「ピンチの中にチャンスあり」(平成25年3月分)

更新日:2020年10月01日

おはようございます。3月1日、月いちメッセージをお送りします。今日は本庄市の人口減少について話します。このテーマは以前も取り上げましたが、改めて問題提起し、本市が直面する厳しい現実について共に考えてみたいと思います。
合併後8万2千人台を維持していた本市の人口は、平成21年から減少傾向となり、平成22年1月時点で8万1,974人、3年後の今年1月時点では8万161人となりました。単純に比較しただけでも実に1,813人が減少しています。
高齢化と少子化が進めば当然死亡する人が生まれる子より多く、国全体の人口は自然減となり、その傾向から言って本市の人口減少もやむを得ないという意見があります。また、人口減は外国人が転出しているからだ、あるいは本市周辺の自治体も同じように減っている「だろう」から、仕方ないのでは、という声も聞こえます。
では現実はどうでしょうか。平成22、23、24年の3年間で本市の人口の自然減はマイナス752人、一方転出が転入を上回る人口の社会減もマイナス743人となっています。社会減の内訳は外国人がマイナス417人、日本人がマイナス326人です。巷間(こうかん)言われるように、自然減だけではない、また外国人だけが転出しているのではないことが分かります。
本市の場合、特に著しいのは20歳から35歳未満の若年層の減少です。特に30歳から34歳までの人口の推移を見ると、平成20年4月時点の5,893人が平成24年4月時点では4,911人、4年間で実に17%近くも減っているのです。
近隣自治体を見ると、平成22年1月から平成25年1月までの住民基本台帳の統計では、深谷市がマイナス1,244人。熊谷市がマイナス2,653人。上里町がマイナス174人。人口の規模で考えると本庄市の減少率は顕著です。一方伊勢崎市は逆にプラス339人と増加しています。ちなみに伊勢崎市は将来にわたって若年層の維持が出来るとの予測もされています。
こうして見ると、日本の人口全体が減るのだから、とか、周辺も人口減少しているだろうから、では済まされない、厳しい現実を本庄市は突き付けられていると言えます。結果は結果です。本市は近年社会減も含め人口減少が顕著であり、特に若い世代に選ばれていない、我々はこの事実に目を背けず危機感を持つべきでしょう。
しかし、危機感は持ちつつも悲観的になることはありません。周辺地域全体の人口減少が起きているのではなく、本市の交通拠点を利用する人の多い隣接自治体に、人口増加また若年層人口の維持の傾向があるのであれば、本市も何か手が打てるはずです。我々は今こそ戦略を考え、出来るところから行動すべきでしょう。実際に今般本市では、特に子育て世代などの定住化を少しでも促すため、1,500万円の予算を議会に上程しました。これはスタートであり、今後ともより良い定住促進の事業を工夫し実施して行くことが必要だと思います。
  今年度、本市では各種計画が策定、また現在策定中です。総合振興計画の後期基本計画、エコタウン基本計画・実施計画、都市計画マスタープラン、地域防災計画、地域福祉計画など。最新の動きとしては、空き家等対策条例制定に向けたパブリックコメントがスタートしました。新年度は子ども子育て支援事業計画の策定作業が始まります。
 このような計画を推進するにあたっても、改めて本市の人口の維持、定住化という視点をしっかり持って臨み、本市ならではの強みを大いに活(い)かし、弱点をカバーもしくは逆手に取る形で、少なくとも人口の社会増を目指し、また、せっかく取り組むのであれば、将来に向けて出生率の上昇を図れるよう、現状の傾向をみんなで変えて行きたいと心から思うのです。当然市民のみなさんにもご協力をお願いすべきでしょう。少子化対策を国だけに任せるのではなく、例えば女性が働きながら子どもを産み育てることが出来る最良の環境を追求するなどのチャレンジを、自治体から「前へ」進めることも大切ではないかと思うのです。
 私は近隣自治体とは今後とも共存共栄で行くべきと思います。足の引っ張り合いをしようとは露ほども思っていません。そして、本庄市にはまだまだ工夫出来ることがあるのではないか。このことをみなさんに投げ掛けたいと思います。我々が一生懸命やっているまちづくりの政策の結果は、それを選びとり、次世代を背負ってくれる人々の数が将来にわたって維持できてこそ、です。
 ピンチの後にチャンスあり、ではなく、ピンチの中にチャンスあり。現在の人口減少の状況を危機として一人ひとりが受け止め、これまで策定してきた、また策定中の計画を推進しつつ、ぜひとも人口の維持と定住化の促進に向け、私も先頭に立って頑張るので、今後とも創意工夫とアクションを起こしていただきたい。このことを全職員にお願いし、私の平成24年度最後の月いちメッセージといたします。

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