「外国人地方参政権についての所感」(平成23年2月分)

更新日:2020年10月01日

おはようございます。2月1日になりました。今月の月いちメッセージをお送りします。
今日は、近年論議されている外国人地方参政権のことについて、私が感じていることをお話します。
まず、話の導入はサッカーの話題から始めます。土曜日の深夜から日曜日の未明にかけてテレビの前にくぎ付けになった人も多いと思います。今回のサッカーアジアカップでの日本チームの戦いには心から拍手を送りたいです。今大会の全試合を通じてチーム全体にみなぎっていた、最後まであきらめない姿勢と団結力、決勝戦はその集大成であったといえるでしょう。
さて、その決勝戦において、オーストラリア勢のパワーに終始押され気味の中で、一瞬のチャンス、まさに時をつかんだ長友選手からの左クロスを、これまた時をわしづかみにして左足ボレーシュートで決めた李忠成選手。彼は在日韓国人4世として生まれ、平成19年に日本国籍を取得して帰化しました。スポーツの世界には数多くの外国系の帰化選手が存在します。サッカー、野球、大相撲、彼らの活躍が日本のスポーツ界を大いに盛り上げ、ひいては日本を元気にしていることは間違いありません。
日本に帰化した彼らの来歴を調べてみると、それぞれ自分の親や先祖のルーツを背負いつつ、さまざまな葛藤を経て、日本を自らの国として選択し、がんばってきたことがわかります。彼らに共通する点は、あえて日本国籍を選んだことへの覚悟を持っていることです。李忠成選手の場合も、国籍については大変な葛藤の末、自分をよりいかしていける日本という国を背負う選択をしたことを私は知りました。彼は在日韓国系の民族文化への誇りを胸に抱きつつ、日の丸に敬意を払い、君が代を歌い、日本を背負って世界の舞台で戦ったのです。彼らの姿勢は私たちに、人は自分を取り巻くさまざまな制約がある中、あえて自ら、あるポジションを選択する、背負うことで覚悟を持ち、その覚悟がその人を大きくするのだということを教えてくれます。
さて、いま我が国のいくつかの地方自治体では、外国人の地方参政権が議論されています。さまざまな考えがあることは承知しておりますが、私としては国であれ地方であれ、特に参政権という政治の意思決定に携わるのであれば、やはり日本国籍を取得してから参加してもらうのが妥当であると考えます。
この考え方は、多文化共生社会や外国人が外国籍のまま日本に住み続けることを否定するものでは決してありません。現に本庄市にも多くの外国籍の人が住んでいますし、共に住む隣人として、そういった人たちがコミュニケーションなどの面に不自由しないよう、また、我々も彼らへの理解を深め、地域社会の中でパートナーとしてくらしていけるよう、本庄市国際交流協会ではさまざまな事業を推進しておりますし、今後もより一層取り組んでいく必要があると考えています。
外国人地方参政権付与についての課題は、むしろ日本人の側にあると私は思います。自分が日本国籍を持っているのであれば、そこには本来、日本人として日本を良くすることに覚悟を持つこと。まさに参政権とはその覚悟を共にしてこそ行使できるものという見識がなければいけないのではないか、これが私の考えです。
ですから私は、もし、参政権を取得したい外国人がいるとするならば、「私たちと一緒に日本を、そして地域社会を背負うために、ぜひ日本国籍を取得して欲しい、あなたが誇りとするあなたのルーツから生まれる力を、これからの日本の国づくり地域づくりにいかしつつ、共に日の丸を背負い、君が代を歌って欲しい」と誠意をもって申し上げようと思っています。
今回の日本代表の優勝と、最大のチャンスを、時をつかんだ李忠成という帰化選手のことを思いつつ、外国人参政権についての私の所感をみなさんにお話しさせていただきました。
最後に、今申し上げた、我が国の芯を大事にしながら、日本を、地域を、さらには自分の置かれたポジション、制約を、あえて自分の選択として背負うという覚悟を私たちが持つこと。これは閉塞感ただよう今の日本社会の再生にもぜひとも必要ではないかということも付け加えさせていただき、今月の月いちメッセージを終了いたします。インフルエンザも流行しています。お互い体に気をつけてがんばりましょう。

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