コミュニケーションで大切なこと(令和5年5月1日)

更新日:2023年05月01日

おはようございます。5月1日、今月の月いちメッセージをお送りします。
5月と聞いて、5月病という言葉がすぐに頭に思い浮かぶ方、疲れていませんか。新しい職場、新しい部署、また年度も替わり、慣れないことも多いでしょう。まだ連休は続きます。明後日から7日まで、大いにリフレッシュする、そしてゆっくり休んでください。
さて、今日は仕事を進める上でのコミュニケーションについて、私自身が大切にしたいと思っていることをお話しします。それはどんな相手、まあどう考えても理不尽な難癖を付けてくる人は例外として、それ以外のおよそどんな相手に対しても、相手が私に伝えようとしていることは何か、そしてその背景にあるものは何か、何を考え、どう思っているか、そんな相手の真意を、言葉だけでなく表情やしぐさまで見ながら読み取っていくことです。そして、こちらから相手にものを伝えたいと思った時には、それ相応の「熱」をもって臨まないと伝わらない、このようなことを意識しています。
実はこんな当たり前のことが、私自身、意識はしていてもなかなか実践できていません。人と話をしても、その人が強調したいところがどこなのか、これは相手が強調するだけでなく、こちらにもその話を受け入れるアンテナがないと、頭に入りません。自分自身これではいけない、勉強不足だと思う場合もかなりあります。このように実践はなかなかできていませんが、しかしこれまでの経験上、お互いの意思疎通を図りたいと思えば、まず相手の真意を読み取るために、分からない事は聞く、相手の感情を推し量るために表情も見る、こちらから伝えたいことがあれば相手の目を見て熱い気持ちで説明する、こういう「熱」がとても大事だと思っています。
相手の熱量が弱く、こちらの熱量も弱いと何が起きるか、自分の場合は不謹慎ですが、眠くなってしまいます。これでは相手に大変失礼ですので、重々反省しています。が、やはりその場合は、相手の熱量もちょっと弱いのではないかとひそかに思ったりします。話がちょっと脱線しました。
どうしたら相手の言っていることを、しっかり理解できるか、また自分の伝えたいことを、理解してもらえるか、これは人間の意思疎通についての最も大きなテーマですが、まず大前提として心得ておかねばならないこと、それは人間、どう頑張っても相手の心のなかは最終的には分からないし、相手が見ている世界は自分が見ている世界とは異なる、ということです。これも当たり前、と思われるでしょうが、我々は得てして相手のことを分かった「つもり」になってしまいます。なぜなのか。そもそも人間のコミュニケーション手段である「言葉」について、我々は普段から何気ない過信をしているからではないかと思うのです。
逆説的ですが、この「言葉」というものが有るが故に、我々は相手が見ているモノと自分が見ているモノは同じだ、という錯覚に陥りやすい、ということです。例えば一口に「クルマ」という言葉を聞いて、思い浮かぶ自動車は皆さん一人一人全く違うにも関わらず、相手も自分と同じ自動車を思い浮かべていると意識しがち、これが人間です。
クルマ以外の単語をもう一つ取り上げます。これから暑くなってくると欲しくなる清涼飲料水で「ファンタ」という飲み物があります。この言葉を聞いて何が浮かぶでしょうか。グレープかオレンジか、どちらが心に浮かんだか、それとも他の味のファンタが浮かんだか、それとも「ああそういう飲み物あるよね」くらいにしか思わないか。グレープでもオレンジでも、この二つだけが瞬間的に浮かんだ人は、私のような昭和生まれ昭和育ちではないかと思います。でもファンタは今や何種類もあります。このように一つの言葉について、世代間での認識のギャップも往々にしてあります。
いずれにせよ一つの言葉をとってみても心に映し出されるものは十人十色、人は自分とは見え方も考え方も違う、これを大前提にしておかないと、様々な誤解が生まれます。これもなかなか普段の生活では意識しません。こんなことにも、ちょっと気持ちを向けて、改めて皆さんには職場での対話、市民との対話に臨んでいただきたいのです。
ここまで話すと、じゃあ、どうやったって人と人とは最終的には分かり合えないんですね、という質問が出ると思います。私の答えは、「そうです。」です。ただしかし、分かり合えないからこそ、あなたが分からないところで相手は辛い思いで苦しんでいるかも知れないし、あるいはあなたのために頑張ってくれているかも知れません。この見えないところに思いを馳せることが出来るかどうか。
コミュニケーションを円滑にするために最も必要なのは、結局は相手へのまごころ、これに尽きると思います。いつも会っている人であれ、初対面の人であれ、押しつけがましくなく、さりげなく、自分のできる範囲で良いから、温かい好意を示しつつ対面出来るかどうか。
先ほど私は、言葉のやりとりだけでなく相手の表情やしぐさも見ることがコミュニケーションには大切と言いました。言葉の字面だけでない、相手を人として受け止める力、これを、私も養うよう努めます。皆さんにも更に養っていただきたいと思います。完璧に分かり合えない人間同士だからこそ、人との対話は丁寧に、まごころ、そして熱を込めて行いたい、それはひいては自分自身のより良き仕事につながるし、実は良き人生を送ることにもつながる、そう思います。私は職員の皆さんには、良き仕事をしてもらうと共に、良き人生を歩んで欲しいと願っています。
今回のお話は、とある職員との対話をきっかけに、私自身が日頃感じている事をお話しました。以上で今月の月いちメッセージを終わります。今月もよろしくお願いします。

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