「橋下市長と大阪維新の会、高支持率の背景を考える」(平成24年3月分)

更新日:2020年10月01日

 おはようございます。3月1日となりました。今月の月いちメッセージをお送りします。あの悲惨な大震災からあと10日で1年になります。11日は市としての追悼行事は行いませんが、私はその日、宮本町にあるCafe NINOKURAで宮武由衣監督を迎えて行われる映画鑑賞会に参加し、震災の起きた午後2時46分に、参加者全員で黙とうを捧げる予定です。ぜひみなさんも、11日の午後2時46分には黙とうを捧げていただきたくお願いします。
さて、今月の話に移ります。このところさまざまな会合で「吉田市長は大阪の橋下市長についてどう思うか」と聞かれます。大阪市と本庄市とでは自治体の規模は比較になりませんが、同じ首長同士ということで私が橋下市長をどう見ているか興味があるのでしょう。
そのような方に私は、「私も注目して見ております」とだけ答えています。マスコミを賑わしている橋下市長と大阪維新の会ですが、まだまだ未知数の部分が多いと感じます。もっとも、ここ20年くらいの日本の政治状況についての私の感想を言えば、「改革」、「何々を変える」という言葉だけがあまりにも先に立ち、日本が、我々が、本来「守るべきものは何か」、という視点が抜けているように思えてなりません。ともあれ、現時点で橋下市長及び大阪維新の会については、良いとか悪いとか、私自身の価値判断まで含めたコメントは出来ない、というのが正直なところです。
しかしいずれにしてもこの動きは、今の日本の政治についての世間の話題の中心です。世論調査などで大阪市民はもとより、多くの国民が橋下市長や大阪維新の会を支持しているのを見ると、本庄市の行政を担う私たちとしても、その実像はともかく、このブームの背景にある「世論」が何を求めているのかを考えることは必要であると感じます。
それは一言で言えば時代の閉塞感の打破であり、日本社会において作られてしまった既得権もしくは既得権のように見えるものを打破することへの期待であろうと私は思います。公務員や教員の世界に競争原理を取り入れるということは、その期待に応えようとするシンボル的な公約なのでしょう。
3月11日の震災以降、被災地においては自衛隊や警察消防また自治体職員など、公の職に就く人々の高い職業倫理がいかんなく発揮され、国民の公務員に対する見方は大きく好転しました。これは素晴らしいことです。
しかし残念ながら一方で、公務員にあるまじき行為も全国的に散見されます。地位を利用した犯罪など、露見すれば職を失い世間から叩かれる悪事ばかりではありません。全体の奉仕者として献身的に働く立場にあるからこそ、身分や給料が保障されているにもかかわらず、その制度にあぐらをかき、制度を逆手にとって悪用する嘆かわしい者もいます。心ある公務員は嘆いていると思います。
大阪市の実態がどうであるか私にも本当のところは分かりませんが、少なくとも本庄市においては、市役所は市民の信頼に足る組織としてこれまでも頑張ってきたし、これからもより一層そうでなければならないと思います。また組織の中にあっても、まじめに一生懸命仕事をしているみなさんの足をひっぱるような者を出さないよう、信賞必罰、制度的な面も含めて一定の緊張感ある、そして頑張る人が報われる職場を今後とも構築して行かなければならないと考えます。
橋下改革という表層の出来事より、むしろその背景にあるものを地方行政に携わる我々は敏感に感じ取り、各々が自ら、仕事に魂を込めて、時を意識ししなやかで勁(つよ)く、期待される職員を目指して頑張って行きましょう。以上で今月の月いちメッセージを終わります。本年度もあと1か月。私も気を引き締めて行きますので、みなさんも頑張ってまいりましょう。

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