市民との信頼関係は挨拶と笑顔から(平成20年4月分)

更新日:2020年10月01日

市長訓示

おはようございます。新年度のスタートにあたり、市長訓示を行います。
皆さま方には昨年1年間それぞれの部署において、市政の進展、市民生活向上のため、献身的にご尽力いただき、厚く感謝申し上げます。本年度は合併して3年目の年、新体制の土台をつくる仕上げの年であり、同時に新しい制度や事業も始まる重要な1年です。
特に本年度からは、「総合振興計画」がスタートします。この計画の将来像「あなたが活(い)かす、みんなで育む、安全と安心のまち 本庄 ~世のため後(のち)のため~」このような標語ができた背景には、実を言えばのっぴきならない事情があります。国も地方も、拡大一辺倒、右肩上がりの時代は終わり、少子化、高齢化が進む中、いかにして限られた予算、さまざまな制約の中で、持続可能な安全安心の地域を創っていくかが問われています。つまりそれは、人の力量が非常に問われるということです。だからこそ今回、行政も市民も自分たちの力をより一層発揮してまちづくりに関わることを強くうたう、このような標語ができたのだと思います。まさに「協働」ということです。
協働のまちづくり、これは口で言うほどたやすいことではありません。しかし、例えば自治会やPTAなど各種団体による積極的な防犯活動、声がけや環境美化運動によって、実際に5年前、県下での犯罪発生率がワースト3位であった状態が昨年は21位まで下がるなど、市民自らが自分たちのできる範囲でまちづくりに積極的に関わり、非常に顕著な効果を挙げている事実もあるのです。先日、青少年問題協議会の席上、「このところ地域が明るくなっている」という感想も聞くことができました。
「協働」を進めるためにも、これからは「人づくり」が自治体の政策にとって大変重要なテーマになると思います。私は3月のメッセージで、日本社会の中で長い時代の風雪に耐えて生き残った老舗(しにせ)企業は、おしなべて拝金主義を厳しく戒め、お客様や取引先を大切にし、先人を敬い、従業員互いに感謝の念を持ち、そして原材料の本来持っている力を引き出し、社会に喜ばれる、役に立つ、良い製品を作る、という姿勢に貫かれているとの話をしました。
これは市役所という組織にも、本庄市という都市にも当てはまることです。3月議会で私は「将来像でもある『安全と安心のまち 本庄』の実現を図るためには、特に『人づくり』の視点を重視した施策が必要」と述べましたが、これは「子育て支援」や「教育」に力を入れることはもちろんですが、実はもっと広い意味で、市民一人ひとりが、また、行政でいえば私も含めて職員の皆さま一人ひとりが、網の目のようなつながりのなかで生かされている自分自身を周囲のため、ひいては世のため後のために活かせるよう、自分自身の人づくりを進めていただきたい、という思いがあるからなのです。
4月から後期高齢者医療制度がスタートしました。しかし、果たして今後医療面で本当に安心して老後を送ることができるのか、不安を訴える高齢者の方々も大勢いらっしゃいます。おそらく担当課にも問い合わせが相次いでいるのでは思います。私は世の中で弱い立場に立たされている方に対して、最後まで手を差し伸べられるのは、行政しかないと思っております。ですから、本当に必要なところにはキチンとお金をかけ、それ以外は、行政と市民の力を発揮していただく中で、なるべく経費をかけないようにしていくことでしか、これからの時代は乗り切っていけない、最終的にはそこまでありえると見て、今後の行政に対する市民の理解をより一層得ていかねばならない、そう私は考えております。そのためにも、信頼される行政職員に、我々自身がならなければならないと思うのです。
4月はまさに人づくりのスタートの月です。昨日、新しい副市長を選任いたしました。新しく就任した田雜(たぞう)副市長には、これまでの拡大一辺倒の都市整備、地域整備を、どうしたら持続可能な都市づくり、地域づくりへシフトさせることができるか、皆さま方とともに、全力で地域経営、行政経営のために汗をかいてもらおうと考えております。また、昨日19人の新採用職員の皆さまを迎えました。さらに、今回は全体で222件の人事異動があり、多くの皆さまが新しい職場に就かれました。人は縁によって生かされるとの言葉通り、まさに人と人との出会いによってしか、人が育つことはありません。私も副市長もみなさんも、新しい出会いを活かして、市役所挙げて市民に信頼される「人づくり」が出来ればと考えております。
具体的な人づくりの一歩として、皆さまには、挨拶と笑顔の実践をお願いいたします。挨拶されること、笑顔で応対されることを嫌がる人はいません。皆さま方には対市民、また同僚職員へも、挨拶を励行していただくことと、そして笑顔で人に接することを心がけていただきたいのであります。実は私も、議員の時代には表情が今より硬く、市長に就任したときも始めのうちは笑顔がうまくつくれませんでした。ですが、市民と接する中で笑顔がいかに大切か、人とのコミュニケーションを円滑にし、なにより接する人を和ませるには笑顔に勝るものはないと確信を持つに至りました。また、挨拶は人とのコミュニケーションの第一歩です。何も堅苦しい儀礼的なものでなくて良いのです。声をかけるということ、これが大切であると思います。特に最近は、市民からの市役所への応対についてお褒めの言葉をいただくことが多くなり、私も嬉しく思っているのですが、聞いてみると何々課の誰々さんが声をかけてくれたとか、笑顔で接してくれた、という内容がほとんどです。市民との信頼関係は挨拶と笑顔から生まれるといってよいでしょう。笑顔は自然に出るものと思っている方もいると思いますが、実は自分で努力することで、だんだんと自然にできるようになるのです。いわば最初は作り笑いです。しかし、作り笑いでも、接する人ばかりでなく自分の体にも良い効果があると言われています。挨拶は勇気を持って一歩踏み出すことから始まり、それができるようになれば自分自身の積極性を引き出していくことになると言われます。皆さまにはまずは自分のためだと思って、笑顔と挨拶を心がけてください。明るい職場づくりが、明るいまちづくりにつながると私は確信しております。
それでは本年度も一年間、元気でお仕事頑張ってください。よろしくお願いいたしまして、市長訓示といたします。

注釈:今月の「市長の月いちメッセージ」は平成20年度当初にあたり行われた「市長訓示」となります。

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