吉田市長3期目就任訓示(平成26年2月5日)

更新日:2020年10月01日

3期目就任の訓示を述べている吉田市長の写真

はじめに

 みなさん、おはようございます。昨日をもって合併後の本庄市政2期目の任期も終了し、本日より3期目がスタートすることになりました。改めまして、これまでみなさんに支えていただいたことに心から感謝申し上げます。そして、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 今般の選挙は無投票当選でした。自分なりにこの結果について考えるに、これは市民の皆さまから私だけでなく、我々に、引き続きしっかり仕事をやれと言っていただいたものと受け止めております。振り返ってみれば2期目の4年間も、過去からの課題の解決と、未来への種蒔き、この二つの営みにみなさんと共に毎日毎日、倦まず弛まず努めてまいりました。今日から心機一転新しいスタートではありますが、引き続き昨日までと変わらず、誠心誠意、市政に取り組んでまいる所存です。
 さて、この度の選挙において、私は「人も地域も元気で健康な都市 本庄」の実現を目指すと宣言し、公約については引き続き暮らす、稼ぐ、育むの3つのカテゴリーにまとめ、昨年12月22日の市政報告会で「30の公約」として発表しましたが、これを「10のトピックス」にまとめたものを選挙において配布いたしました。それがお手元にある資料です。
 公約は市民との約束ですから、なるべく具体的に、どのようなことを市が、市長が行おうと考えているのかを明示して行く必要があると私は考えております。しかしそれらの公約は決して場当たり的なものではありません。それぞれ背景があってこれらの公約は形作られている、しかもそれぞれの政策はどこかで関連しあい、結びついており、全体としてさらに大きな背景から導き出されている、ということをお話したいと思います。

本庄市政への「思い」

 まず、みなさんに私自身の本庄市政への思いを申し上げます。市長である私を突き動かしているものは何か。それは「危機感」と「使命感」と「達成感」であります。
 まず、日本の将来そして本庄市の将来に対する危機感であります。我々が現状のまま漫然と過ごしていった場合、社会保障が維持できなくなる恐れの高い超高齢化社会、その超高齢化よりさらに深刻な問題として、国家全体が縮小衰退する最も大きな要因である少子化があります。そして、まさにこういった危機があるのにもかかわらず、日本社会全体に漂う、我が国を将来に持続可能な形で、誇りある形で次世代につなげていこうという意志が国民の間で希薄になっていること。私はこの超高齢化、少子化、そして国民の意志の希薄化に対して、非常なる危機感を抱いております。
 そして、「使命感」であります。超高齢社会を皆で支えあって乗り切っていく、少子化に歯止めをかけて日本の人口を極端に減らさない、そして自分たちの孫子の代に、引き続き我が日本に生きる一人一人が、お互いの存在を活かし、みんなで社会をはぐくみ、安全と安心が保障される、人間を大切にする誇りある輝く国としてあってほしい、このビジョンを実現するために、今を生きる我々が、小さくとも良いから、自分たちに出来ることを一所懸命に成し遂げて行く、まさにその使命感、これが私を突き動かしているのであります。
 極端な物言いですが、今の日本に口先だけの評論家はいりません。危機感を持ったなら、使命感を持って動くしかないのです。昔も今も、そして将来も、我が国の社会に必要とされてきたのは、自分だけのことでなく他への奉仕の精神を持って、自らの職域において真面目に働く人々でした。私は公共の精神、愛国愛郷の精神を持った地方公務員は最強だと思っております。逆に、そういった公徳心なき公務員は限りなく堕落すると思います。
 自分の国と地域に誇りを持ち、日本の国を良くして行くために、地域にいる自分たちだからこそ出来ることがあるはずだ、という意識を持って、大きな視点を持ちつつ、眼前に横たわる課題に果敢にチャレンジする、そんな職員がいるから、日本の国は保たれているのです。山あり谷あり苦労も多いですが、それが日本の危機を、まさに地域から乗り越えて行く原動力になる、私は先ほど示したビジョンを掲げ、みなさんと仕事をし、以って日本の危機を本庄市から打開していきたい。まさに、本庄市総合振興計画にうたってあるところの、「あなたが活かす、みんなで育む、安全と安心のまち本庄 世のため後のため、」であります。
 私は、ぜひ職員特に管理職のみなさんには、この本庄市の将来像は繰り返し繰り返し反復して、その言葉に込められた意味をぜひ血肉化して自らの行動の上に具現化していただきたい、このことをお願いいたします。

