行政は「虫の目・鳥の目・魚の目」で(平成19年12月分)

更新日:2020年10月01日

おはようございます。12月3日、今年もいよいよ師走となりました。月いちメッセージをお送りします。
さて私は以前から、これからの行政は行政運営でなく行政経営だと申し上げておりますが、埼玉県の上田知事もこれからの行政は経営体にならなければいけない、とおっしゃっております。先般知事の講演を聞く機会がありました。有益な話で一人で聞いただけではもったいないので、今日は皆さまにその内容をかいつまんでお話します。
「今までの県の行政は「計数管理」という考えが薄かった、その証拠に決算書や予算書などの公式資料は、対前年比だけで見ており、5年、10年といった経年変化で見ていなかった。このように数字を対前年比だけで見ている場合、前の年より数字が下がっても、あるいは上がっても、「こんなもんか」という感想しか持たない。そうなると5年、10年たって事態が悪いほうに進んでも、例えば納税率が落ちたり、事業所の数が減ったり、県施設の利用回数が減っても、その重大性にさほど気付かない。現状の問題点に気付かないから先を見る目も養われず、知らず知らずのうちにやる気の無い体質になっていく恐れがある。そんな行政ではこれからの時代、到底住民の信頼は得られない。今後経営体としての行政のやるべきこと、それは計数管理である。つまり分野別のさまざまな数字を過去5年、10年という経年変化で見ること。現在の埼玉県の行政サービスのレベルがどのくらいなのか、過去と比べて、また、他の県と比べて問題点は何か。どうしたらよい方向へむかうか。そして今後5年、10年先に向かって、戦略的な目を養い、先を見て仕事を行い、よい方向に数字を伸ばすことである。」と、ざっとこんなお話でした。知事は埼玉県のことについてお話されたのですが、私はこのお話を、まさに本庄市のこととして聞いておりました。
この講演では、虫の目、鳥の目、魚の目、という話も出ました。虫の目とは、間違いがないか細かいところまでチェックする目。鳥の目とは、俯瞰的に広い視野で見る目。魚の目とは潮目、トレンドを読む、つまり世の中の動向を読み込む目、ということです。どの目もそれぞれ重要ですが、昔の行政は機関委任事務が仕事の主流であり、間違いがないか細かくチェックする虫の目さえしっかりしていれば良かったわけです。しかしこれからはそうではない。虫の目ももちろん重要ですが、特にこれからの自治体行政は経営体として戦略的に動いて行かねばならず、鳥のように俯瞰的に物事を見て行く目と、世の中の動向を見極めていく潮目を読み込む魚の目がぜひとも必要であるという話でした。
先週の金曜日、私は来年度の予算編成に当たって、経営戦略会議で各部局長さんと論議しましたが、財政状況は国からの交付税が年毎に大幅減額されて非常に厳しいものがあることを改めて感じました。これまで続けてきた事業はなかなかカット出来ませんし、また、既存事業を削らなければ新規事業は難しくなります。まことに財政難とは厳しいものだなということを実感しております。こういう時代だからこそ、行政は先を読む目を養い、経営体になっていかねばならないのだと思います。今年の法改正により、来年は地方自治体の自律性が益々大きく問われる年になります。ぜひ職員の皆さまにも本庄市の未来を切り拓くための大きな視野と、世の動向を見る目を持っていただきたくお願いして、今月の月いちメッセージを終了します。年末忙しくなりますがお仕事頑張ってください。

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