「仕事に魂を込めて」(平成22年4月分)

更新日:2020年10月01日

市長訓示

皆さまおはようございます。平成22年度のスタートにあたり、市長訓示を行います。
私は、昨日の辞令交付式で、仕事に「魂」を込めましょうとお話しました。これまで、私は「自ら」という言葉を提唱していましたが、本年度は、この「自ら」という言葉を引き続き掲げつつ、私たち一人ひとり自分自身の仕事に「魂」を込めていきたいと思います。
では、なぜ「魂」なのか、このことについてみなさんに私の考えをお伝えしたいと思います。
現在、テレビやインターネットを見ると、我々の眼や耳に飛び込んでくるのは、数多くのいわゆる「コメント」というものです。世間で知られているコメンテーターの発言から、はてはだれだか分からない匿名の書き込みまで、およそ世の中の物事に対する批評(これらは好意的なものより、批判や中傷が多いのも事実ですが)そういういわゆる「コメント」があまた流れています。
人間は、そもそも他人のことを批評・批判するのが好きですが、現代の情報化社会は、結果としてこのことに拍車をかけていると感じるのは私だけではないと思います。テレビのワイドショーは、まさにそう感じることが多いと思います。ブラウン管の向こうでは、当事者よりもそれを批評する人の方が、立場が上に見られがちです。
このように、物事を成し遂げていく過程で努力している人よりも、そのことを批評する人の方がともすれば格好良く見え、また強い影響力を持ってしまう風潮、これは個々の職場などおよそさまざまな組織で起こりうる不健全な事態でありますが、先ほど述べたマスコミなどの影響があってか、今や社会全体に広がりつつあると言えるでしょう。
そしてまた、この批評というものは、ともすれば非常にもっともらしく聞こえるものです。すると、批評された側は萎縮(いしゅく)して新しいことにチャレンジ出来なくなり、いつしか自分たちも批評家になり、何かにつけ問題点をあげつつ、また自分に対する批評に一喜一憂するだけになってしまいます。これでは、人々の仕事への本当のやりがいや、人生の本当の生きがいは生まれてきません。当たり前のことですが、批評家だけでは世の中は進みません。
私が、仕事に「魂」を込めると申し上げたのは、まさにこのような不健全な事態に陥らずに、仕事にやりがい、人生に生きがいを持てる職場をみんなでつくりたいと思うからにほかなりません。だれもがいとも簡単に「批評家」になれる現代の風潮は、それが全ての原因とまでは言いませんが、明らかに社会の閉塞感(へいそくかん)に拍車をかけています。これを打開するのは、仕事や人生に真正面から向き合う一人ひとりの姿勢しかないと私は考えます。
さて、みなさんの職場や仕事はどうでしょうか。つらく苦しい場面も多々あると思います。ですが、それが本当に市民全体のため、世のため後のために必要であると信ずるのであれば、ぜひ頑張っていきましょう。一方、もはや必要ないものであれば、やめる決断もあってしかるべきでしょう。いずれにしても、その仕事は何のために必要かしっかりと詰めて、胸を張って自分の仕事を説明できるよう仕事の意義を押さえていただきたいのです。また、自分自身に納得できるまで仕事への取り組みに工夫し、そして仕事を自分のものにしていただきたいのです。大切なのは、やはり私たち一人ひとりが、仕事を通じて自分自身の幸せをつかめるかどうか、自分を高めることができるかどうかであります。以上のようなことをまとめて、仕事に「魂」を込めていただきたいと表現したのであります。
自分の事はさておき、他人を批評・批判したいという人間のマイナス面を、今の情報化社会は非常に増長させる力があることに注意し、そのことにまどわされないように、我々はぜひとも仕事に 「魂」を込めて、励ましあって自分自身の仕事へのやりがいや人生の生きがいにつなげてまいりましょう。私たちが仕事にやりがいを得たとき、結果としてそれが本庄市の発展につながると確信します。
最後になりますが、職員のみなさん、またご家族のみなさんの病気やけがの報告は、私にとってつらいものがあります。まずは体を大切にされ、ご家族共々健康第一で1年間頑張ってください。
以上で年度当初の訓示といたします。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。

注釈:今月の「市長の月いちメッセージ」は、平成22年4月2日に行われた「市長訓示」となります。

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