公約について

 こういった問題意識が背景にあり、今般の公約の冒頭には、昨年策定された本庄市の都市計画マスタープランが掲げた言葉をそのまま引用し、「人も地域も元気で健康な都市 本庄の実現」を掲げています。
 まず人の健康で言えば、公約1にあるところの、今まで本市が進めてきた市民の健康づくりに資するさまざまな政策を、現在保健部が中心となって策定する予定の健康推進計画において体系化し、具体的に効果のある数々の健康推進政策を着実に進めてゆくこと、であります。例えば公約10に掲げた市民との協働による市民一人1スポーツの推進により体力づくりを進めるのも大事でありますし、検診の充実、あるいは介護予防の充実などもさらに体系的に進めて行ければと考えます。
 なお、これは再三私が強調していることですが、「健康」と一口に言っても、これは単に元気な方のみを対象にしているのではありません。生あるものは必ず老い、病にかかり、そして死に至ります。今元気な我々も、いつ病気になるか、あるいは介護のお世話になるか分からないわけで、また自分が元気でも、親や配偶者、子どもが病気だったり、障害があったり、介護を受けていたり、これは人間である以上避けては通れない道であります。
 ただ、たとえ病の床にあっても、重度の介護を受けていても、人間としての生きがいや、尊厳ある生活を送りたいと思う、これが人間であり、私が言っている健康、今年の冒頭でも申し上げましたが「健やかに」とは、そういった尊厳ある生活を死に至るまでどうしたら実現できるか、という意味で使っている言葉なのだとご理解ください。
 重度の介護を受けている方が、口腔トレーニングで介護度が改善し、自分の口で食事が出来るようにお手伝いすることも大事、また在宅医療の現場で、自宅で安らかに最後を迎えられるようケアの体制が整うことも大事だと思うのです。今般公約4に掲げた地域福祉計画の推進、あるいは公約10の市民との協働による成年後見人制度の推進も、まさにちょっと見守りが必要な方々が地域で健やかに、あるいは認知症の方々が安心して暮らして行けるために進めなければならない政策であります。
 そしてこれらはとりもなおさず、先ほど述べた、今後の超高齢化時代において、政府や自治体が対応しきれなくなる恐れのある社会保障費の増大という重大な課題に、本庄市として能動的に対応していきたいという強い思い、危機感に裏打ちされた強い使命感が背景にあることを、ぜひみなさんにもご理解いただきたくお願いいたします。
 さて、そのような計画づくりとさまざまな健康政策の推進に合わせ、公約1では現在老朽化している保健センターに代わる新しい健康推進のための施設の建設も掲げました。施設建設に合わせ、検診機能を強化し、休日急患診療所の充実など、地域の救急体制に市行政としても出来る限りの施策を講じていきたいと考えます。これはとりもなおさず、公約2の後半に掲げた、若年層定住人口の増加にも必要な施策です。またこの施設が先ほどから述べている、市民の健康づくりのさまざまな施策を、効果的に進めることが出来る施設として活用され、大きな役割を果たす施設として運営されるよう、目指してまいりたいと思います。
 さて、人の健康という観点から言えば、自分たちの地域に、自分たちの社会に、国に、それこそ「世のため後のため」の精神で尽くして行こうという健全な市民国民へと、我々が成長して行くことも非常に大切であります。
 そのための公約3の教育環境の更なる充実があり、生涯学習の推進があり、公約10の塙保己一記念館のリニューアルによる遺徳顕彰事業の更なる充実があると考えます。教育環境整備では、公立小中学校へのエアコン設置を掲げました。学校の施設整備は耐震化を着実に進めて来ましたが、ほぼ目途がついて来ました。関係者のみなさんに感謝すると共に、引き続きエアコン設置についても計画通りに出来るよう、ご尽力を宜しくお願いいたします。
 また過去4年間の中で、生涯学習の推進は大きな成果を上げてきました。健やかな社会づくりという観点から、生涯学習の更なる充実は欠かせないと考えます。人間は一生勉強と言われますが、やはり教養を積むということが人生を豊かにすることは確かです。超高齢化社会を共に支えあい、また少子化に歯止めをかけるためのアプローチの一つとして、また先ほど私が危機感の三点目で述べた、国民の意志の希薄化、この問題の解決のためには、志の高い国民を地域が輩出し、また地域に住む我々も自ら教養を積み、支えあいの社会を担うアクティブな人材になっていくことが必要でしょう。
