「防災の日に思う」(平成23年9月分)

更新日:2020年10月01日

おはようございます。9月1日、今月の月いちメッセージをお送りします。
今日は東日本大震災発生以来、初めての防災の日です。台風12号による影響で、昨日から大雨となっており、すでに床上浸水、床下浸水等の被害が報告されています。昨晩から警戒に当たっている、また今朝早くから土のう積みなどに対処していただいているみなさんお疲れ様です。
さて「天災は忘れたころにやってくる」、という格言がありますが、近年の日本列島を見ていると、「天災は忘れないうちにやってくる」というのが実態ではないかと思います。
地震学者によれば、戦後の高度成長期と重なった地震の静穏期はすでに過ぎ去り、阪神大震災前後より、日本列島は地震の活動期に入っているとのことです。特に東日本大震災では列島全体の地殻がゆがみ、今後いつどこで大地震が起きてもおかしくないと言われています。我々は厳しい時代への覚悟を持たなければなりません。本庄市は昔から災害が少ないといわれてきましたが、それはあくまでこれまでの話です。自分のところは大丈夫という甘い考えを捨てて、震災への警戒と備えを一層図っていくべきでしょう。
本庄市における地震への備えは、当地域で起きる地震に対してばかりでなく、迫りくる首都直下型の地震などが起きた場合、何が起こるかという想定も必要です。現に先の大震災では新幹線をはじめ鉄道がストップし、多くの帰宅困難者への対応に追われました。
そして、災害は地震ばかりではありません。風水害は毎年のように列島各地で起こり、多くの人命を奪っていきます。私は以前、本庄市出身の気象予報士の大野治夫さんと対談しましたが、大野さんの話では、九州四国方面から偏西風に乗ってやってくる台風の場合、本庄市ではさほどの被害は起きない傾向のようです。しかし、小笠原、伊豆諸島方面の南方海上から太平洋を北上して東海、関東を直撃する台風の場合、本庄市では東または南からの風が大雨をもたらし、中でも北上する台風の中心より東側にいる場合は、大雨が長く続くため土砂災害や浸水が発生する場合が多いので注意が必要だそうです。
かつて昭和57年の台風18号がまさにそれで、当時本州各地に大きな被害をもたらしたこの台風によって、児玉町では死者が出て、本庄市でも小山川が決壊して浸水被害が発生しています。最近では平成19年の台風9号も、南方海上から関東を直撃。この時は児玉町太駄で土砂災害が起きたことは記憶に新しいところです。
そして今、近づいている台風12号もその傾向の台風です。今後とも厳重な警戒に当たっていただきたくお願いします。
さて、今回の東日本大震災では、被害の巨大さはもちろん、原発事故で今なお多くの方々が苦しんでおられます。そのような過酷な状況下にあって、唯一の救いは、被災者の身の上を思う国民の善意、そして被災者同士の助け合い、さらに自衛隊をはじめとする関係機関の身を挺しての活動、これら日本人の絆の深さや秩序を守る礼儀正しさ、犠牲的精神というものを改めて国民等しく認識できたことであると思います。
東北のある農家では、中国からの研修生をまず逃がして、ご自身が津波の犠牲になられた方がおられると聞きました。大変残念なことであると同時に、心から頭の下がる思いです。
88年前の関東大震災の際の朝鮮人殺害事件では、本庄でも数多くの人々が犠牲となり、今日は慰霊法要が行われます。あの忌まわしい事件を未来への教訓にすべきと私は常々感じておりましたが、東日本大震災においては日本人と外国人とのトラブルや迫害といった事件は幸い皆無だったようです。今後とも震災等による社会混乱に乗じた暴力・殺人などの犯罪の発生は、これを絶対許してはなりません。
最後に、本庄市はこれからも学校など公共施設の耐震化を進め、災害時要援護者避難支援制度の推進や防災計画の更なる充実を図っていきます。また広域消防においても、新しい本部の建設に向けて準備が進んでおり、さらに本庄上里学校給食センターでは、有事の際の米飯の炊き出しについて、地元との訓練の実施も含めて体制づくりを行っています。
今後とも市民のみなさんと共に災害への警戒を怠りなく、私たちもより一層防災意識を高めていきましょう。

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