国道17号本庄道路 新たな神流川橋開通に思う(令和4年12月分)

更新日:2022年11月28日

皆さんおはようございます。12月1日、師走の月いちメッセージをお送りします。
明後日12月3日(土曜日)午後3時、国道17号本庄道路の新しい神流川橋が開通します。現在の橋は昭和9年の竣工以来、実に90年近く、埼玉と群馬を結ぶ動脈としてその役割を果たして来ました。我が国の道路橋梁工事及び維持管理保全の確かさに誇りを覚えつつ敬意を表したいと思います。
そして長年の懸案であった国道17号本庄道路の、初めての一部供用開始である新しい橋の竣工開通を、皆さんと共に心から喜びたいです。先日11月26日には、こだま青年会議所が多くの企業団体からの協賛金を元に、橋の竣工を祝う意義深い花火大会を開催しました。来る3日の開通式典で、私はすべての関係者へ心からの敬意と感謝を主にご挨拶する予定です。そこで今日は式典ではなかなか語れない、ここに至るまでの本庄道路のいくつかのエピソードそして私自身の思いを語らせていただきます。
東京から高崎までの近代以降の道路交通は、主として中山道を改良し、中山道に沿う形で新しい道路が建設整備されて来ました。本庄市においても現在の国道17号が戦後の高度成長期に開通。実は市内を通る17号についても、早くからバイパスは構想されていましたが、しかし昭和48年、関係地区から反対の陳情が当時の建設省に提出され、その後本庄市も現道拡幅陳情書を提出し、バイパスの構想は白紙となった、という経緯があります。
その後、市の政治的判断と関係地区の方針転換で、やはり本庄市内にもバイパスは必要、という声が大きくなったものの、もはや国は動かず、この間平成2年には深谷バイパスが、平成4年には深谷バイパスから国道50号までの上武道路が供用となる一方、本市を通る国道17号にはバイパスの計画はおろか構想すら無い、という状態が続いてきたのです。色々と理由はあったにせよ、一度反対し、その後やはり必要だと言っても「時すでに遅し」。これは一つの歴史的教訓だと私はとらえています。
当時からこの状態を何とか打開しようと、本庄市は周辺市町へ働きかけ、平成3年9月に当時の茂木市長を会長とする国道17号バイパス建設促進期成同盟会が発足。以来毎年国や県への陳情そして要望を繰り返し、本庄市議会においても特別委員会が発足し、市と共に要望活動を続けてきました。この間、バイパスが無いことによる様々な弊害を訴える中、ようやく国も動き出し、パブリックインボルブメントなどを経て、時の土屋知事から県の裏負担の明言をいただき、平成15年にやっと1期区間の事業化が決定しました。
しかし、その後も紆余曲折は続きます。私自身が合併後の市長に就任して1期目の平成20年、国の地方分権改革の中で、全国の国道を主要バイパス等を除いて都道府県へ移管しては、という議論が起こり、国道17号についても、国道として残すのは上武道路のみで、深谷バイパスも含めそれ以西の17号を県道とする、このような方向性について県知事の意見を求めるという事態が起きたのです。仮にこのような方向に進めば、本庄市にはバイパスができないのみならず、直轄国道までも外され、交通の要衝たる地位を失いかねない。市長として絶対にこれは阻止しなければならないと、私は当時国交省から来ていた田雜副市長に知恵を借りながら、何とか上田県知事に県移管NOと言ってもらうよう、あらゆる手段を取って欲しいと指示しました。
今でも思い出すのは、当時の職員の皆さんが上武道路と深谷バイパスの交通実態を調べ、深谷バイパスを通るトラックの比率や車両の台数は上武道路と変わらない、という調査結果を以て、深谷バイパス、ひいては本庄市の17号現道また建設予定の本庄道路は、長野方面と首都圏を結ぶ国土形成上重要な道路であると県へ報告できたことです。こうして上田知事は県道移管NOであると国へ明確に回答。その後、翌年の本庄道路都市計画決定に結びつけることができました。
やっと、と思いきや、その後、政権交代により道路事業にはまた逆風となりました。しかしだからこそ、本庄市として引き続き、周辺市町や議員の皆さまと共に、国や県に足しげく要望活動を行い、国会議員の先生方の力強い応援を得るとともに、裏負担を担う県知事のご理解ご支援、さらに近年では県議会の多くの先生方や地元の経済団体の皆さまの応援もいただき、着実に国の事業推進の機運を水面下で盛り上げて来たのです。そしてこの間、多くの国や県の職員の皆さまからも、陰に陽に応援をいただきました。
こうして平成25年、新しい神流川橋の着工となり、その後1期区間での用地買収と工事が始まり、本年には待望の2期区間も事業化決定、そしていよいよ明後日の橋の開通となった訳です。まことに感慨深いものがあります。これまで共に苦労してきた職員の皆さんはじめ、多くの方々の顔が目に浮かびます。また今も明後日に向けての最終の準備、担当の皆さんにはお疲れ様です。
もちろんまだ橋も暫定二車線で出来ただけで、道路については今後とも用地買収と工事を着実に進めねばならず、まだまだ遠い全線供用開始までの道のりです。そして新たな道は、ただ通すだけでなくそれを活かさねばなりません。
本庄市は交通の要衝、結節点として、はるか昔から道路や鉄道といった交通手段を活かし、産業振興はじめにぎわいのあるまちづくりをしてきたDNAを有しています。これまでの本庄児玉インター、本庄早稲田駅の建設然りです。現在市議会に上程中の総合振興計画の変更、インター周辺と整備予定の本庄道路周辺を新たな発展創出ゾーンとして位置づけたのも、まさに本市のDNAからです。今後の本庄駅北口周辺整備をはじめ、3つの駅周辺のそれぞれ特色を生かしたまちづくりも、また今議会に債務負担として上程した新たな産業団地用地の選定調査も、さらに先日記者発表した、農業振興と連携した道の駅構想のプロジェクトの始動も、同じDNAからです。
ローマは1日にして成らず、しかもその都度的確な判断を積み重ねていかなければ、ローマはできません。一歩一歩、今後とも本市のまちづくりを、国や県の支援を適切にいただきつつ、みんなで着実に進めて参りましょう。
以上で今月の月いちメッセージを終わります。あわただしい師走です。身体には充分気を付けて頑張って参りましょう。

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