 さて、地域の健康、都市の健康へのアプローチですが、これは公約で掲げた、都市整備や経済環境、市の魅力づくり、そして市民との協働のまちづくりの更なる推進に他なりません。
 本市における都市整備の大きな課題であったUR施工の本庄早稲田駅周辺土地区画整理事業はこの3月で一つの節目を迎えます。本当に多くのみなさんのご尽力でここまで来ることが出来ました。心から御礼申し上げます。引き続き本庄早稲田の杜づくりを推進し、公約6でも掲げたエコタウンの事業、特にこの地域が本庄市の新しい顔であることから、県と市で新しい事業も立ち上げていく方針です。また公約7で掲げた東西通りの延伸や新田原通りなどの都市基盤の整備、公約9で掲げた更なる企業誘致の推進や、若年層の定住化につながる宅地開発などの整備を継続しつつ、今後はエリアマネジメントつまり市民との協働により魅力ある地域づくりを目指していかねばなりません。また、新幹線停車本数の増加やスピードアップへのチャレンジは、これも市の魅力づくりに大いに必要であると考えます。今後とも北関東に開けた扇の要として、本庄早稲田の杜の更なる飛躍を図りたいと考えます。
 また、公約7に掲げた本庄道路の整備促進、これもまた関係者のご尽力で着工に至ったことは感慨深いものがあります。今後とも更なる働きかけを継続してまいります。
 そして今後の都市整備の大きな課題として、公約2で既成市街地のさまざまな課題にチャレンジすること、そして交流人口と若年層定住人口の増加を掲げました。既成市街地のさまざまな課題に、本市として本腰を入れて取り組んでいく事を、今回の公約で真正面から掲げたところです。
 特に中心市街地の課題については、すでにスタートした空き家対策、本格的に力を入れる中山道電線類地中化、そして、公約9でも掲げた公共施設の再配置計画の先導的役割としての、市民プラザ跡地複合施設の建設と公約10で掲げたその活用、また空き店舗対策や、旧本庄商業銀行レンガ倉庫などの文化財はじめ歴史的建造物の活用やソフトパワーの発掘、いくつかのアプローチが始まっておりますが、今後そういったいくつかのアプローチを有機的につなげ、さらにもう一歩踏み込んで街中の新規のハード面の整備も含めて、大いに研究検討し、交流人口と特に若年層定住人口の増加、空き店舗や蔵などがリニューアルされた商業環境の新しい創出など、魅力ある街中再生が実現できるよう、みんなで知恵を絞ってチャレンジしてまいりましょう。
 先ほどは人の健康についてお話しましたが、この既成市街地の課題へのチャレンジは、まさに都市が健康を取り戻せるかどうかの課題であると考えます。児玉市街地も既成市街地であります。今後、児玉総合支所複合施設の建て替え後の、特に塙保己一記念館のリニューアルなど、求心力ある運営をはかり、また県道の改良事業もまちなか再生の大きな課題です。さらに競進社模範蚕室も富岡製糸場との連携をはかるなど、その活用も今後の課題として取り組むべきと考えております。
 公約5で掲げた安全安心のまちづくりでは、東日本大震災という非常時の経験を今後に活かし、来るべき災害に備えるべく、公約6のエコタウン推進の中でも掲げた避難所の機能強化を県と協働のシルクドームのエコ化により推進してまいります。本市にも活断層があり、例えば公約7の橋梁長寿命化をはじめ、公共施設の耐震化、狭隘道路や老朽家屋の更なる解消など、いざという時の備えは万全を目指さなければなりません。と同時に本市は、首都直下の大地震発生の際、帰宅困難者はもちろん、必ず大量に押し寄せてくる避難者を受け入れねばなりません。このことは我々がしっかり覚悟をもっておくべき課題であると考えます。シルクドームの避難所としての機能強化はまさにこの考えの上に立っていることをご理解ください。
 また消防施設についてですが、すでに児玉広域消防の新庁舎建設にあたって、市職員に応援していただいており、これは広域圏の管理者として感謝いたします。引き続き児玉、本庄の消防施設の建て替えについても、ぜひ関係者のご協力をよろしくお願いいたします。
 また、犯罪の抑制と交通安全の推進に取り組まねばなりません。特にこの際職員のみなさんに徹底してほしいのは、私も自ら気を付けてまいりますので、交通事故防止に職員一丸となって努力していただきたいということであります。
