新型コロナウイルスワクチンについて(令和3年2月分)

更新日:2021年02月01日

おはようございます。2月1日、今月の月いちメッセージをお送りします。本日付で新型コロナウイルスワクチン接種事業の準備担当を健康推進課に設置します。課内の職員6名と別の課の職員2人を合わせ8人体制でスタートすることになり、この後辞令を交付します。
新型コロナウイルスの感染拡大が始まって我が国でも1年。昨年末からの第三波はピークを過ぎた感があるものの本市でも依然状況は厳しいものがあります。今月7日まで埼玉県に出されている緊急事態宣言が、このまま終了するとも思えない状況です。そのようななか、世界各国ではワクチン接種が始まり、これから我が国でもスタートします。いつどのくらいの量のワクチンが来るのか状況は不透明で、それこそ政府には力を見せて欲しいところですが、今日は改めてこのワクチン接種について、私なりに考えたその意味、意義について、そもそも論を皆さんに語ってみたいと思います。
感染症は集団免疫によって終息に向かうと言われます。今回のウイルスのように1人の感染者が平均して2.5人に2次感染させる感染症の場合、理論上はその社会の60%の人が免疫を持てば集団免疫の状態になり、流行は終息すると計算されます。これまでファイザー社やモデルナ社の開発したワクチンは、新薬製造の最終段階の臨床試験、第3.相試験において発症率を95%程度減少させたと報道されました。こうしたことから今回のウイルスは国民の7割程度が接種すれば集団免疫が期待できるかも知れない、という計算になります。が、実際はそう単純な話ではありません。
ワクチンの効果には、1.発症、つまりその疾病の症状が身体に出ること、これを予防する効果、それから、2.重症化を予防する効果、そして、3.そもそもの感染自体を予防する効果、さらに、4.人にうつさない、つまり2次感染を予防する効果、の4つがあるとされますが、政府の発表によると、これまで製造されたワクチンについては発症予防効果や重症化予効果は認められるも、感染予防の効果や2次感染予防の効果はまだ分からないとされます。ですから例えば、発症はしないまでも、無症状で感染している人がたくさんいて、その人たちから2次感染が起きれば、集団免疫による感染終息という効果は期待出来ない、という意見もあります。またワクチンの効果がどのくらい続くのか、これもまだはっきりと分かっているわけではありません。一方、副反応への不安も多く、接種をためらう人も多いようです。
このように色々と分からないことも多いなか、しかし今回のワクチンは、新型コロナの症状である高熱や呼吸困難などの症状が出ないようになる、つまり発症を予防する、さらに発症しても重症化が起きにくくなる、ということは実証されつつあるわけで、これは大変大きな一歩です。
改めて首相官邸のホームページを見てみますと、今回のワクチンの接種目的として以下の記述があります。「接種の目的 新型コロナウイルス感染症の発症を予防し、死亡者や重症者の発生をできる限り減らし、結果として新型コロナウイルス感染症のまん延の防止を図る」。繰り返しますが、今回のワクチン接種事業で集団免疫や感染の終息が達成できるのかは、まだ不明です。それが現実です。しかしそういった不確実な状況でも、発症の予防や重症化予防に希望が見いだせるワクチンが出来たので、まずはそれを多くの国民に接種していただきたいということ、これが今回の接種事業の目的であることを、我々は押さえておきたいと思います。
当たり前ですが、やはり本当の安心を得られるには集団免疫によりこの感染が終息、終息は難しくとも、我々が現在のような危機感を持たなくても良いような状態に世界がなること、です。暑い夏にマスクをしたり、親しい人と会食さえ出来ない状態というのは人間社会にとって正常とは言えません。ワクチンが効果を発揮し、人々が重症化を免れながら集団免疫をへてウイルスが弱まり、単なる風邪と同じようになることを期待したいですが、しかしその理想状態に一足飛びには行けません。あくまで正常な社会に戻っていくための1つの段階として、まだまだ先行きは不透明であり不確実性はあるにしても、まずは発症を抑え、重症化を抑えることから始めよう、というのが、繰り返しますが、今回のワクチン接種の目的です。現在、例えば副反応などの安全性については、世界中の治験によって少しずつ不安も解消されつつあるかと感じますし、アナフィラキシーショックへの適切な対応も見えてきたと言われます。接種事業が進んで来れば、現在のPCR検査体制にともなう対処方法も変わって来ることが期待されます。我々としては先々を考え様々な疑問を政府関係機関に投げかけつつ、情報を共有し、一歩一歩事を進めて行くことが大切です。
これから始まるワクチン接種事業の体制づくりには、まだまだ大きな課題があります。調整しなければならないこともたくさんあります。しかし我々の本庄市においては、医師会のご協力とご尽力をいただきながら、我々が責任を持って進めなければなりません。なお本市では今も高齢者施設を中心に陽性確認が続いております。ワクチン接種体制の構築と合わせ、関係機関と連携し様々な措置を講じて行くことが必要です。今後ともぜひ皆さんにご理解とご協力を宜しくお願いし、以上で月いちメッセージとさせていただきます。

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