「平成23年度のスタートにあたっての訓示」(平成23年4月分)

更新日:2020年10月01日

市長訓示

平成23年度の開始にあたり、市長訓示を行います。
戦後未曾有の大災害となった東日本大震災は、現在もなお原発事故や大規模余震の恐れなど予断を許さない状態にあります。改めて犠牲となられた方々への哀悼の誠と、被災された皆さまへ心からのお見舞いを申し上げます。
被災地には、津波によって行政の機能がほとんど失われてしまった自治体も、あるいは原発事故により町ごと移転を余儀なくされた自治体もあります。
関係機関による懸命の活動、決死の復旧作業が続けられる中、被災地の役所役場の職員は、自分の肉親や同僚を失った無念の思いを抱きながら、今まさに苦しんでいる被災者のために、そして愛する郷土の復興のために、それこそ不眠不休で頑張っています。
私たちは同じ地方自治体の職員として、彼らに改めて深い尊敬の念を捧げたいと思います。
本庄市においても3月11日以来、市役所あげて、被害状況の調査や施設の復旧、帰宅困難者への対応、計画停電対策、避難してこられた方への支援、義援金・救援物資の受け入れ、そして放射能問題への対策など、年度替わりの中、次々に押し寄せるさまざまな課題に組織として取り組んできました。
その都度変わる情報について、市としての方針をそれぞれの部署あるいは対策本部においてまとめ、電話あるいは窓口で、次々に寄せられるさまざまな問い合わせに応対しつつ、市民への適切な情報提供に努めてきたところです。
これまでの市役所の対応を、感謝して下さる方はいらっしゃいます。ある市民の方から先日「停電が不安で市役所に電話したところ、色々丁寧に教えてくれて助かりました」というお声をいただきました。
やはり市役所は市民から頼りにされているのだと実感しました。震災当初の帰宅困難者への対応については、先般JR東日本高崎支社長から感謝状をいただきました。
また、市役所で一晩明かした方々から1万円札やお菓子付きのお礼のお手紙も頂戴しました。さらに避難者支援についても、ある方から市のきめ細かい対応に感謝しますとのお話もいただきました。
市民の皆さま、また市内企業・団体のご協力で、義援金や救援物資も大変集まっておりますが、職員のみなさんが率先垂範して募金をしたことも良かったと思います。
今後とも、本当に支援が必要な方、対応が必要な状況に対して、本庄市として身の丈にあった、やるべきことをキチンとしていくことが大事だと思います。
さて、この大震災は福島第一原発の事故がまだ現在進行形であり、先の見通しが立っておりません。余震もまだどのようなものが来るか分かりません。まさに私たちは、不確実な、危機の時を迎えていると言えるでしょう。
しかし一方で、震災に遭ってなお、また非常に困難な原発事故の現場にあってなお、そこに今ある厳しい現実と格闘しながら、懸命に努力している人々の力強い姿を、私たちは見ています。
冒頭にも申しましたが、過酷な被災地にあって、自衛隊などの関係機関と共に、地元の行政職員も黙々と頑張っています。日本はやはり全国大小津々浦々に、真面目な行政職員がいるし、いなければ国が持たない、と思います。コツコツと、しかし雄々しく、彼らは今、厳しい環境に耐える覚悟と、自らの道を拓く意志を磨きつつ、頑張っています。彼らの姿に、私たちも頑張らねばという気持ちがわいてきます。
現在進行形のこの大災害。この先まだ何が起こるか分からない状況です。このような中、惰性でなく、自分たちは何をなすべきか。置かれた環境に耐える覚悟と自ら仕事に取り組む意志を持った組織は強いと思います。
改めて新年度のスタートにあたり、本日只今私たちは、市役所全体にリセットをかけるつもりで、原点に返って仕事をしていくことを誓いたいと思います。私たちがなすべきことを黙々としっかりやって行くことから、この危機の中にあっても、新しい社会・時代の胎動は始まる、そう私は確信します。
最後に、新年度にあたり、心と体の健康には一人一人が充分気を付けてください。お互い励ましあい、心と心を通わせ、時に厳しく、時に思いやりを持って、本庄市のために頑張りましょう。以上で私の新年度スタートにあたっての訓示とします。

注釈:今月の「市長の月いちメッセージ」は、平成23年4月4日に行われた「市長訓示」となります。

この記事に関するお問い合わせ先

企画財政部秘書課秘書係
〒367-8501
埼玉県本庄市本庄3丁目5番3号
電話:0495-25-1154
ファックス:0495-21-8499
メールでのお問い合わせはこちら