新たなマスク着用方針の発表を受けて(令和5年3月1日)

更新日:2023年03月01日

皆さんおはようございます。3月1日、いよいよ年度末となりました。今月の月いちメッセージをお送りします。
さて、政府は来る3月13日以降、マスク着用について個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断にゆだねる、また5月8日をもって新型コロナ感染症を2類相当から5類感染症に見直す、との方針を発表しました。なお3月13日以降も、医療機関の受診時や高齢者施設への訪問、通勤ラッシュなど混雑した交通機関への乗車時、重症化リスクの高い方の行動などについては、引き続きマスク着用を推奨し、また事業者が感染対策上、利用者や従業員にマスクの着用を求めることも許容されるとし、それ以外の場面では、本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう配慮をお願いする、としています。
なお、子供のマスクについての方針ですが、マスクは子供の健やかな発育の妨げにならないようにとの見解は以前から示されていましたが、特に今後は、就学前の子供について2歳未満はマスク着用を推奨しない、2歳以上でもマスク着用を一律には推奨しないとされます。
色々と申しましたが、3月13日以降、おそらく我々の見ている景色が極端に大きく変わる、ということはなさそうです。例えば屋外であっても花粉症の季節ですし、マスクについてはコロナ感染予防というより花粉症対策や呼吸時の湿気を保ちたい、あるいはまだ寒いので着用したい、という方もいると思います。季節が温かくなってから、自然とマスクを外す人が増えてくるのではないでしょうか。
いずれにしても今回の方針は、マスクは飛沫感染を防ぐ一定の効果があるのだから、自分たちで主体的に、またお子さんの場合は大人が見て、必要とされる場面をそれぞれが自己判断しながら決めてください、ということでしょう。こういうと政府は無責任じゃないかとの声も聞こえてきそうですが、世の中の常識というものは、その時々の状況のなか、人々が試行錯誤しながら形作っていくものであり、その意味でマスクについての「個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断にゆだねる」という今回の方針は、コロナの重症化また致死率が減少傾向である以上、妥当と感じます。
日本社会は良くも悪くも空気で動くと言われております。極端な罰則などを設けずとも国民が相互に見合いながら秩序を保っています。これがなかなかくせもので、コロナ禍ではいわゆる自粛警察なる言葉も出てきました。また、このような状況を監視社会だと批判するメディアが、実はその監視社会の形成に大きな役割を果たしているのは皮肉なことです。
ただ、そうはいっても冷静に世界を見渡してみれば、むしろ日本よりはるかにすさまじい人間不信社会も存在しますし、政府の定めた罰則や、暴力的抑圧でコロナ禍における秩序を保っていた国もあります。マスクをとっくに外した欧米を礼賛する向きもありますが、米国であれ欧州であれ、日本より多くの犠牲を短期間に出しました。日本政府や社会のありようには多くの批判がありますが、他国に比べて極端な社会混乱を起こさずにコロナ禍をしのぎ、ソフトランディングさせようと多くの関係者が努力し、国民がそれに呼応してくれたことは、私は世界的にみても決して失敗ではない対処方法だったと考えております。もちろん様々な反省点はあろうと思いますし、今後、もっと質の悪い感染症がはやるかも知れず、そのための危機管理体制をさらに強化しなければなりません。悪かった点だけを見るのではなく、評価できる点も見て、次に備えて行く、そのための多くの教訓を今回のコロナ禍は残したと考えます。改めて、様々な立場でこのコロナ禍と格闘してきた全国の医療従事者や行政関係者、そして本庄市職員の皆さんに感謝いたします。
さて5月8日からの感染症類型5類への移行、これも単純な話ではありません。先日行われた本庄市児玉郡の救急医療対策協議会において、私は、コロナが疑われる発熱症状が出た際、今までと違って一般の病院、診療所が診てくれるようになるのですか、と質疑しました。保健所長からの回答として、政府からはまだそのあたりの明確な方針が出ている訳ではないとのこと。治療方法もまだ簡単ではないとのこと。また、そのようななかで各病院や診療所が、発熱している人を誰でも受け入れられるかと問われれば、例えば骨折で治療に行った方が病院でコロナをうつされてしまったら大変なことになる、だから大きな病院でも導線を分ける、診療所はまだ難しいという意見になるのでは、との回答をいただきました。
まことにやっかいな状況が続きますが、感染状況が落ち着いている局面では大いに社会経済活動を行い、一方感染拡大が起きている局面では、重症化の度合いを見定めながら予防しつつ生活を送る。正解や完璧というものはなく、臨機応変な判断が求められていると言えるでしょう。
さて年度末です。皆さんにはお疲れ様です。暗い時代ですが、明けない夜はありません。こういう時だからこそ、マニュアルだけに頼らず、地に足をつけて自ら考え行動する、そんな生き方を養う時間なんだと、プラスに考えて頑張って参りましょう。
以上で本年度最後の月いちメッセージといたします。

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