非正規労働者と応援するシステム(平成21年6月分)

更新日:2020年10月01日

おはようございます。6月1日、今月の月いちメッセージをお送りします。今日からクールビズがスタートします。私もネクタイを締めておりません。この習慣は、蒸し暑い日本の夏にとって良いことだと率直に思います。
いま、世界的に不況の嵐が吹き荒れるなか、企業では正社員までがリストラされる時代にあって、いわゆるフリーターなど非正規労働者の置かれた状況は一層深刻さを増しています。今日はそれについてお話します。
世間では、フリーターは仕事への意識が低い人達だという偏見が依然としてあるようです。私はこれには賛同できません。このような偏見が存在するのは、バブル期の就職の超売り手市場の時代に、いわゆるモラトリアムと称していつまでも仕事につかない生活を、好んで選択した人がいたことが理由と思われます。確かにそういう人はかつて私の周りにもいました。
しかし、その後の世代になりますと、今度は、バブル崩壊以降多くの企業が正社員の採用を抑制し、非正規雇用の労働力に置き換えて人件費を削減するというなかで、正社員になりたくともなれないまま、とりあえず非正規雇用の状態で働かざるを得なかった人が沢山いるのです。現在フリーターと呼ばれる人々の多くはこのパターンです。
ですから、彼らの多くは正社員になる道を選びたくても選べなかった人々であると言えるでしょう。
今の大きな問題は、こうした長らく非正規労働者である人々が、もっと自分に合った仕事を見つけたい、またしっかりとした就職先を見つけて正社員になりたい、そのような「仕事」の価値を高める道を歩もうとしてもなかなかそうはいかない、ましてこの不況以前にも増して、彼らがより良い仕事環境を見つけることは難しいということでしょう。
そして、こうした状態に長らく置かれた人が、仕事そのものへの意欲を無くしてしまい、いわゆるニートになる、更にはひきこもりになる、あるいは結婚したくても仕事が不安定で出来ない、例え結婚できても生活が不安定で子どもが作れないなどの現状にあり、しかもその数は急増しています。このような現象が社会不安にもつながっています。本当に心の痛む思いです。
こうしたなか、今申し述べたような「非正規雇用での経験がその人の仕事のスキルとして認められず正社員への道が閉ざされている状況」について、これを是正する動きが進みつつあります。例えば、厚生労働省が推進する「ジョブ・カード制度」などフリーターや母子家庭の母親などの非正規労働者が自分の職業の適性を知る、そして正社員を目指すあるいは職場における仕事の実践力を高めるといった自分自身のスキル、「仕事」の価値を高める活動を応援するシステムです。
実は、本庄市ではこの試みは早くから始まっており、ジョブ・カードの普及サポーター企業として登録してある企業の数は、本庄市が県内でトップとなっております。本庄商工会議所も春日部商工会議所と並んで県内の数少ないサポートセンターとして機能しています。
まだまだ歩み始めたばかりのシステムですが、この制度が定着し、仕事のスキルを高めることを通じて、人生を豊かに出来る方々が増えてくることを願って止みませんし、また行政としてもそういう動きを推進して行くべきであると思います。
古来より、コツコツとした仕事を通じて人生を歩むという日本人の勤労観・勤労意識は、バブルそしてバブル崩壊後の人件費抑制、終身雇用制の終焉、非正規雇用の増加、そして構造改革による二極化、世界的大不況と今や完全に打ちのめされた感があります。
しかし、「やはり人間は仕事に打ち込むことで人生を豊かにしていくという考え方は、決して間違っていないし、そういう価値観を新しく復活させることで、日本社会も新しい形でまた甦ってくる」と私はそう確信しております。ジョブ・カード制度の推進などは、遠回りに見えて、実は人々の仕事への意欲と人生の価値を高める意義あるものと言えるでしょう。
以上で今月の月いちメッセージを終わります。私たちも、各々仕事に打ち込むことで、仕事と人生の価値を高めていきましょう。

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