「笑う埴輪パリへ行く」(平成24年10月分)

更新日:2020年10月01日

みなさんおはようございます。10月1日の月いちメッセージをお送りします。
今私は、青木市議会議長、茂木教育長、高橋市議、小林市議、堀口市議と共に、成田空港に向かっています。そして、本日11時にフランスに向け出発します。
すでにみなさんご存じのとおり、「はにぽん」のモデルになった、市内小島の「前の山古墳」で発掘・復原された市の指定文化財「笑う盾持人物埴輪」3体が、パリで開催される美術展に出展されます。
この美術展は、題名を「笑いの日本美術史~縄文から19世紀まで~」といい、エッフェル塔近くのセーヌ川のほとりにある、「パリ日本文化会館」の開館15周年を記念して、10月3日から12月15日まで開催されるものです。10月2日夜に行われる内覧会とレセプションに、私たちも出席する予定です。
パリ日本文化会館は、文化交流事業によって日本に対する諸外国の理解を深めることを目的に活動している独立行政法人「国際交流基金」が運営しており、日本の海外における最も大きな文化交流施設、情報発信拠点です。
今回の美術展の趣旨について、以下、パリ日本文化会館ホームページの文章を要約すると、『海外における日本の古美術のイメージは、「わび」「さび」や禅的な精神性をおびたもの、また琳派や浮世絵のような現代にも通じるグラフィカルなものに代表され、「笑い」の要素を見出すのは難しいと思われがちである。
しかし意外にも、古来より欧米や他のアジア地域とは違った「ユーモア」や「笑い」の文化が日本にはある。今回の美術展は、縄文時代から幕末・明治までの長い日本美術の歴史の中から、「笑い」というキーワードで作品を選択し、これまであまり知られることがなかった日本美術の新たな側面を検証する。
この美術展は2007年に東京の森美術館で開催され、好評を得た「日本美術が笑う」展を再構築したもので、展示作品の4分の3はフランス向けに新たにセレクトされ、日本国内においても展示されたことがない、新発見作品も多数含まれる。
縄文時代から明治時代までの日本美術における「笑い」を、土偶や埴輪、お伽草子などの絵巻物、庶民的な大津絵や浮世絵、禅画、円空や木喰の仏像など約100点で構成する。』ということだそうです。
さて、本庄市から出展される3体の「笑う盾持ち人物埴輪」は、そもそも埴輪はたいていが無表情なのですが、これらは珍しく大笑いしており、しかも3体とも高さが110センチメートル以上もある大きなものです。私も歴史民俗資料館で何度も見ていますが、1400年の時を超えた笑う表情は見る人を引き込む不思議な魅力をたたえています。
先日、この埴輪が梱包され出発する際、今回の美術展でキュレーターを務める、森美術館学芸部シニアコンサルタントの広瀬麻美さんから、笑いとは、人の心を豊かにし、多様な文化の共生をより容易にするツールであること、展示作品100点の中で本庄市からの3体は、その迫力から言ってもメインの展示になること、古代からこれほど多くの笑いをモチーフにした美術品が現存する国は世界中見渡しても日本くらいであり、そのことを発信することは非常に大きな意義があること、などのお話をいただきました。
広瀬さんがパネラーとして参加するフランス人向けの開幕記念シンポジウムにも私は参加する予定です。日本文化の素晴らしい一面を世界に向けて発信する最前線に参加できることを今から楽しみにしています。
今回の件では、文化財保護課、企画課、商工課をはじめ多くの職員にさまざまな面で大変ご尽力いただきました。特に埴輪については、平成10年からの調査、発掘、復原そして保存、展示と内外への情報発信など、現在に至るまで約15年間にわたり数多くの方々のご苦労がありました。
関係された方々に心から感謝しながら、これから1週間、世界に向けて、「笑う埴輪」と「はにぽん」について、同行のみなさんと共にPRしてまいります。

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