1年越しの約束(平成19年5月1日号)

更新日:2020年10月01日

4月10日、児玉町飯倉にある「こんぴらさま」のお祭りに出かけました。実は地元のみなさんとの1年越しの約束なのです。
昨年の4月9日、飯倉では大規模な山火事が発生し、消防団をはじめ多くの方にご尽力いただきました。その日の夕方、災害対策本部で地元の奥さん方が握ってくれた炊き出しのおにぎりをいただきながら対策会議をしていた時、「こんぴらさまは大丈夫だろうか」と、当時の荒木自治会長が山の方を見ながら心配しているのです。聞けば翌10日は火が燃えている山の上の「琴平(琴比羅)神社」のお祭りだとか。「こんぴらさま」といえば四国讃岐の有名な神社であり、「またどうして児玉の地に?」と思いましたが、その時は理由を聞きませんでした。幸い、山火事は神社のある山頂まで延焼せず鎮火しましたが、やはりお祭りは開催できなくなりました。私は自治会長をはじめ地元の方々を励ますつもりで、「来年の4月10日、お祭りに来ます」とお約束したのです。
さて、本年4月10日、ふもとで四輪駆動車に乗り換え、眼下に雄大な景色を見ながら一路山道を神社へ。山の頂上に着くと、小さなお社が西(讃岐の方角)を向いて建っていました。お参りを済ませ、なごやかな直会(なおらい)となり、新旧自治会長さん、役員さん、氏子総代・年番のみなさん方に大変歓迎していただきました。そもそもこちらのこんぴらさまは、江戸時代に当地出身の蘭学医が京からの帰り、讃岐から御分身をいただいてきたもので、最初子孫の小峯さんのお宅に祀(まつ)り、後に山の上に移した、というお話を小峯さんご本人から聞くことができました。小さなお祭りでしたが、長い間地元の人々によって大切に守られている伝統の一端を感じることができました。
本庄市には各地域に長い歴史と由緒を持った伝統行事が息づいています。それぞれの行事が末永く、また、盛んになるように願ってやみません。

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