 公約6のエコタウン推進について改めて申し上げますが、現在、本市は、県と共に再生可能エネルギーの地産地消という大きな課題にチャレンジしておりますが、エコタウン推進は県の事業が終われば終わり、ではありません。再三申し上げているとおり、環境共生都市づくりは本庄市の昔からのテーマであります。これも本庄市だけで完結する問題ではないわけで、まさに新しい日本のエネルギー政策、地域におけるエネルギー政策をどうするのか、今後も県あるいは早稲田大学他関係機関と連携しつつ、地域からの環境問題への更なるアプローチに本庄市として取り組んでいきたいと考えます。県からバックアップをいただいている期間においても、またそれ以降も、再生可能エネルギーの地産地消をはじめ、さまざまな政策を引き続き継続してまいります。特に、新年度からは防犯灯のLED化を大胆に進めていきたいと考えております。ぜひエコタウン推進に、全庁的に意識を持って取り組んでいただきたくお願いいたします。
 公約7の都市基盤の強化については、すでに主要道路などのお話をしましたが、引き続き公園の整備充実、魅力づくりも重要であります。期待も大きい事業ですのでぜひともしっかり進めていただきたいと思います。特に市民の健康づくりに資するための工夫、今までも例えば若泉公園園路の舗装など、バリアフリー化にもつとめていただきましたが、今後ともコンセプト重視で進めてください。一方、地道な作業としての各インフラ整備も、これまた地域からの要望も多い重要課題であります。特に道路については市街地の道路のバリアフリー化、歩行や自転車の通行に資する健康推進の道路整備にも力をいれていくべきと考えます。
 さて産業振興は持続可能な社会づくりのために非常に大切な課題です。公約9で行政経営の観点から企業誘致を掲げましたが、これはとりもなおさず、地域の健全な経済発展こそ、健全な行政経営の基になるものと私は考えているからであります。引き続き優良企業の誘致や市内企業の拡張、設備投資を大いに促していければと考えます。
 また、農林業の基盤強化を公約8で掲げましたが、特にこれまでの積み重ねの中で、地域合意を経て進めていくべきインフラ整備、また農産物のブランド化と農商工連携の更なる推進により、すでに全国規模からみても持続可能な健全経営を実現している地元の有為の農業経営者を支援し、もって地域産業の活性化、ひいては日本農業の発展に地域として寄与していきたいと考えます。
 また、敢えて農林業、と「林業」を入れさせていただいたのも理由があります。これも本庄市だけで完結する課題ではないのですが、県全体そして全国的な課題としての林業の衰退、しかし一方で新しい集成材などの開発により、部材として非常に将来性のある木材の活用方法なども世の中に出てきている今、今後必ず日本林業が見直され、再生する時が来る、そう私はにらんでおります。国土の7割近い面積が山林で覆われた我が国において、林業の復活なくして、真の日本の新しい時代に向けた持続可能な国家経営は成り立たないのではないか、というのが私の問題意識であります。
 すでに、当地域では経営感覚に優れた森林組合が努力しながら経営をしております。本庄市も県の林業対策の協議会に入っており、行政として林業の問題に直接アクセスしている状況にあり、現に中山間地域での有害鳥獣の課題など、解決しなければならない課題も多く、そのためにはやはり山林の保全と活用という大きな課題にも取り組まねばならないと感じていることを申し添えておきます。
 また、公約10でも掲げましたが、山村振興の支援、現在本泉において地域活性化のための構想が進行中であり、すでに市民の皆さまの手作りでハイキングコースなども開設、また新しく開設されつつあります。こういった「山」へのアプローチ、必要な支援を、今後市の魅力づくり、また農山村の過疎化対策という観点からも進めて行きたいと考えております。
 さて、人口対策ひいては少子化対策ですが。まずは本庄市全体で若年人口の更なる定住化について、現在もプロジェクトが進行中であると思いますが、ぜひみなさんの力を発揮していただきたいのです。人口の動態を昨年1年間で見てみますと、社会増減で言うと転入が転出を103人ほど上回っています。つまり、本庄は決して選ばれない都市ではないと言えるでしょう。しかし自然増減をみれば、生まれた赤ちゃんより亡くなった方々の方が254人多いのです。他にも職権消除などがあって、全体として人口は減り続けています。
