただきました。改めて心から感謝申し上げます。
一方、国内の地方自治体を取り巻く状況は、財政再建団体へ転落した夕張市の例に象徴されるように、非常に厳しいと言わざるを得ません。今後、自治体の自己決定、自己責任がますます問われる時代になることは明らかです。
さて、年頭にあたりいくつかの重点施策についてお話いたします。まずは、ただいま触れました自治体を取り巻く厳しい状況に鑑みて、職員の皆さまには引き続き行財政改革に取り組んでいただきたいです。特に、職務遂行に当たっては「何をなすか、何をなさぬか、そして、如何になすか」という意識を持っていただきたくお願いします。このようなことはすでに十分ご承知のことと思いますが、改めて私自身にも言い聞かせるつもりで申し上げます。何をなすか、何をなさぬか、「これは選択と集中」ということです。予算は限られています。あれもこれもというわけにはいきません。時代状況に鑑みて、「ある事業は進める」、「ある事業は止める」という決断も必要です。そして、この選択と集中を行った上で意識していただきたいのが、如何になすか、つまり工夫ということであります。進める事業だからといって、ただやれば良いのではなく、いかにしたら最小の経費で最大の効果をあげられるか、市民生活の向上につながるか、将来の本庄市のためになるか、工夫をしていただきたいのであります。
では、何をなし、何をなさぬか、そして如何になすのか、本年重点を置くべき施策を例にとり、お話させていただきます。それは、まず「教育の改革と再生」、そして「本庄早稲田駅周辺土地区画整理事業」、さらに「犯罪と交通事故の撲滅」であります。
まず、教育の改革と再生についてです。昨年は残念な事件が相次いで起こり、教育長、教育委員長、事務局長をはじめ、特に学校教育課の皆さまにはご苦労いただきました。私としては、昨年の仕事納めの時に申し上げた通り、今年は本庄における教育改革、教育再生の元年にしたいと考えております。昨年、教育委員さんには学校訪問をしていただきました。そのレポートが私のところにも届いております。学校現場の実態を考えれば、人的支援は緊急課題です。何とか学校へのサポートのための予算を、市としてもつける必要があると思っております。しかし、財政状況を考えれば、本当は教育にこそお金は惜しみたくありませんが、やはり予算は限られております。ここもまさに選択と集中、そして工夫が求められるところであります。どうやって経費を捻出するか、どこにどれだけつけるか、最小の経費で最大の効果を考えなければなりません。学校もそれぞれであり、問題が山積している一方、素晴らしい成果をあげているところもあります。すべて一律に考える必要はないと思います。教育長をはじめ関係者とよくよく協議し、現場の状況も踏まえて、新年度に向けてプランをまとめていきます。緊急にやらねばならないこと、長期展望で行うべきこと、ともかく教育問題は市の最重要課題として、ぜひとも職員の皆さまにはご理解とご協力をお願いいたします。
次に、これも市の最重要課題であります本庄早稲田駅周辺区画整理事業です。現在の苦しい財政事情を考えると、推進するには大変なエネルギーが必要であり、あえて申し上げれば、市役所の他の事業が抑制されることも十分予想されます。私自身、旧の本庄市長に就任直後、当時事実上凍結状態であったこの課題について、進むべきか引くべきか悩みました。しかし、市街化区域にすでに指定されている以上、もし、この整備事業の認可が下りないまま時が過ぎれば、後々駅周辺を整備しようにも手が付けられない状況になるであろうことも予想できました。また、駅の乗降客も順調に増加しております。さらに、本庄市の新たなまちづくりの資本投下を将来に効果がある形で行える場所として、新幹線新駅周辺はずば抜けてポテンシャルが高いことも事実です。このようなことを総合的に考え、本事業の推進を決断、選択したのでありました。そして、選択した以上、ただやるのではなく、如何にやるかが肝心だと考えました。単なる区画整理事業のみとしてとらえていてはいけない。全国各地で失敗した多くの開発事業の二の轍を踏まないよう、インフラを整備することと同時に地権者の理解をいただいた上で、上物つまりは優良な企業の誘致などに力を入れるべきです。将来の地域経済を牽引し、市財政にも大きく貢献していただき、そして、北関東における本庄の役割を大きく発揮できるまちづくりを実現させることが、本事業の目的であると私は考えます。皆さまにも是非ともご理解とご協力をいただきたくお願いします。
最後に、犯罪と交通事故の撲滅に向けて更なる事業の推進を図ってゆくべきと考えます。犯罪については、昨年末までの発生件数が前年対比1割減少という目標を達成できたようです。明らかに防犯活動の効果が出ていると思います。更なる取り組みにより、県内ワースト上位からの脱却を図っていきたいと考えます。一方交通事故は死亡事故の発生件数が県内ワースト1という大変不名誉な記録を昨年作ってしまいました。このことへの痛切な反省から、今年こそ交通事故の大幅な減少を目指したいと考えます。一生懸命やっている自治会のみなさんや各種団体のみなさんのご努力を無にしないためにも、どうしたら犯罪を減らし交通事故を減らせるか、市民総ぐるみの活動を展開する必要があると感じます。そのためにも、あまり地域のコミュニティーや企業団体活動に参加していない方々にも、どれだけこの取り組みへ参加と協力また理解を得ることができるか、工夫が必要であります。
さて、ではなさぬ事業つまり止める事業は何か、これについても考えておりますが、具体的内容を今は申し上げられません。しかし、これまで慣例になってきた事業や所期の目的を達成したと思われるもの、ある程度の年数を過ぎているものは、引き続き見直しを行い、思い切って削ることに私は躊躇しません。色々と批判や不満も出るかと思いますが、説明責任はしっかり果たしていこうと考えております。この説明責任については、なすべき事業についても果たしていかねばならないと考えております。
以上、平成19年の市全体としての重点施策について私の考えを述べさせていただきましたが、もちろん、皆さま一人ひとりの仕事はそれぞれ重要であり、一つ一つの積み重ねなくして行政は成り立ちません。地方自治体を取り巻く厳しい状況に鑑み、一人ひとりが、これまで以上にコスト意識を持ち、自分の担当する仕事、所属する課の仕事について、何をなすか、何をなさぬか、如何になすか、選択と集中、工夫を行っていただきたくお願いします。
最後に、仕事納めでも申し上げましたが、私はいつも、昨日より今日、今日より明日、明るく前向きに取り組んでいけば、今は苦しくとも必ず道は開けてくる。そう信じております。「笑う角には福来る」と申します。職員のみなさんの笑顔が市民のみなさんを明るくし、結果として、職員のみなさんがまた笑顔になれるような市役所へ、と評価が返ってくる、そういう「笑顔の循環」を起こしてください。そして今年は職員同士の親睦、融和にも努めていただければと思います。職場が明るければ、自然と仕事も明るくなると思います。確かにお金はありません。ですが苦しい時代だからこそ、創意と工夫を楽しみとするぐらいの気概で、どうぞ本庄市の歴史の扉を、一丸となって開いていただきたくお願い申し上げます。私もその先頭に立って粉骨砕身、8万市民の全体の奉仕者として、市民の皆さまからより信頼され、より公正な、そして、より実行力のある本庄市政の進展にまい進することをお誓いいたします。以上で年頭のご挨拶といたします。1年間どうぞよろしくお願いします。

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