年頭において訓示を行いました 「心して」(令和3年1月4日)

更新日:2021年01月04日

「心して」という文字が書かれた半紙を掲げる本庄市長

皆さん、あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。例年であれば6階大会議室において親しく皆さんの顔を見ながら新年のご挨拶をするところですが、本年はこのような形をとらせていただきます。

まず昨年一年間、新型コロナウイルス感染症拡大防止と、コロナ禍による社会的、経済的影響に真正面から向き合い、市民生活の安定のために取り組んできた皆さん、そして着実に本庄市行政の進展に取り組んできた全ての職員の皆さんのご尽力に、心から敬意を表し感謝します。昨年は一年の標語として「挑む」を掲げました。オリンピック・パラリンピックを念頭に置き選んだ言葉でしたが、図らずもコロナ禍に市役所一丸となって挑んだ年になったと思います。

さて年末年始も全国的にまた本市においても感染拡大の一途をたどっている新型コロナウイルス感染症。一昨日、首都圏の各知事は緊急事態宣言の発出を政府に要請しました。菅総理も検討に入る方向だそうで、今後どのような展開になるか目が離せません。本市においては年末12月27日の時点で31人の方が入院、療養中です。その後新たに陽性が確認された方もおられます。一日も早い快復をお祈りします。市内感染状況と政府、県の動向を注視しつつ、心して備えて参りましょう。

そして、このコロナ禍の本年の見通しですが、すでに欧米ではワクチン接種が始まりました。我々はこの動向を見据え、今後の我が国における接種事業開始に向け準備を加速させて行かねばなりません。副作用も心配され、ワクチン自体の有効性についても疑問の声があるところですが、もう少し時間が経てば、先行している欧米での、接種の治験が発表されるでしょう。仮に重大な副作用が少なく、インフルエンザワクチンと同様に受け止められるようになれば、今後の感染状況が深刻化すればするほど、国内世論は雪崩を打って「ワクチン接種を急いでやれ」という方向に大きく傾く可能性もあります。

改めて申すまでもなく、ワクチン接種事業は国の指示のもと、都道府県の協力により、市町村が実施する、となっています。現在、依然として接種事業のやり方、進め方は細部まで詰まっている訳ではなく、政府と日本医師会、都道府県と都道府県医師会そして基礎自治体と地元の医師会の、更なる協議が必要です。が、いずれにしても実施主体は市町村です。昨年の特別定額給付金の給付の際も市役所としてしっかり対応が出来ましたが、ぜひワクチン接種事業についても備えを万全に、心して臨んで参りたいと存じますので、関係する部署の皆さんは元より、全職員の理解と適宜適切な対応をよろしくお願いします。

さて、コロナ対策と同様、本庄市政の進展に向けた諸事業についても、着実に心して進めて行かねばなりません。このコロナ禍にあって、日本また世界は大きく翻弄されていますが、改めて我々は本市の有する、他地域に比較しての優位性を認識して良い、と感じます。広報ほんじょうの年頭挨拶にも掲載しましたが、本庄市の優位性は速さ、広さ、ゆとり、この三つに集約出来ると思います。高速交通網の結節点を有し、どこにでも手軽に行ける速さ、広大な空と大地のなかで大きな居住空間を手に入れやすいという広さ、その速さと広さに加え、豊富な食材や比較的少ない災害などから来る心の余裕、ゆとり、これらを実現出来る都市が本庄市だと思います。このような点をぜひ更に磨いて、少子化、高齢化の傾向が益々顕著になるなか、次の時代へ向けて、選ばれる、持続可能な地域社会づくり、新しい時代を先導する都市づくりを目指しましょう。

そして、そのための諸事業の推進に当たって、以下、特に心していただきたい点を申し上げます。まず最初に3つ。これは10月の放送でも申し上げました3点です。

1つ目、まさに今述べた優位性を活かし、本市の魅力づくりや、特に若年層の移住定住を促す施策を推進しましょう。2つ目、行政の業務また市民生活におけるデジタル化、ICT化をさらに促進させましょう。3つ目、コロナ禍のなかで今後の財政事情が不透明となるなか、入るを図り出ずるも図る、財政好転に向けた工夫をしましょう。以上の3つは、すでに昨年10月の月いちメッセージにおいて、下半期のスタートに当たって心がけて欲しい事として申し上げています。

加えて新たに心して欲しいことを3点申し上げます。まず、本年策定される新しい指針に基づき、市民や事業者と市行政との「協働」を、更に推進していきましょう。これが1つ目。2つ目は、将来を見据え様々な既存の制度や事業を、勇気を持って見直していくこと。そして最後に3つ目、諸事業を推進するに当たってはSDGsの理念に基づき、誰一人取り残さない、持続可能な社会、経済、環境の実現を目指す。以上、全部で6つの点に心していただき、新しい時代を先導する都市を目指して参りましょう。

そこでお待たせの、本年皆さんに大切にしていただきたい言葉、を申し上げます。それはすでに先ほどから何回か使っている「心して」という言葉です。「心」は普通のこころ、してはひらがなです。心して聞く、心して臨む、心しておく、など、様々に使われる言葉です。辞書を引くと「注意して」とか「気をつけて」と書いてありますが、最近のネット辞書では「充分に気を配って」という意味も加わっていました。気をつける、注意するという言葉は日常何気なく使われていますが、心して、という場合、注意することに加え、もう一段、相手や物事に対して気持ちを込めて、という意味が加わるように感じます。ネットでこの「心して」という言葉をリアルタイムで検索すると、多様な使い方をされています。昨年ブレイクした「鬼滅の刃」でも使われているか調べたところ、主人公の炭治郎に鬼退治の次の指令を告げる鎹烏(かすがいがらす)が、「竈門炭治郎、心してかかれ」と言っておりました。最近進化を遂げている古くて新しい言葉かも知れません。今年、コロナ禍と向き合いつつ、あせらずあわてずあきらめず、市政進展にみんなで取り組んで行く標語として、この「心して」を掲げて行きたいと思います。

最後になります。今年は塙保己一没後200周年の年です。保己一が生きた江戸の後期も天災や疫病の流行などさまざまな困難がありました。その困難に負けずに大事業を成し遂げた郷土の偉人の精神に学びたいと思います。また本年は渋沢栄一が大河ドラマに取り上げられ、荻野吟子の映画化も上映されています。埼玉県北が生んだ三偉人の生涯と精神に学びつつ、世のため後のため、新時代は自分たちが切り拓くとの意思を持って、諸事万端、心して取り組んで参りましょう。皆さんの一年のご健勝とご多幸を祈りつつ、年頭の挨拶と致します。本年一年間、どうぞよろしくお願いいたします。

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