新年度の始まりにあたり訓示を行いました(令和6年4月1日)

更新日:2024年04月01日

皆さんおはようございます。4月1日、新年度が始まりました。まずは昨年度、一人一人それぞれの1年間、それぞれに感慨深いものがあると思います。皆さんお疲れ様でした。
本日、新採用職員の皆さんを迎えて新年度が始まります。年度初めにあたり、本年1月に掲げた「誠」という言葉について、私なりに少し深掘りして皆さんにお話いたします。
以前ある職員と雑談した際に「市長、自分の誠意、まごころを人様に伝えるには何が大切でしょうか」と問われました。市民の皆さまに向き合う際、誠意を持って接してもなかなか受け付けてくれない場合があり、自分も悩んできたが、自分の部下からもどうしたら良いでしょうかと問われ、ケースバイケースとはいえ、なかなか個々のケースにも的確なアドバイスが難しい、というのです。自分の誠意がなかなか伝わらない…これは職場内でも起こりえることでしょう。「雑談ですから聞き流して下さい」とその職員は言っていましたが、公務員という、人々のために尽くすことを本分とする職業を選んだ以上、自分の誠意が他人にキチンと伝わり理解されるにはどうしたら良いか、という本質的な問いかけだと私は感じました。
以下、個々のケースの答えにはなっておらず、あくまで一般論ですが、人様に自分のまごころ、誠意を伝えるために大切なポイントではないかと私が常々思っていることを、三点ほどお話します。
一つには自分が「謙虚」であるかどうか、だと思います。俺が俺が、私が私が、と我を通すようではおよそ誠意は伝わらない、誠意ですらないと思います。私も自戒が必要ですが、自分の考えを過信せず、うぬぼれず、人の話に耳を傾け、常に学び続けようという思いで事にあたる、間違いがあれば正直に認め謝る、そして正しいリカバリーに努める、このような姿勢は職場内でも対外的にも人に誠意を伝えるための基本でしょう。そしてこの謙虚というのは卑屈とは違います。卑屈では誠意やまごころは伝わりません。
誠意を伝えるための二つ目のポイントは「熱・勇気」があるかどうか、だと思います。謙虚なだけでは人に気持ちは伝わりません。誰かの追随ではなく、自分自身が正しいと思ったことを人に伝えるためには熱が要る、勇気が要ります。熱や勇気があってはじめて、その人の誠意は表に出てくると思います。その場合、衝突も起こる、時に失敗することもあります。独りよがりの正義では誠意は伝わりません。失敗したと自覚した時は謙虚に反省し、やりなおすことです。やりなおすにも熱が、勇気が要ります。一度や二度の失敗であきらめない。衝突はない方が良いですが、衝突を恐れすぎては何もできません。誠意を伝えるのに、熱、勇気は大事です。
そして、自分の中だけで物事が完結しても誠意は伝わらない。三つ目のポイントは、やはり「他人への思いやり」があるかどうか、でしょう。自分と他人は違います。どんなに言葉を尽くしても伝わらない場合もある。しかし相手も人間です。相手には相手の事情があり、感情があります。すぐ伝わらないからといってあせらずあわてずあきらめず。仮に自分が嫌われているなら、相手の心を動かすことができるであろう他の人にお願いして、相手に誠意を伝えていくことも、時には必要です。他人への思いやりというのは、単に情けをかけるというより、相手には相手の事情があるんだと冷静に見つめた上でそそぐ、愛情なんだろうと思うのです。
ここまで、相手に自分の誠意を伝えるためにどんなポイントが必要か、私なりに思っていることを三点お話しました。なお、このように手を尽くしても、伝わらない場合が多いのが人の誠意、まごころです。もしかして自分も人様からの誠意に気付いていないかも知れない、そんな自分を客観視する気持ちも大事かなと思います。以上、少し抽象的な話を述べてまいりましたが、それぞれ皆さんの状況に当てはめて参考になれば幸いです。
最後に、本庄市政を取り巻く概況と私の思いをお伝えします。地球規模の環境悪化が懸念される一方、世界情勢は不安定で各国は翻弄されています。グローバルなネット社会の光と影について、しっかり自覚した上でのコントロールが、人類にはまだできていません。国内においては、株価が4万円台を記録するも、一般国民の景気回復の実感はまだ乏しい。また2025年問題と言われる時期が迫る中、超高齢化社会への備え、そして少子化時代におけるこども真ん中社会の実現、さらに何時起きるか分からない災害への備えは、いずれも待ったなしです。
そんな令和6年度。私たち本庄市行政に携わる者は、明日の本庄市そして市民の生活を、持続可能なものにするため、様々な方向性を打ち出さなければなりません。公共施設の再配置しかり、高齢者福祉施策のあり方しかり、こども施策の推進しかり、そして水道料金の改定しかりです。一つ一つ挙げることは時間の都合上できませんが、他にも紆余曲折しながら何とか将来のために方向性を見いだそうとしている諸施策の課題が山積しています。私自身、新年度、改めて自分自身を引き締めて、誠心誠意、ことに当たっていく覚悟です。ぜひ皆さんもこの一年、謙虚さ、熱・勇気、そして他人への思いやりを持って、身体と心と言葉を大切にしながら、誠心誠意仕事に励んで下さい。
以上、年度当初の訓示といたします。本年度もよろしくお願いします。

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