 これだけ交通の利便性が良く環境に恵まれた本庄市において、これは非常にもったいないと思うのです。まずは社会増をさらに増やす、本庄市を選ばれる都市にしていく、そのためのアプローチはぜひ大いに研究して実験し実証し、成果を出していただきたくお願いいたします。これには公約9に掲げた企業誘致による雇用の確保、公約10に掲げた子育て支援なども重要です。子育て支援については、引き続き「子育て参加率日本一のまち」を掲げて、数多くの子育て支援団体との連携により、安心して子どもを育てられる本庄市の実現に取り組んでいくよう、よろしくお願いいたします。
 そして、少子化対策です。やはり国全体で少子化対策を進めるべきでありますが、しかし自治体や国民が傍観しているようでは何事も進みません。何とか本庄市としても少子化対策にチャレンジすべきでしょう。どのような対策が出来るか、私の持論は、育児にお金がかかる現代において、二人目、三人目を生み育てたいという若い人の背中を少し押してあげるだけでも、ずいぶん状況は違ってくるのでは、というのが実感としてあります。ぜひ本庄市としても知恵を絞ってまいりましょう。
 公約9の健全な行政経営については、まず財政の健全性、自律性を堅持することは大前提です。その上ですでに申し上げた公共施設の再配置計画また更なる企業誘致の推進のほか、税収の確保を掲げました。今回配布した、本来選挙において配布する予定だったチラシの表面に、市の実績として本庄市が効果的な国交省からの助成の確保と、税収のアップ率県下1位を獲得したことを掲載させていただきましたが、この二つとも本庄市の行政経営の大きな成果であると考えております。
 今後とも税収の確保は、真面目に働いている方々のことを思えば当然であり、更なるアップに努めて行かねばなりません。また、常にアンテナを高くして、効果的な国や県の助成を、主体的に引っぱる努力を引き続きお願いいたします。行政経営の観点から言えば、職場環境の整備も重要です。職員の更なるスキルアップ、福利厚生、女性職員の更なる管理職登用、そして特に、何かとストレスの多い職場におけるメンタルヘルスについても考え、有効な対策を講じてゆく必要があると私は感じております。
 そして最後の公約10、市民との協働・市の魅力づくりとPRについてまだ言及していないポイントについてお話します。「観光ガイドブックに載る本庄」の実現、はにぽんの更なるPRを掲げさせていただきました。旧本庄商業銀行レンガ倉庫など歴史的建造物の活用は、120年維持できた建物を、次の120年につなげるというコンセプトでスタートします。一方そういった歴史的文化的遺産に加えて、来年完成予定のナック、クリクラの工場では赤城乳業本庄千本さくら5S工場と同様に工場見学が出来るそうで、そのような工場見学が出来る大工場が市内に2か所出来ることは、観光面、交流人口も増大すると期待しているところです。ぜひ新しいものと古いものをそれぞれ活かしつつ、地域の大きな売りである農業と、新鮮な農産物を使った食、このような資源を大いに活用し「観光ガイドブックに載る」本庄を能動的にアピールして行きたいと思います。
 そしてアピールと言えば、本庄市マスコットはにぽん、の更なるPRです。この度商工会議所は、はにぽんをゆるキャラの人気投票で1位を目指す、というスローガンを掲げました。当初市は、今年は100以内をと言っておりましたが、強力な選挙対策本部が出来たのですから、私としても5年くらいで1位をという望みを前倒しして、より一層市民挙げてはにぽんのPRにさらにつとめて行ければと思います。ぜひみなさんもよろしくお願いいたします。考えれば考えるほど、笑いをモチーフにした1400年前の埴輪が存在するまちということに、もっと我々は誇りを持って良いし、まさにこのような時代だからこそ、笑顔が大事、だと思うのです。そういう点から言っても、全国に笑いと幸福をもたらすためにも、はにぽんが、今年1位を目指すことは、これは国家国民のために本庄市ができる非常に有益なことなのではないか、そう私は確信をしております。
 さて、以上公約について、その背景にある私自身の熱い思いも含めて、話をさせていただきました。各部署によっては自分のところへの言及がなかったと思う方もおられるかも知れませんが、公約ということでご了解いただきたいと思いますし、実は市役所の事業で一つとして他から孤立した、他とは関係のない事業はありません。すべてはつながっているのであります。ぜひそういったつながりを意識していただくためにも、日頃からのコミュニケーションをはかり、情報の共有と事業への共感に努めていただきたくお願いいたします。

