「被災地支援から学ぶこと」(平成24年2月分)

更新日:2020年10月01日

おはようございます。2月1日、暦の上ではあと少しで立春ですが、今年は寒気が居座り非常に寒い日が続いています。みなさん風邪など引かないよう、体調には十分気を付けてください。それでは今月の月いちメッセージをお届けします。
先日、ある決裁が私の所に回ってきました。それは昨年の9月1日から12月28日まで、2週間ごとに1人ずつ、加須市の旧騎西高校にある福島県双葉町埼玉支所に派遣された本庄市役所職員9名の復命書の決裁でした。復命書と共に感想文も添付されていましたので、読ませてもらいました。
まずは2週間ずつ4か月にわたって双葉町に赴いた9名のみなさん、お疲れ様でした。それぞれの感想文を読み、みなさんがどのような仕事に従事してきたのか、よく分かりました。
旧騎西高校には一番多いときには1400人もの町民が避難していたそうで、現在でも500人ほどの方々がおられるようですが、そういった方々のために全国から数多くのボランティア団体が、支援物資の提供や炊き出しはもちろん、避難されている方々の心を少しでも慰めようと、さまざまなイベントを開催するために慰問に訪れています。コンサートや演劇、映画鑑賞、ヘアカットや美容、マッサージ、書道や絵画、またスポーツ教室など、イベントの内容は実に多種多彩です。本庄市からもつみっこの炊き出しや「JAZZ 爺 MEN」の上映、オカリナの演奏などのボランティア活動が行われ、私もこれまで2回ほど訪問しています。
本庄市から派遣された9名の職員の仕事は、このように全国からやってくるボランティア団体の受け入れ業務でした。受け入れ業務と言っても、まず電話での申し込みの受付から始まり、日程調整、会場の手配、実施が決定したイベントの住民のみなさんへの周知、当日のボランティア団体への対応、参加者呼びかけの放送、イベント実施状況の確認、そしてボランティア団体が帰った後の御礼状の送付確認まで、双葉町の担当者の下での仕事とはいえ、多岐にわたる仕事内容だったと思います。
みなさんの感想を読んで印象深かったことをかいつまんで話します。避難されている方々が意外と明るく笑顔だったこと。しかしその笑顔の陰には、故郷を離れ、望郷の念やみがたい中に、もう帰郷はできないとあきらめている方も多く、みな大変な悲しみを背負っているということ。慰問に訪れるボランティア団体の方は、みなさん善意で来られていること。ただごく一部、自分の演技を披露したいだけ、あるいは自分の実績づくりのために申し込んでくるような人もいること。また同じ日に3つも4つものイベントが重なり、住民の方も食傷気味になるときもあるとのこと。ただ、1人でもそういうイベントを必要としている人がいれば、それは主催者の厚意にすがっても良いのではないか、ということ。さまざまな支援をしてもらえるのは有り難いが、このままでは住民が自立できなくなるのではと危惧をいだく職員の方の声もあったということ、などの意見がありました。
このような体験を通じて、短期的な視点だけでなく、長期的な視点で何が必要かを考えることが、全ての業務遂行に必要な姿勢であることを学べたという意見もありました。まさにそのとおりであると読んでいた私も感じた次第です。
あの大震災からあと40日で1年になります。震災直後から全ての職員がさまざまな形で被災地支援のために頑張ってくれました。支援物資の搬送や浦安市での家屋調査などでも苦労をしてくれました。新年度から被災地での仕事を志願した職員もいます。頑張ってもらいたいと思います。今後とも被災地また被災された方々が、真に自立に向かって頑張っていけるよう、私たち1人ひとりまた本庄市、本庄市役所として出来ることを考え、さまざまな支援を継続していきたいと思います。
最後に、貴重な体験をした9名のみなさんの労を改めてねぎらい、ぜひその体験をこれからの仕事に生かしていただきたくお願いし、本日の月いちメッセージを終わります。ご苦労様でした。

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