「"環境共生都市本庄"の実現を」(平成24年5月分)

更新日:2020年10月01日

おはようございます。5月1日、今月の月いちメッセージをお送りします。
私は今日これから県庁に向かい、「埼玉エコタウンプロジェクト」の選定についての記者発表に出席します。すでに新聞において本市が内定したことが報道されていますので、これまでの経緯については省き、今回の選定を踏まえ、今後の本市の展望について的を絞ってみなさんにお話しします。
まず、本庄市環境宣言に基づく、従来からの行政と市民、事業者のさまざまな取り組みについては、今回の選定を受けたことで、今後の推進により一層の弾みがついたと考えます。環境共生都市本庄の実現を目指して全庁的に力を尽くしていきましょう。
そして今日は特に、今回の選定において中核的エリアと位置付けている本庄早稲田の杜地区における、スマートエネルギータウン構想とその具現化についてお話しします。
スマートエネルギータウン構想とは何か。これはエネルギーの需要と供給に関して、経済性と環境への配慮の両立を図りながら、その効率を最大限に追求していくまちづくり、という定義でよいと思います。もっと言えば、環境に配慮したさまざまなエネルギー源を効率よくいかし、電力や熱を経済的かつ安定的に供給すること。そして、余った電力や熱などを効率よく回収し、再び使用する仕組みを地域社会で実現しようという大きなチャレンジが、スマートエネルギータウン構想とその具現化であると私は解釈しています。
環境に配慮したエネルギー供給というと、我が国においては従来CO2の排出削減が大きなテーマでしたが、3月11日の震災以降、CO2削減を原子力発電によって実現するという思想は行き詰まってしまいました。私は今ここで脱原発や原発存続の論争をしようとは思いませんが、少なくとも理想を言えば、安定した電力の供給がなされることと、リスクの大きなエネルギー源に頼らなくてもすむこと、その両立はどうしたらできるかというのが、将来の日本のために探求すべき大きなテーマであると考えます。
先日、早稲田大学と財団法人本庄国際リサーチパーク研究推進機構が企業と連携して行っている「分散電源システム」の実証実験を見てきました。なお実験施設の土地は市が提供しています。これは環境省の予算で行っているもので、自然災害のリスクが格段に高くなっている日本社会の現状を踏まえて、従来の大規模電力会社からのエネルギー供給だけに頼らず、太陽光や太陽熱、ガスなどのさまざまなエネルギー源を確保し、それらを住宅や店舗・事業所などへ、どうすれば効率よく安定的に供給することが可能か、という実験です。そしてその結果に基づき、地域社会に安定的に低廉なエネルギーをどう供給するか、そのシステムも含めて研究するというものです。まさにスマートエネルギータウン構想の実現に向けての第一歩の実験と言えるでしょう。
実験を見学し、3月11日の震災以降の日本の根本的な課題である、エネルギーを取り巻く状況の行き詰まりを何とか打開したいという熱い思いが、この実験の背景にあることを実感しました。ただし、その理想を実現するには、さまざまな実証実験の積み重ねという、大変地道な作業が必要でしょう。おそらく試行錯誤の連続で、簡単に華々しい成果が出せると言うものではないと思います。しかしトライすることの意義は大いにあると思いました。
今回の埼玉県からのエコタウン選定を追い風として、本庄早稲田の杜地区で現に始まっているこのような実証実験に成果が出せるよう、そして地域社会への応用ができるよう、産官学地域が共に努力すべきだと思います。県の支援にも期待したいと思います。
以上、中核的エリアである本庄早稲田の杜地区におけるスマートエネルギータウン構想の展望について述べましたが、あくまで今回のエコタウン選定は本庄市全域にわたるものです。エコ交通システムやエコ防災機能整備、そして冒頭に述べた、市として従来から取り組んできた河川の環境保全や環境保全型農業の展開など、さまざまな環境に配慮した事業の推進においても、今回の選定を追い風であると受け止め、経済効率性と環境への配慮という難しいテーマの両立に、今後も全庁挙げて取り組み、環境共生都市本庄の実現をみんなで目指していきましょう。以上で月いちメッセージを終了いたします。

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