出生率の上昇と、その先の人口自然増を目指して(令和6年5月1日)

更新日:2024年05月01日

おはようございます。5月になりました。今月の月いちメッセージをお送りします。
さて本日皆さんにお話しするのは、先月24日、民間の有識者でつくる「人口戦略会議」が発表した、全国の市区町村の「持続可能性」分析レポートについてです。「消滅可能性自治体」という言葉が様々に議論を呼んでいますが、超高齢化と共に進む人口減少は我が国が直面する最も大きな課題であることは間違いなく、そして本庄市も例外ではありません。
この分析レポートは、これで2回目です。前回の平成26年、2014年に発表された際、2010年から2040年までの30年間に若年女性つまり20代から30代の女性の数が50%以上減ると予想される自治体を消滅可能性自治体と初めて名付けました。今回はそれから10年たっての第2回目の分析で、2020年から2050年までの30年間を想定しています。
前回の調査で、本庄市の若年女性人口は2040年までの30年間で減少率43.5%と予想されました。50%までいかないまでもかなり深刻な数字でした。周辺にはさらに深刻な数値の自治体もありました。
実は前回のこの数値は、自治体間の人口移動を想定しての予想であったことから、その後、本市もそうですが、多くの自治体が自分たちのところが消滅可能性自治体にならないために、と、若年人口の維持あるいは社会増を目指す施策に力を入れるようになりました。が、結果として人口の自然増つまり出生率のアップという課題からは遠のいてしまった感が否めません。このことは人口戦略会議でも問題とされ、その結果2回目の今回は、仮にその自治体が外との人口移動が無かった場合若年女性人口の数がどうなるかという予想も公表したところです。
その結果、消滅可能性自治体と並んで、新たに「ブラックホール型自治体」という名称が生まれました。大都市部に多く、若年層を常に吸い込みながらも、結果として出生率は上がらず人口の自然増が起きない様子をブラックホールに例えているわけで、東京23区のうち16の区がこれに該当するとされました。
さて、では本庄市の今回の分析結果ですが、人口の移動を想定した従来の分析での人口予想では、2020年から2050年までの30年間で若年女性人口はマイナス30.7%。前回よりも12.8%ばん回するとの予想が出ました。ちなみに県北地域ではマイナス40%や50%を超えるとされる自治体もあるなか、本市は人口減少率が最小でした。これは本市のポテンシャルが他自治体と比べて高くなり、若年層の流出が抑えられると予想されたことに他なりません。
一方、人口移動が無かったと仮定しての若年女性人口の予想はどうであるかというと、本庄はマイナス33.1%でした。この近隣では群馬県の太田市のみがマイナス20%台で、他はおしなべてマイナス30%から40%程度となっており、自然減がまんべんなく進むことが予想されます。
将来に向け若年層への求心力を高めること、これは今後とも市の強みとしてさらに磨きをかけて行くべきです。そしてそうは言っても、2050年までに若年女性3割減です。周辺には激減する自治体もあります。出生率の低迷は全国的におしなべての課題であり、しかもその対策はこれまでなかなか打ち出せていません。私たちはより一層危機感を持って人口減少問題に取り組むべきでしょう。
世の風潮では消滅可能性自治体という言葉が独り歩きしていますが、私は今回の分析を見て、引き続き人口の社会増を本市の強みとして目指す一方、これからは出生率の上昇をいかにして実現するか、そこに焦点をしっかり当てるべきだと感じました。
今回のレポートと併せ、本年1月に発表された同じく人口戦略会議による『人口ビジョン2100』このビジョンを多くの人に知っていただきたいです。副題に「安定的で、成長力のある『8000万人国家』へ」とあるこのビジョンでは、人口減少のスピードを緩和させ、最終的に人口を安定させる「定常化戦略」と、現在より小さな人口規模であっても質的な強靭化を図り、多様性に富んだ成長力のある社会を構築する「強靭化戦略」。これらの戦略に政府と自治体、民間、国民が一体となって取り組むべきとうたわれています。
そして若者、特に女性を最重視すること、世代間の継承、連帯と「共同養育社会」をつくること、移民政策を取らず永住外国人施策に関する総合戦略の立案、等々、読み応えのある内容になっています。さほど長い文書ではありません。ネットで簡単に見られます。職員の皆さんにはぜひ読んで欲しいです。
私自身、カギは「共同養育社会」という言葉かなと感じているところです。子を持つ、持たないに関わらず、すべての子供はみんなの子供という意識の醸成に率先して取り組み、何とか本庄市から出生率上昇と、その先に人口自然増の地域社会を実現したいです。
以上で今月の月いちメッセージを終わります。連休はしっかり休んで、明けには体調に気を付けて頑張って参りましょう。

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