終わりに

 それでは最後にもう一度、私を突き動かしているものをお伝えします。まず危機感。超高齢化、少子化、国や郷土を良くしていこうという意志の希薄化、への危機感。
 そして使命感。日本を誇りある輝く国に、郷土を持続可能な社会にしていくための、本庄市役所、そして市民の数々の挑戦を支え、また自らその先頭に立とうという使命感。
 そしてもう一つあります。それは「達成感」です。
 過去4年間、もっと言えば8年間、多くの職員の支えがあって、共に苦労しながら課題の解決と未来への種蒔きに取り組んできました。一つ一つの事業を成し遂げた時の喜び、もちろん一山越えればもう一山ですが、我が誇りある国づくりと本庄市の持続可能な社会づくりに資する地域からのチャレンジと確信し、成し遂げてくることが出来たその喜びは、何物にも代えがたいものでした。もちろん、本当にその事業が、その方向性が、正しいのか、正しかったのか、検証作業が必要です。そういった厳しい検証を当事者でなく、第三者からいただく姿勢を忘れずに、そのうえで常に達成感を職員、市民のみなさんと共有したいという思いがあるからこそ、市長の仕事を継続してくることができたと感じておりますし、これから4年間、またみなさんと、危機感、使命感、達成感をもって仕事ができることを、本当にうれしく思っております。
 最後になりますが、今年、年頭に掲げた「健やかに」、改めて今回の公約の一番の柱でもありますが、その施策を遂行するみなさんが、ご家族そろって健やかに過ごせますよう改めてお祈りします。
 以上で3期目の就任に当たり、みなさんへ挨拶と訓示とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。そして今後ともよろしくお願いいたします。

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