平成20年度戦没者追悼式を前に(平成20年10月1日号)

本庄市では毎年10月に先の大戦で亡くなられた1,370余柱の悼式を、ご遺族をはじめ多くの関係者のご列席のもと挙行しております。
私は市長として毎年、この式において「追悼のことば」を申し上げております。戦没者英霊に衷心から追悼の念と感謝を捧げますとともに、今日まで幾多の苦難に耐えてこられたご遺族に心からご慰労を申し上げ、恒久平和への願いと、さらに今日まで我が国を築いてこられた先人の皆さま方に、深く敬意を表する内容となっております。
戦後、日本は平和と繁栄を真摯に希求しつつ、世界に類を見ない経済的に豊かな国へと発展しましたが、それは過ぐる大戦において戦陣に散り、あるいは戦後遠い異郷の地で亡くなられた戦没者の皆さま方の、家族そして日本の行く末を案じる尊い真心が、新たな祖国復興の思いとして、残された方々に引き継がれた結果であると、私は確信しております。
「今を生きる我々は、先人のご労苦の上にあぐらをかいてはいないだろうか」。追悼式において、「本庄市戦没者追悼之標」を目の前に深く頭を垂れるとき、私はいつもそう感じます。
すでに我が国は戦後の経済成長一辺倒の時代が終わり、内外情勢も混沌としております。かつては考えられなかった、社会全体のタガが外れたような事件も起きております。先人の努力を無駄にしないためにも、平和を守り、より良い国づくり、地域づくりに励んで行かねばならない、戦没者追悼式は私にとって、身と心を引き締める時間でもあります。
今年の追悼式は10月9日(木曜日)午後1時30分から本庄市民文化会館で行います。ご遺族や関係者ばかりでなく、だれでも参加できます。ぜひ多くの市民の皆さまにもご参列いただき、献花していただければ幸いです。