養蚕文化の地(平成21年10月1日号)

更新日:2020年10月01日

養蚕農家の建物群高窓の里の風景写真

本庄市には、かつて養蚕で栄えた時代の名残が各地に数多く存在します。
秋平地区東小平の「高窓の里」は昨年、県の景観賞を受賞しました。屋根の上に「高窓」がある典型的な養蚕農家の建物群です。今では養蚕は行われていませんが、家主の皆さまが屋根を修繕し保存してきたことで、集落として立派な景観になりました。
この景観賞の受賞をきっかけに、私は農家建築に関心を持つようになりました。すると、本庄地域、児玉地域を問わず、普段見慣れている農村集落の中に、高窓がある農家がまだあることに改めて気づいたのです。高窓は、地域によって「天窓(てんそう)」あるいは「やぐら」とも言われます。特に藤田地区宮戸など市北部の集落には、規模の大きな切妻屋根に高窓が乗った豪壮な農家建築が点在しています。今では維持管理が大変とのことで、家主の皆さまもご苦労されています。中には文化財にもなるような立派な建物もあるので、廃屋になったり、取り壊されたりするのは実に惜しい気がします。
先日、金屋地区の稚蚕飼育所を見学しました。児玉郡市には、今でも養蚕を行っている農家があります。生まれたてのお蚕「稚蚕」を養蚕農家が共同で飼育し、大きくなったらそれぞれの農家に移して育てるというやり方を今でも続けているのです。生まれたての小さな「おかいこさま」が、桑の葉の上を大量にはっている様子を見ることができました。聞いたところによると、このお蚕からとれる絹糸は、京都の西陣などで使われる国産の最高級品だそうです。
本庄のまちなかには、かつての生繭倉庫だった建物が国の登録文化財に指定されて残っております。かつて我が国最大の繭の集積地と言われた本庄の街。児玉も同様に繭の街でありました。
今、群馬県では富岡製糸場をはじめ、かつての養蚕文化の流れを見つめなおし、それらを世界遺産にという動きがあります。私たちも、誇りある養蚕の文化・遺産を改めて評価しなおし、後世に伝えていきたいものです。

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