よみがえれ元小山川(平成21年7月1日号)

更新日:2020年10月01日

炭を使った浄化活動をしている小川の写真

市街地の北側を流れる元小山川。かつては旭地区の沼地や市街地がけ下からの豊富な湧き水が水源で、釣りはもちろん漁まで行われていた恵みの川でした。若泉公園の西側は「清水河原」と呼ばれ、夏になると水遊びの子どもやボート遊びの大人でにぎわう、市民の憩いの場でした。私も幼いころ、夏に若泉公園の湧き水で楽しんだ記憶が残っています。
しかし昭和の高度経済成長期に、元小山川は生活排水の大量の流入によって一挙に汚れ、豊富だった湧き水も枯れてしまい、昭和60年ごろには、水質が県内ワースト2位になってしまいました。
川は、私たちが便利で快適な生活を手に入れたことによる、一番の犠牲者かも知れません。
市では、昭和51年から元小山川の浄化も目的の一つとして、公共下水道事業を開始しました。また、平成5年からは地域の自治会を中心に「元小山川浄化活動推進実行委員会」が結成され、生活排水についての啓発や川の浄化活動を続けています。こういった地元の地道な活動もあり、平成14年には国から「清流ルネッサンス2」という計画の指定を受け、上流の御陣場川から水を引き、河川内のヘドロさらいが進められました。その後効果が表れはじめ、魚も復活し、希少植物が確認されるなど、元小山川は確実にきれいになりつつあります。
そして、長年の課題であった若泉地区の公共下水道の整備が始まります。また、県や早稲田大学の研究者による水生生物の調査など、学術的取り組みも行われ、これには藤田小の児童も参加しています。元小山川浄化活動推進実行委員会では、本泉地区で作られた「木炭」を元小山川に大量に沈め、水質浄化の実験を始めました。ライオンズクラブによるホタル鑑賞会も、初夏の環境啓発イベントとして定着しています。このようにさまざまな角度から、清流を取り戻すための取り組みが続けられています。
私には、“若泉公園の湧き水を復活させたい"という夢があります。元小山川が清流を取り戻し、冬場でもこんこんと湧く泉が復活するとき、かつて「若泉の庄」と呼ばれた本庄も、環境に優しい、人々が誇りを持てる元気なまちとしてよみがえる、そう信じております。

この記事に関するお問い合わせ先

企画財政部秘書課秘書係
〒367-8501
埼玉県本庄市本庄3丁目5番3号
電話:0495-25-1154
ファックス:0495-21-8499
メールでのお問い合わせはこちら